ECサイトの費用相場|構築方法・サービス別の料金比較
ECサイトの構築には複数の方法があり、それぞれ費用相場が異なります。自社に最適なツールやプランを選ぶためには、構築方法ごとの費用相場を把握しておくことが大切です。
そこでこの記事では、ECサイトの構築方法別とツール別の費用相場を紹介します。これからECサイトの立ち上げやリニューアルを検討しているマーケター、Web担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ECサイトの構築方法ごとの費用相場
以下の表は、ECサイトの構築方法ごとに、費用の内訳とサービス例をまとめたものです。
ECモールやAPS、ECクラウドサービスなど、他社のプラットフォームを利用(レンタル)する方法は、維持コストは比較的少額であるものの販売手数料や決済手数料が発生するため、毎月の売上高や購買回数を考慮して選定する必要があります。
一方で、自社でECサイトを構築する場合は、初期費用や維持コストはかかりますが、各種手数料は発生しません。ただし、システム運用保守を外部に委託する場合は、追加のランニングコストが発生するので注意が必要です。
ECサイト構築費用の比較
ここでは、ECサイトの構築方法別の特徴、費用相場、メリット・デメリット、代表的なサービスの料金について紹介します。
ECモール
ECモールとは、多数の企業や出品者が出店・出品をするECサイトのことです。インターネット上に構築されたモールプラットフォームを利用するので、初期費用は無料〜数万円程度と負担は比較的軽くなります。
なお、ECモールごとに料金システムは異なり、選ぶモールによって月額費用は数千円〜数十万円まで変動します。各社が用意している料金シミュレーション機能を活用して、おおよその月額費用を算出してみましょう。
● メリット
- 集客力が高い
- 出店から運用まで一貫したサポートがある
● デメリット
- 出店料や手数料などのランニングコストが発生する
- 価格競争が起こりやすい
● 代表的なモールの費用
楽天市場 | |
---|---|
月額出店料 | 19,500~100,000円(税別)/月 |
システム利用料 | 月間売上高の2.0~7.0%(税別) |
R-Messe利用料 | ・楽天ポイントの原資として1.0%/月 ・システム環境整備として月額売上高の0.1% ・楽天スーパーアフィリエイト 購入商品ジャンルに応じて2.0~4.0% |
楽天ペイ | 月間決済高の2.5~3.5% |
その他のオプション(任意) | ・R-SNS(SNS集客サポート)3,000円(税別)/月 ・R-Mail(メルマガ)1通あたり1円(税別)/月 |
Amazon | |
---|---|
出品プラン | 商品ごとに100円、または4,900円/月 |
販売手数料 | 商品カテゴリごとに1点あたり 8~15% |
配送料 | ・FBA配送代行手数料 商品1点あたり208~5,625円 ※ピッキング・梱包・配送・カスタマーサービス・返品含む ・FBA在庫保管手数料 1ケース(宅配60サイズ)あたり 約17円~ ※平均スペース使用量(立方メートル)に基づいて算出 |
その他のオプション | ・大量出品手数料 200万件以上から対象商品あたり 0.05円/月 ・返金処理手数料 500円または販売手数料10%のどちらか金額の小さいほう |
Yahoo!ショッピング | 内容 |
---|---|
初期費用 | 無料 |
月額システム利用料 | 無料 |
売上ロイヤリティ | 無料 |
ストアポイント原資負担 | 1~15%(現在1%は必須) |
キャンペーン原資負担 | 1.5%は必須 |
アフィリエイト手数料 | アフィリエイトパートナー報酬(1~50%)の30% |
ストア決済サービス手数料 | ・クレジットカード、PayPayなど 決済金額の3.0~4.48%(税別) ・コンビニ決済、銀行決済など 100~300円(税別)/件 |
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)
ASPとは、インターネット上でECサイトに必要なカート機能などを提供するサービスのことです。初期費用は無料〜30万円前後、月額費用は3〜5万円が相場です。
サービスごとに複数のプランが用意されているため、自社のニーズに合ったプランを選ぶことができます。また、テンプレート機能を使って簡単にECサイトを構築できるため、初めてECサイトの運用にチャレンジする方にもおすすめです。
● メリット
- 初期費用とランニングコストを抑えられる
- 設定作業の手間が少ない
● デメリット
- デザインや機能のカスタマイズ性が低い
- 運用サポートが不十分
● 代表的なツールの費用相場
ツール | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 | その他料金 |
---|---|---|---|---|
Shopify | 無料 | $33~$399(約5,000~60,000万円) | 3.25~3.4% | - |
STORE | 無料 | 無料~2,980円 | 3.6~5.0% | - |
BASE | 無料 | 無料 | 2.9~4.6%※スタンダードプランは取引き毎に+40円 | サービス利用料 0~3% |
ECクラウドサービス
