ECサイトはいつリニューアルすべき?手順や費用、注意点を解説
ECサイトを運営していると、規模拡大や新システムの移行などにより、定期的にリニューアルが必要になります。しかし中にはなんとなく検討はしているものの、具体的なリニューアルのタイミングや手順、費用が分からないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ECサイトをリニューアルすべきタイミングやリニューアルの進め方、注意点などについて解説します。
目次
- ECサイトをリニューアルすべきタイミング
- ECサイトリニューアルの手順
- ECサイトのリニューアルにかかる費用目安
- ECサイトリニューアル時の注意点
- ポイントを押さえてECサイトのリニューアルを成功させよう
ECサイトをリニューアルすべきタイミング
ECサイトのリニューアルは数ヶ月〜数年単位で行われるものであり、不具合等が発生してからでは手遅れになることも少なくありません。そのため少しでも現状のECサイトを運営する中で気になる課題が出てきた時が、リニューアルを検討すべきタイミングです。
ここでは、ECサイトのリニューアルを考えたほうがよい主な場面を紹介します。
売上規模が上がってきた時
売上規模が上がると、既存のECサイトでは対応できなくなるケースがあります。アクセス数や取り扱う商品の点数が増えた場合、より大きな事業規模に対応できるECサイトへのリニューアルが必要です。
システムが古くなった時
自社のサーバーなどに構築したECサイトの中にはシステムが自動的に更新されないことがあります。システムが古いままだと最新のマーケティング関連ツールとの連携やユーザー行動の変化などに対応しにくいため、リニューアルを行う必要があります。
セキュリティ面の不安が出てきた時
ECサイトの運営では、不正アクセスや情報流出などを防ぐための対策も求められます。セキュリティ面での不安が感じられた際は、できるだけ早めにECサイトのリニューアルに着手することをおすすめします。最新のシステムでECサイトを刷新すれば、ハッキングなどのリスクを低減できます。
業務効率を上げたい時
ECサイトによっては、受注や伝票作成、顧客情報の管理などに、必要以上に手間がかかっている場合があります。より使いやすいECサイトにリニューアルすれば、日々の業務や売上データの分析、CRM施策などを効率化することが可能です。
施策の幅を広げたい時
ECサイトのリニューアルは、施策の幅を広げることにもつながります。顧客セグメントごとに分けたメール配信やクーポンの発行などができるECサイトなら、より効果的なアプローチが可能です。
デザインを大幅に変更したい時
レスポンシブデザインの導入によるスマホへの対応や、ブランドコンセプトの変更などデザインを大幅に変更したい時も、ECサイトをリニューアルすべきタイミングです。既存のECサイトのカスタマイズでは不十分な場合、リニューアルで抜本的な変更を行う必要があります。
ECサイトリニューアルの手順
ECサイトのリニューアルを進めるには、まず現状の課題を整理する必要があります。その上でリニューアル後の目標を決め、スケジュールや予算の設定、ECシステムの選択などを進めていきます。
ECサイトリニューアルの具体的な手順は次の通りです。
- 現状のサイトの課題を整理
- リニューアルの目的を確認
- スケジュールと費用を設定
- ECシステムの種類を選択
- ECベンダーに相談
- コンペとベンダー決定・社内承認
①現状のサイトの課題を整理
現状のECサイトについて、解決したい課題を洗い出しましょう。単に「デザインが古い」や「業務効率が低い」などの漠然とした表現ではなく、より具体的に課題を言語化することが重要です。
- スマートフォンの画面で見たときのレイアウトが見にくく、ユーザーが離脱している
- 顧客数が増えてきたため、顧客ごとの売上データの出力や分析に時間がかかっている
上記のように課題の詳細を明らかにすることで、リニューアルの方向性が定まりやすくなります。
②リニューアルの目的を確認
次に、リニューアルの目的を明確にします。現状のECサイトの課題を、リニューアルによってどのように解決したいかを考えましょう。その際は以下のように、具体的な目的を定めることが重要です。
- レスポンシブデザインに対応してユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率を高める
- レポート作成、データ分析などの機能が充実したECシステムに乗り換えて業務効率を上げる
また、目的とともにリニューアル後のKPIも設定しましょう。ECサイトは以下6つのKPI設定が基本です。
1. 訪問者数
2. リピート率
3. 購入割合(CVR)
4. 顧客単価
5. 顧客生涯価値(LTV)
6. 顧客獲得費用(CAC)
上記6つのKPIに関して現状を踏まえ「現状と比べてリピート率を〇%アップさせる」、「顧客単価を〇円以上に高める」など、数値を含めた目標設定を行います。
関連記事:
ECサイトで設定すべき6つのKPIとは?設定方法や改善策も解説
ECのリピート率はなぜ伸びない?改善させる5つの施策
③スケジュールと費用を設定
リニューアルの目的や目標を設定できたら、スケジュールと費用を決めます。
ECサイトのリニューアルにかかる期間は、ECサイトの規模や種類によってさまざまです。1ヶ月前後で完了することもあれば、数ヶ月や1年かかることもあります。いずれの場合も、リニューアル後のサイトの運用開始日から逆算して、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
ECサイトのリニューアルにかかる費用には、システム構築やコーディングなどの開発費用のほか、デザイン費用、月々発生するECサイトシステム利用料などが含まれます。事前に決めた予算内に収まるようにリニューアルの計画を進めていきましょう。
④ECシステムの種類を選択
ECサイトを構築するためのシステムには、上記のようにレンタル・ASPやクラウド・SaaS、パッケージなど複数の種類があります。ECシステムによってカスタマイズの自由度や開発にかかるコストなどが異なるため、自社の目的に合った種類を選ぶことが重要です。
