発展編:「棒グラフ」で絶対に使いたい裏技3つ

基本的な作り方を紹介したので、次は覚えておきべき裏技を3つ紹介します。

1:棒グラフを作るときの注意点

以下の図は、ある飲食の店舗Aの週毎の売上を表したものです。

店舗Aの週毎の売上

9週目、12週目だけ売上が増えていて、後は似たようなもの、という感想を持ちます。ですが左軸の範囲を修正すれば、かなり印象が変わります。
左軸を選択し、右クリックをして、[軸の書式設定]を選択して下さい。すると、以下のような画面が表示されます。

軸の書式設定

ここでは、最小値を[固定]に切り替えて下さい。テキストボックスが操作可能になりましたから、「1000000」と入力しましょう。変更することで、縦軸の範囲が100万からに変更されます。
また、数字の規模が大き過ぎるので、真ん中にある[表示単位]をクリックして[万]を選択してください。
表示単位をグラフに表示するか選択できるようになりますが、デフォルト設定だと見た目が物足りないので、ここではチェックボックスを外してください。単位は後からグラフにテキストを重ねましょう。

その結果が以下の通りです。

表示単位

4週目、5週目、8週目の良さ、1週目の悪さも浮き彫りにすることができました。対象となるデータに合わせて、縦軸の「範囲」は適時変えていくべきです。

2:横断面データを使って棒グラフを作る時のテクニック

量の大小を比較するのが「棒グラフ」のいいところですが、どれが多いかを順番に並べ替えることで、「規模」を可視化することができます。
例えば、6つある部署の売上を1係〜6係まで順番に並べてみました。

可視化

この表だけでも「3係は売上が良く、2係は売上が悪い」ということしか伝わりません。そのため、6つの凸凹した棒を比べて、ようやく「5係と3係は調子が良くて、2係は調子が悪いようだ」と解ります。
そこで、売上の大きい順に並べましょう。対象となるデータを、売上の降順になるよう並べ替えをするだけで、自動的にグラフが更新されます。

比較

こちらの図では、グラフ作者の強い意志が伝わってきます。
横軸は、並び順そのものに意味があるのか、それとも表現しているデータに意味があるのかによって変えたほうが、より伝えたいことが、解りやすく伝わります。

3:棒グラフ定番のウォーターフォールチャートの作り方

ウォーターフォールチャートと言えばIR資料の定番であり、なぜ増えたの?なぜ減ったの?という疑問に応えることができるグラフです。
、私が所属している株式会社ロックオンのIR資料でも使っています。

平成27年9月期 第1四半期決算説明資料
http://www.lockon.co.jp/wp-content/uploads/2015/02/YNsh9jSpzG12w.pdf
P.13がウォーターフォールチャートです。

まず、差異を構成する項目と、増減の項目で構成される表を作成します。

増減の項目で構成される表

次に、この表で「積み上げ棒グラフ」を作成します。[縦棒]を選択後、真ん中の[絵]を選択して下さい。(通常の棒グラフだと、ウォーターフォールチャートは作成できません。)

積み上げ棒グラフ

真ん中を選択して下さい。その結果が以下の通りです。

グラフ結果

次に、各項目で一番下に位置するグラフの色は無色を選択します。棒グラフを選択して、さきほどと同じように[データ系列の書式設定]を選択します。
[塗りつぶし]を選択して、[塗りつぶしなし]を選択して下さい。

次に、各グラフの感覚幅を無くします。 [系列のオプション]を選択して、[要素の間隔]を0%にすればOKです。最後は、各要素を枠線で囲えば完成です。

系列のオプション

枠線の中に数字の増減を記載すればより見映え良く見えるでしょう。