ECクラウドサービスとは、クラウド上にあるプラットフォームを用いてECサイトを構築できるサービスのことです。
初期費用は無料〜100万円、月額費用は5〜30万円が相場です。ECパッケージやフルスクラッチのようにシステム改修費用が発生しないため、運用コスト面でお得感があります。
● メリット
- 低コストで運用できる
- 最新のシステムを利用できる
● デメリット
- 自社で保守管理できない
- 長期的に見て自社で構築した方が安いケースもある
● 代表的なツールの費用相場
ツール | 初期費用 | 月額費用 | その他オプション |
---|---|---|---|
ecforce | 148,000~248,000円 | 49,800~99,800円 | ・CS機能 15,000円/月 ・外部サービスAPI連携 30,000円/月 ほか |
メルカート | 190,000円~ | 50,000円~ | マーケティングオプションあり ※料金要問い合わせ |
futureshop | 22,000~752,000円 | 29,000~158,000円 | ・CMSサーバー(VPS) 初期費用5,000円~/月額3,800円~ ・カゴ落ちリカバリー 初期費用25,000円/月額10,000円~ ほか |
ecforce、メルカートについては下記ページで詳細を紹介しています。
売上・顧客LTVを最大化するECプラットフォーム
CRM一体型のSaaS型ECカートシステム
ECオープンソース
ECオープンソースとは、オープンソース(=公開されているコード)を使ってECサイトを構築する方法のことです。初期費用は無料〜500万円、月額費用は5〜30万円が相場です。
オープンソース自体は無料で利用できますが、ECサイト構築・運用の人件費や外注費、サーバー代などは自社で負担しなければなりません。
● メリット
- システム利用料は無料
- 機能やデザインのカスタマイズ性が高い
● デメリット
- 運用サポートが受けられない
- セキュリティ対策が必要
● 代表的なツールの費用相場
ツール | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
EC CUBE | 70,000円 | 49,800円〜84,800円 |
Adobe Commerce(Magento) | 無料 | 売上予測、ドメイン数、アクセス数などによる ※詳細は要問い合わせ |
ECパッケージ
ECパッケージとは、ECサイトに必要な機能があらかじめ搭載されているシステムのことです。自社サービスに合わせて、デザインや機能のカスタマイズが発生するため、初期費用は100〜600万円と高額です。
月額費用は30〜100万円が相場であり、これにはライセンス料やカスタマイズ費用が含まれます。
● メリット
- フルスクラッチに比べると低コストで短納期
- ベンダーの手厚いサポートがある
● デメリット
- APSやクラウドサービスに比べるとコストが高い
- システムのメンテナンスや改修の手間がかかる
● 代表的なツールの費用相場
ツール | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
ecbeing | 19~5,000,000円強 | 5~400,000円強 |
SI Web Shopping | 4,800,000円~ | 80,000~134,000円 |
SI Web Shoppingの詳細はこちらでも紹介しています。
デジタルビジネスを加速するEC・DXプラットフォーム
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、ゼロから完全にオリジナルのECシステムを開発することです。初期費用は最低でも500万円以上、サイト規模によっては数千万円かかることもあります。
月額費用に関しては、システム利用料やライセンス料は発生しません。ただし、システムの保守・運用業務はすべて自社で対応することが基本になるため、スキルやノウハウを持つ人材を確保したり、外部に委託したりする必要があります。
●メリット
- 企業の独自の要件に合わせて設計・開発できる
●デメリット
- 初期費用、ランニングコストが高い
- 構築に1年以上かかるケースもある
構築後のランニングコスト
ECサイトを構築するときは、初期費用だけでなく、運営にかかるランニングコストも考慮する必要があります。
以下の表は、一般的なランニングコストの費用目安です。
項目 | 費用目安 |
---|---|
ドメイン代 | 500〜6,000円/年 |
サーバー維持費 | 500〜10,000円/年 |
独自SSLサーバ証明書 | 10,000〜90,000円/年 |
決済手数料 | 売上の3〜5% |
カートシステム利用料 | 36,000〜1,200,000円/年 |
配送料金 | 1回あたり 300〜2,000円 |
コンテンツ制作・更新 | 1人あたり 300,000/月 |
EC運用代行(外部委託) | 600,000~3,600,000円/年 |
ランニングコストは、ECサイトの構築方法、売上規模、運営方法によって変わってきます。サイトの成長に合わせて必要な機能を調整し、十分なリソースも確保できるようにしましょう。
ECサイト構築に利用できる補助金制度
ECサイトの構築に、国や地方自治体からの補助金を活用できるのをご存じでしょうか。