例えば、短期間で新しいECサイトにリニューアルしたい場合は、提供される機能で簡単に出店できるASPが向いています。ただしASPは自由度が低いため、デザインの大幅な変更や独自機能の実装には適していません。カスタマイズ性の高さを求める場合は、クラウド・SaaSやパッケージなどがおすすめです。
関連記事:【目的別】ECサイトの作り方|構築ツールの種類・手順・費用も紹介
⑤ECベンダーに相談
ECベンダーに相談する段階では、複数のベンダーから話を聞くことがポイントです。各ECベンダーの特徴や実績を踏まえて、自社がやりたいことが実現できそうかを確認します。
ECベンダーに相談する際のポイントは、予算感やECサイト構築のスケジュール、セキュリティ対策のレベルなどです。また開発体制はもちろん、デザインまで頼めるのかや、リニューアル後のサポート体制についても確認しましょう。
⑥コンペとベンダー決定・社内承認
大規模なリニューアルを行う場合、複数のベンダーによるコンペを開くケースもあります。コンペを行う際には、各ベンダーに同じ内容で依頼を行い比較検討をすることがポイントです。予算に見合う金額かどうかだけでなく、リニューアルの意図を捉えられているかを確認し、自社の要望を実現できそうなベンダーを選びましょう。
契約するベンダーが正式に決まったら、社内での承認を進めます。ベンダーの決定理由や根拠を説明できるようにしておくと、スムーズに稟議を通すことができるでしょう。
ECサイトのリニューアルにかかる費用目安
ECサイトのリニューアルにかかる費用は、サイトの規模やECシステム変更の有無などによって大きく異なります。
100ページ以下の小規模なECサイトでECシステムの変更がない場合は、数十万円から100万円程度の費用が一般的です。ページ数が多くECシステムの変更があるといった大規模なリニューアルでは、500万円以上の費用がかかる場合もあります。
各作業費用の設定はECベンダーによって異なるため、見積もりの段階で詳細を確認しましょう。
ECサイトリニューアル時の注意点
ECサイトをリニューアルする際には、予算オーバーやスケジュールの遅延などのトラブルに注意が必要です。ここでは、ECサイトリニューアル時に気を付けたいポイントについて解説します。
リニューアル内容を固めて予算オーバーを防ぐ
リニューアルを検討していると、やりたいことが増えていき、予算を超えてしまうことがよくあります。特に実現したい内容をベースにリニューアルを進めると、目的達成には不必要な機能やデザイン変更を盛り込んでしまう場合があるため注意が必要です。
ECサイトのリニューアルがかえって収益を圧迫するといった事態を防ぐためにも、早い段階でリニューアル内容を固めて予算オーバーを防ぎましょう。
段階的なリニューアルを検討する
リニューアル箇所が増えるほど工数が増え、スケジュール遅延などのトラブルが起きるリスクが高くなります。
そんな時は一度に全て詰め込むのではなく、まずは部分的なリニューアルを行い、段階的に機能や連携先を追加していくのも一つの戦略です。段階的にリニューアルを行う際は、優先的に解決すべき課題や目的を洗い出し、必要性の高い項目から着手しましょう。
リニューアル後もPDCAを回す
ECサイトのリニューアルはさまざまな目的で行われますが、リニューアルしたからといって自動的に成果が上がるとは限りません。目標を達成するためには、リニューアル後にPDCAを回すことが大切です。
リニューアル後の実績と目標とのギャップを分析し、サイトのデザイン調整や新たなCRM施策の実施など、必要に応じたアクションを実行していきましょう。
ポイントを押さえてECサイトのリニューアルを成功させよう
ECサイトのリニューアルは、現状の課題を解決するために有効な施策です。特に売上規模が上がってきた場合やデザインを大幅に変更したい場合などは、ECサイトをリニューアルする良いタイミングといえます。
解決したい課題や目標を明確にした上で自社に合うベンダーを選び、ECサイトのリニューアルを成功させましょう。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
- コンセプト
- コンセプトとは、作品やサービスなどに一貫して貫かれている考え方をいいます。デザインと機能がバラバラだったり、使い勝手がちぐはぐだったりすると「コンセプトが一貫してないね」などと酷評されてしまいます。
- レイアウト
- レイアウトとは、もともと「配置」や「配列」を指す語です。ここでは、「ホームページレイアウト(ウェブレイアウト)」と呼ばれる、ホームページにおけるレイアウトについて説明します。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- ASP
- ASPとは、①Active Server Pages、②Affiliate Service Provider、あるいは③Application Service Providerの略称です。 それぞれ意味は異なりますが、このページでは特に、②Affiliate Service Providerに関する説明をさせていただきます。
- SaaS
- SaaSとは、Software as a Serviceの略で、ユーザーにソフトウェアの「機能」をインターネット経由で提供することを言います。
- ASP
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- SaaS
- SaaSとは、Software as a Serviceの略で、ユーザーにソフトウェアの「機能」をインターネット経由で提供することを言います。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- PDCA
- PDCAとは、事業活動などを継続して改善していくためのマネジメントサイクルの一種で、Plan,Do,Check,Actionの頭文字をとったものです。
- CRM
- CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、直訳すると顧客関係管理となります。
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