今回は、ハウスクリーニングや修理修繕のプロと、それら利用するユーザーをつなぐサービス「あなたのマイスター」を運営するユアマイスター株式会社 CEO 星野貴之氏とBoard Director 高山武佐士氏にインタビュー。

楽天で営業を担当し、MVPも経験した星野氏が現在のサービスを立ち上げた理由や、誰にでもサービスを理解し、利用してもらうためにしていることについて詳しく伺いました。

プロフィール

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(左から)
ユアマイスター株式会社 代表取締役 星野 貴之 1988年生まれ

慶應義塾大学出身。21歳で大病を患う。2010年に新卒で楽天株式会社に入社。楽天市場のECコンサルタントとして、全国1位の収益を創出。全社MVP受賞。25歳で九州全域の副責任者となり、26歳に社内の幹部育成プログラム1期生に選抜される。IRへ移動後、ECを中心とし決算・増資・投資家対応を担当。MBAを取得し、2016年8月にユアマイスター株式会社を設立。ユアマイスターでは採用・育成・財務、提携を中心に経営を行い、日本一応援される人・経営者・会社を目指し奮闘中。座右の銘は、「志を高く持ち人格者であれ」

ユアマイスター株式会社 事業部長 高山 武佐士 1980年生まれ

福岡大学卒業後、2004年に株式会社リクルートに入社し、タウンワーク立ち上げリーダーを経験。2010年楽天株式会社に入社しECコンサルタントとして活躍。楽天市場のつながりと学びを作る「楽天大学RUx」「R−Nations」をプロジェクトリーダーとしてリリース。創業からユアマイスターに参加し、サービスプラットフォーム「あなたのマイスター」大切なものを大切にするメディア「RELIVERS」をプロデュース。お客さんとパートナーさん、社員がワクワクするサービス作りに挑戦中。好きな言葉は「仕事が楽しいと人生は楽しい」

インターネットによって雇用が生まれる

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ferret:
星野さんが「楽天」という巨大な企業を辞め、ユアマイスターで「あなたのマイスター」を始めた理由を教えてください。

星野氏:
僕は楽天に勤めていた時、九州にある農家や家具屋さんなどのモノ売りを担当していました。基本的には経済圏が「九州」にしかない人たちが、インターネットを通じてモノを売ることで会社が大きくなって人を雇うようになっていく。「インターネットによって、雇用を生み出すことができる」ということを実感したんです。

商品を購入するユーザーは、近くで購入できないモノを買うことができる、出店企業側はモノが売れて会社が大きくなり、雇用が増える。これって経済にすごく良い影響力を持つビジネスモデルだなと。

それから楽天でIRの部署担当になった時、海外と比べて日本のインターネットビジネスが遅れていることに初めて気がつきました。海外に目を向けてみると、「モノ」に限らず色々な「サービス」をインターネットで販売する、というのがもっともっと進んでいる。でも日本ではあまり進んでいない。ただこれって逆に考えてみれば、ポテンシャルが大きい分野なのではないかということなんです。

そのときすでに、クラウドソーシングのような個人の時間やスキルを売るサービスはありました。でも、個人のお金が増えたり、安い金額で雇えたりってことはあっても雇用が増える訳ではありません。

「雇用を増やす」という視点で見たときに、「サービス」を本業にしている人たち相手のビジネスをやらなければいけないと思いました。つまり、BtoBtoCということです。先ほど言ったクラウドソーシングなどは、CtoCのサービス。でも僕たちは、雇用を増やせるBtoBtoCでサービスのプラットフォームを作ろうと思ったんです。

ユーザーさんから応援されるサービスじゃないと続かない

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ferret:
「サービスを売るプラットフォーム」と言っても、サービスの種類も色々ですよね。その中でハウスクリーニングや修理修繕といった、今のサービスを選んだ理由はあるのでしょうか?

星野氏:
まずは一番感動できるものをやりたかった、というのはありますね。ハウスクリーニングや修理修繕サービスは対面や電話で受注することが多い業界です。そういった「インターネットで受注する」という経験をしたことがない方々にその体験をしてもらうことで、「インターネットってすごいんだ」という景色を見せることができます。それは楽天にいた時も一緒だったので、そうやって喜んでもらえる顔が想像できたんですよね。

ちょうど3年前ぐらいにメルカリが流行り出して、「モノを買って売る」というのが根付いていました。でもその中でも、「使っていないけど売れないもの」というのが家の中にはたくさんあると思ったんですよ。何かしらの思い出や思い入れがあって、使っていないのに捨てられないし売れないもの。それを使えればいいし、使えない状態なのであれば使えるようになれば嬉しいし。

僕は前提として、ユーザーさんから応援されるサービスじゃないと続かないと思っています。人間が大事にしているものって、家族や時間、家、モノなんじゃないかって。モノが大事だとしたら、「モノ」を直すことによって付加価値の高いサービスを提供することができる。「直す」を本業としている人たちがインターネットで売り上げが増えれば、雇用も増える。そういったサービスを提供としている人たちの技術も後世に繋いでいける。

そうやって考えたら、何も悪いことがない、Win-Winなビジネスだなと思ったんです。