ここでは、3つの補助金を紹介します。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業再構築補助金
IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を目的に、ITツールの導入を支援する制度のことです。
ECサイト構築に電子決済機能の実装、SSLやTLSを用いたHTTPS通信の導入などの条件を満たすことで、最大350万円の補助金を受け取ることができます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度のことです。
Webサイト関連費に該当するECサイトの構築費用と、販路開拓のための広告費を合わせて申請することで、最大12.5万円の補助金を受け取ることができます。
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済環境の変化に対応するために、中小企業等の事業再構築を支援する制度のことです。ECサイト構築は、「機械装置・システム構築費」に該当し、リース・レンタル費用も対象となります。
最大1億円の補助金を受け取ることができますが、思い切った事業再構築を実施しなければ採択されるのは難しいでしょう。
参考:事業再構築補助金
費用相場から自社に最適なECサイト構築方法を見極めよう
ECサイトは構築方法、サービスごとに費用相場が異なります。
構築方法の選択を誤ってしまうと、手数料によって利益が減少したり、リソース不足で運用が困難になったりする可能性があります。
短期間で構築方法を変更するリスクを回避するためにも、サイトの規模感や、売上高成長率などを考慮して、自社に最適なECサイトの構築方法を見極めましょう。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- メルマガ
- メルマガとは、電子メールにて発信者が、情報を配信する手法の一つで、『メールマガジン』の略です。 一部有料のものもありますが、多くのメルマガは購読も配信も無料で行っています。
- キャンペーン
- キャンペーンとは、インターネット上のサイトにおいて、ファン数を増やし、購買行動を促すためにおこなう懸賞キャンペーンなどのマーケティング活動のことです。キャンペーンにはファン数を増やすだけでなく、ファン獲得以上のリアル店舗の来店者数を増やす、資料請求者を増やす、実際の購買を増やすなどの目的があります。
- ASP
- ASPとは、①Active Server Pages、②Affiliate Service Provider、あるいは③Application Service Providerの略称です。 それぞれ意味は異なりますが、このページでは特に、②Affiliate Service Providerに関する説明をさせていただきます。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- CS
- CSとはCustomer Satisfactionの略称で「顧客満足度」を意味します。顧客との関係維持、サービスの発展に関するマーケティング戦略に関わる用語です。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- CMS
- ホームページを作成するための様々な作業を、一元的に管理できるシステムのことをCMS(コンテンツ マネージメント システム)と言います。ホームページを作成するには文章や画像などのコンテンツの作成からHTML、CSSを使った構成・装飾の記述、リンクの設定などが必要ですが、CMSを使用すればこれらの作業を自動的に行なうことができます。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- ドメイン
- ドメインとは、インターネット上で利用可能なホームページやメールなどを識別するときの絶対唯一の綴りを言います。電話番号や自動車ナンバーが同一のものがないのと同様に、インタネットにおいても、2つとして同じドメインは存在できない、といった唯一無二の綴りです。
- ドメイン
- ドメインとは、インターネット上で利用可能なホームページやメールなどを識別するときの絶対唯一の綴りを言います。電話番号や自動車ナンバーが同一のものがないのと同様に、インタネットにおいても、2つとして同じドメインは存在できない、といった唯一無二の綴りです。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- HTTP
- HTTPとは、HTMLで記述されたWebページなどの情報を、WebサーバーとPCなどのクライアント端末間でやり取りする方法を定めた通信手順のことです。Hyper Text Transfer Protocolの略です。
- Webサイト
- Webサイトとは、インターネットの標準的な情報提供システムであるWWW(ワールドワイドウェブ)で公開される、Webページ(インターネット上にある1ページ1ページ)の集まりのことです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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