この記事では多くの種類が存在するネット広告の中でも「DSP」と呼ばれるツールの運用手法について紹介します。

DSPの運用方法は主に自動運用と手動運用の2つがあります。

これからDSPを使った広告の配信を導入検討している企業のWeb担当者様に、自社または自分が運用するにはどちらが向いているかを考える参考にしてみてください。

DSPとその運用について

DSPにおける運用方法について述べる前に、まずはDSPがなんであるかを簡単に説明しておきます。

DSPとは、Demand Side Platformの略で、SSPやアドネットワーク(Webメディアの広告枠)等と接続しRTBというオークションによる形式で、ディスプレイ広告を配信するプラットフォームです。

ネット上にある様々なWebメディアの広告枠を束ね、どの広告枠に配信するとより効果的かを決定するためのツール、といったような感じです。
DSPによって出来る広告配信の操作は主に下記になります。

・配信ユーザー
・配信メディア、配信広告枠
・バナー
・配信タイミング
・予算(日予算、月予算)

配信ユーザーは、例えば「一度貴社サイトに訪れたユーザー」にのみ配信する、とか「特定のキーワードで検索をかけたユーザー」に配信するといったことを決めます。
また、その配信ユーザーごとに入札単価(いくらで広告を配信したいか)を決定します。
配信メディアの運用とは、成果の出やすい配信先の入札単価を高くして出やすくしたり、逆に出したくない配信枠のブロック対応をしたりすることです。

さらにバナーでの訴求文言を変える、曜日時間帯を指定する、ということもできます。
広告運用をするとは、これらを上手く設定して広告費用対効果を高く配信することを指します。

これらの運用を自動と手動で行った場合のメリット・デメリットを下記でご紹介していきます。
参考:
DSP(Demand-Side Platform)とは?近年流行っている広告手法の基礎を徹底解説

自動運用の場合

まずは自動でDSPを運用した場合のメリット・デメリットを考えていきましょう。

メリット

最適化を機械学習で行える

自動配信が可能な多くのDSPでは、広告費用対効果の最大化を機械学習によって行います。
そのため、自分たちで設定を細かく変えて効果を合わせていく必要がありません。
また長期的な配信の方が、学習時間を十分に取れるので効果はより安定してくるでしょう。

時間的コストがかからない

手動で設定する必要のあったユーザーセグメントや入札単価、配信先などは自動で行ってくれるので、担当者の作業時間が短縮できます。

デメリット

最適化までの時間が不透明

自動運用において、「ある配信枠に対して特定の時間、特定のユーザーに配信を行ったところCVがよく上がった」という結果を元に、その配信枠に似ているサイトや似ているユーザーに配信し、最適化をかけていくことがあります。

これが偶然、その期間だけ上がっていただけだったとしたら、最適化がかかっていくのに時間がかかります。

そのため、配信を開始してすぐは効果が安定しにくい傾向にあります。

配信設定を柔軟に組めない

自動運用では、サービスごとのロジックによって広告を配信します。
そのため、どういったユーザーに対して、どの配信先が良いか、広告の表示回数を制限したい、といった、手動で出来る運用設定が難しいものが多いです。

自動運用は、広告配信や設定に時間はかけられないが、コンバージョンを取っていきたい時におすすめの方法です。