やっているのはあくまで普通のマーケティング

ferret:
ここまでのお話を伺っていると、データを扱って相当難しいことをされているように感じてしまいました(笑)

花房氏:
データを取得するまではちょっと変わっているかもしれませんが、実際にやっていることはおそらく世間一般のマーケターの方と変わらないと思います。

メルマガタイトルを変えて開封率の変化をみたり、検索流入したユーザーの方のログをみたり、それを元にCTAのボタンを変えてみたりと地道にユーザーとのコミュニケーションを改善しているだけですね。

ferret:
確かに小さな改善を重ねていく日々の業務はいわゆる「Webマーケター」の方と全く同じですね。

花房氏:
そうですね。自分でデータを取得・分析して、気になった部分を施策実行まで自分でノンストップで行えるので、そのスピード感は大きな強みですね。

「ニーズの発生」はデータに出てこない

ferret:
これだけ「データ」という単語が登場してきますが、本当にそんなにデータを重要視されているんですか?

花房氏:
「データを見る」というより、*「ユーザーのことを知るためにデータを見ている」*といった方が正しいかも知れません。なので、ただ数字のデータを扱うだけでなく、実際にユーザーの方との座談会なども行っています。

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ferret:
座談会ではどのようなことを話されるのでしょう?

花房氏:
今の一休.comのサービスの使いづらい点や、検索の仕方、利用するデバイスなどを細かくお聞きすることもありますし、もっとライトに最近行った場所や休みの日の過ごし方など、その人のライフスタイルについてお聞きすることもあります。

どちらも掴みたいのはユーザーのニーズとそれが生まれたときの状況やシチュエーションなんです。ここはデータには出てこない部分なので、実際にユーザーの方とのコミュニケーションでカバーするようにしていますね。

ferret:
データとユーザーへのヒアリングのどちらも必要ということですね。

重要なのは多方面にアンテナを張っておくこと

ferret:
マーケターとして働く上で必要だと思う心構えなどはありますか?

花房氏:
とにかく*色々な方向にアンテナを張るようにはしていますね。*マーケティングって、思わぬ社会の出来事が影響を及ぼしたりするんです。私の場合だとホテルや旅館の宿泊予約サイトのマーケティングなので、連休や台風、G20などの大規模なビジネスイベントが予約にすごく影響してくるんです。この情報をできるだけ早くつかめれば、それに応じた対応や施策ができますよね。

ferret:
どのようにそういった情報収集をしていますか?

花房氏:
私はスマートフォンのニュースアプリを使っています。でも、アプリによって出てくるニュースも違うじゃないですか。地元の友人と東京の友人で使っているアプリが違ったりもするので、幅広くアンテナを張るために、複数のアプリを使い分けています。

ferret:
それくらいインプットの範囲を広げているということなんですね。

本日はありがとうございました!