2019年4月1日から、Google広告(旧Google Adwords)に支払う広告料に、消費税が課税されるようになったのはご存知でしょうか。

従来はGoogleの子会社である「Gogle Asia Pacific Pte. Ltd.」に広告料を支払っていましたが、4月1日からはGoogleの日本支社である「Google合同会社」にGoogle広告の契約が変更になっています。
Google Asia Pacific Pte. Ltd.は海外の会社であるため、リバースチャージ方式という広告主(Google側)が支払うという形式になり、ほとんどの広告利用者(出稿主)は消費税の支払いが不要でした。
しかし、日本の法人であるGoogle合同会社に契約が変更されたことによって、通常通り消費税の支払い義務が発生するようになりました。

この記事ではリバースチャージ方式(電気通信利用役務の提供)の概要や、課税対象になる基準や対象となるメディアなどについて紹介します。
広告の出稿規模によっては消費税もかなり大きな額になりますので、しっかりと理解しておきましょう。

電気通信利用役務の提供とは

Google広告の支払先が日本法人になったことによって消費税の支払い義務が発生するようになりましたが、これは「電気通信利用役務の提供」という税務上の仕組みによるものです。
電気通信利用役務の提供とは、Web広告をはじめとしたインターネットを介して提供するサービスが該当し、電気通信利用役務の提供に該当する事業者は申告・納税の義務が発生することになります。

電気通信利用役務の提供も2015年に改正が行われており、改正前はサービスの提供を行う者の所在地によって該当するか決められていました。
しかし、現在ではサービスの提供をうける者の所在地で判断がされますので、Google広告を利用するユーザーの所在地が日本国内であれば該当するということになります。

Google広告の消費税の扱いはどう変わる?

従来のGoogle広告はリバースチャージ方式をとっていました。
通常は消費税を受け取った事業者(商品やサービスを売った側)が消費税を納付しますが、リバースチャージ方式だと商品やサービスを購入・利用した消費者が直接納付をすることになります。
ただし、広告費を支払っている事業者の課税売上割合が95%以上だった場合、しばらくの間は消費税の支払いが必要ないという経過措置があったため、多くのGoogle広告の利用者は消費税を考慮する必要がありませんでした。

しかし、冒頭でも紹介した通り、Google広告の支払いが日本になりましたので、Google広告の利用者はサービス利用時(支払い時)に消費税も合わせて支払い、Googleの日本法人(Google合同会社)が納税するという流れに変更されました。
課税売上割合が95%以上の事業者割合は、Google広告の利用者のほとんどを占めてい他ため、多くの利用者は消費税の分だけ多く料金を支払らわなければなりません。

ご存知の通り、2019年10月から消費増税が行われ、8%から10%に消費税が変更になりましたので、現在Google広告Google合同会社)に支払っている金額は2019年3月以前と比べると10%分多く支払っていることになります。
Google広告の運用を外部の業者に委託しており、この消費税の説明を受けていない場合は、単純に10%の予算が消費税に回っていますので、リスティング広告の露出量などに影響が出ていることが予想されます。

課税対象となる基準

電気通信利用役務の提供の対象となる基準としては、電気通信利用役務の提供を受けた者(Google広告の出稿者など)の住所が国内にあるかどうかによって判断されます。
インターネットを介して行われる取引が該当するため、サービスの利用者は購入時や利用時に申し出た住所とクレジットカードの発行国情報を照合するなどして確認が行われます。
しかし、インターネットを介する取引と一言で言っても、様々な方法の取引がありますので、それぞれの取引方法の性質を考慮した上で合理的で客観的な判定がされます。

課税対象となるメディア

電気通信利用役務の提供の対象になる具体的な例として、国税庁では以下を紹介しています。

インターネット等を通じて、対価を得て行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエア(ゲームなどの様々なアプリケーションを含みます。)の配信
○ 顧客に、クラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス
○ 顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
インターネット等を通じた広告の配信・掲載
インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス(商品の掲載料金等)
インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの)
インターネットを介して行う英会話教室
引用元:電気通信利用役務の提供」に該当する取引の具体例

GoogleTwitter、FaceBoook(Instagramを含む)などのメディアでの広告配信は、上記のうち「インターネット等を通じた広告の配信・掲載」にあたりますので、電気通信利用役務の提供の該当取引として消費税を支払う必要があるように思うかもしれません。
しかし、先ほど挙げたGoogle以外のSNSサービスで企業が広告を配信するのは電気通信利用役務の提供に該当しないこととなっています。

課税対象となる基準では住所が国内にある場合は電気通信利用役務の提供に該当すると紹介しましたが、これは企業においては例外として不課税扱いになっています。
この関係をまとめると以下の5種類になります。

  1. 国内事業者→国外事業者:課税対象
  2. 国外事業者→国内事業者:不課税対象
  3. 国内事業者→国外消費者:不課税対象
  4. 国外事業者→国内消費者:課税対象
  5. 国内事業者→国内消費者:課税対象

参考:
国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について|国税局

TwitterやFaceBook(Instagram)、2019年3月以前のGoogleが課税対象になっていなかったのは、上記のうち2番の「国外事業者→国内事業者:不課税対象」であったためです。
しかし、TwitterやFacebookもGoogle同様に、国内法人に切り替わる可能性もあるので、今後も消費税がかからないと言い切ることはできません。

まとめ

2019年4月からGoogle広告に消費税がかかるようになり、10月からは消費増税によってさらにその負担は大きくなっています。
同じ規模で運用するのであれば、元の予算に10%上乗せする必要がありますので、広告配信の際はもう一度費用対効果を見直す必要があると言えます。
Google広告の運用を委託していて、消費税のアナウンスを受けていない場合は急いで確認をとりましょう。