「Web集客は未経験。どうやって成果を出せばいいのだろう……」
「Web集客ってやることが多すぎて、全く手が回らない……」

このような課題を抱えるWeb担当者は少なくないはずです。

こうした悩みから脱却するためのヒントを得るために、他社の成功事例・失敗事例を知ることは非常に有効な手段です。

この度ferretでは、2018年9月20日にferret Founding Editor飯髙悠太とゲストスピーカーにゼロからWebマーケティングに取り組み成長を実現した株式会社識学の取締役池浦良祐氏を迎え、「1/3のコストでお問い合わせ400%UP!成功企業に学ぶWeb集客セミナー」と題したトークセミナーを開催しました。

第一部は飯髙によるferretが考える今後のマーケティングの展望、そして第二部は池浦氏による未経験からのWeb集客400%UPを実現したリアルな体験・ノウハウを語っていただきました。

今回は池浦氏の発表の模様をレポートします。

登壇者紹介

株式会社識学 取締役 経営推進部 部長 / 池浦良祐氏

ikeurasan.png

大学卒業後、NTTドコモへ新卒入社。グループ企業の管理部門を経て、一部上場の経営企画職へ転職。その後、ジャパネットたかたにて、コールセンター統括業務やホールディングス体制強化に従事。識学は創業3ヶ月目から参画し、営業以外の全部門を統括。その際に初めて「Webマーケティング」に携わる。本人曰く、Webマーケティングの「ど素人」からスタートし、短期間で高い成果を出すことに成功。

CPA30万円からのスタート……Web集客3つのブレイクスルー

gazou1.png

「識学」は組織における時間の無駄遣い(ロスタイム)をなくし、勝てる組織を醸成する組織コンサルティング会社。多くの企業がツールを基軸とした働き方改革を標榜する中、「マネジメントの改善」で働き方を改革することを掲げています。ferret Oneのユーザーでもある彼らはWebマーケティング未経験の状態からいかにして成功を掴んだのか。池浦氏はブレイクスルーを起こす3つのポイントについて語りました。

その1 - 勝てる訴求を見つける

識学ではFacebook広告を中心にWeb集客を行っています。広告運用の開始当初は顧客ニーズに対して「正しい組織運営があるのをご存知ですか?」「組織運営の原理原則」というストレートな訴求で広告を実施していました。

ところがこの訴求の効果が芳しくなく、一時CPAが30万円にも上ることがありました。そこでどのようなフレーズ、キーワードを盛り込むのかといったテストを繰り返し、徐々にCPAを低下させることが実現できました。

結果として、成果につながったフレーズは、「モチベーションを上げるのは上司の責任というのは誤解」でした。世間では当たり前とされている「モチベーションを上げるのは上司の責任」を否定するフレーズです。つまり、ポジティブなメッセージではなく、ネガティブなメッセージが受け入れられたことがわかったのです。

これにより当初30万円だったCPAを2万円まで低下させることができました。

その2 - ルールを設けてPDCAを高速で回る体制づくり

2つめブレイクスルーは高速で仮説検証ができる方法を確立することです。
仮説検証の具体的な事例として漫画の見せ方を変化させることによるリード獲得手法を紹介します。

識学は組織マネジメントというサービスの性質上、ストーリーが組み立てやすいのです。そこで『社長が間違ったマネジメントをしてしまう理由』を漫画化し、広告としてリードを獲得するという施策を実施しました。

その施策の中では3つの訴求方法を検証しました。
①漫画を全て見せて→フォームへ誘導→事例資料請求
②漫画を少しだけ見せて→フォームへ誘導→漫画をすべて見せる
③漫画の紹介のみ→フォームへ誘導→漫画をすべて見せる

この3つのうち、効果が高かったのは
②の漫画を少し見せて読み進みたくなるような仕掛けでした。ここで重要だったのは「漫画をどれだけ見せるか」ではなく、今回の3つの事例のように、複数のテストを高速で回すことです。

その理由は、施策の成否は市場にしかわからないためです。担当者の施策提案を池浦氏が意見を入れて変更させるのではなく、必ず広告として露出させることで市場からの結果を基に検証をするのです。

さらに仮説検証で成果を上げるための秘訣は組織における「ルールづくり」。
具体的なルールとして設定していたのは以下の条件です。

・常に一定数の広告を運用する
CVRが設定した数値を下回ったら強制的にその広告は中止

このルールに従えば担当者は常に成果につながる広告を準備する必要があります。
それにより自発的に新たな訴求アイデアを立案して効果検証を実施する、すなわちPDCAが自動的に回るチーム体制を作り出すことができるのです。

その3 - 勝ちパターンと共に拡大

前述の2つのブレイクスルーによりWeb集客が順調に進み、ネクストアクションとして拡大路線に注力しました。

その手段は有名人を起用した動画広告

動画広告に取り組んだ理由はスピーディな地方への事業エリア拡大と識学の社会的な認知拡大。有名人の起用は費用が莫大になってしまうため、失敗はできません。しかし、識学にはこれまでのWeb集客で検証した絶対的な勝ちパターンがあります。したがって後はそのストーリーを動画に落とし込むだけでした。

予想していたとおり、地方でのアポ率・成約率が劇的に向上しました。
ここでのポイントは、すでに勝ちパターンが決まっていたため細かな仮説検証の必要がなかったことです。

勝ちパターンを有効活用することで有名人を起用したにも関わらず、漫画を活用して広告を運用していたときと比べ、CPAが大きく上昇することはありませんでした。

このようにあらかじめ勝ちパターンを低コストな運用型広告で検証することによって、拡大路線に移行しても効率的に広告を実施することができます。