「SENSY」のビジネスモデル

ferret 飯高:「SENSY」ではどういったビジネスモデルを描いているんですか?

渡辺氏:大きくは3つを考えています。まずは、アパレルブランドなどコンテンツパートナーとユーザーの間をつないで、メディア的な役割を果たしていきます。その際、パートナーのECサイト等に誘導することで成果報酬か広告での売上を考えています。

また、「SENSY」の人工知能エンジン自体をパートナーのECサイトに提供したり、今年3月に「THE EMPORIUM 新宿ミロード店」で実証実験をしているように、店舗での接客用にシステムをお貸しするということを行っています。

最後が少しユニークなのですが、他の人の人工知能と接続するところに課金していく予定です。事務所などと提携してモデルやタレントの人工知能を作成し、ユーザーに有料で提供可能にして、売上をレベニューシェアしていくことを考えています。

大学と共同で人工知能を研究

ferret 飯高:人工知能にはいつごろから関わるようになったんですか?

渡辺氏:元々、慶應大で人工知能の研究をしていました。現在は、慶應大と千葉大の研究室と三者で人工知能の共同研究を行っています。

今はアパレル業界において「SENSY」というアプリを提供していますが、他の業種にも同じような課題が存在していることがわかっています。人々が感性で好き嫌いを決めていて、情報量が膨大になっているところであれば、人工知能を用いたソリューションは相性が良いので、アパレル業界以外でのソリューション提供も視野に入れて動いています。

消費者向けに人工知能を活用したサービスを開発しているところはまだ多くないので、色々なメディアに取り上げていただいています。アパレル業界において人工知能を活用したソリューションを提供しているところはないので、そういった側面でも注目していただいています。

アパレル業界の各プレイヤーの動き

ferret 飯高:アパレル業界で同じようにソリューションを提供しているプレイヤーはほとんどいないとのことですが、競合になり得るプレイヤーなどは存在しないんでしょうか?

渡辺氏:大手ECサイトやアパレルブランドなどは、基本的に協業していくモデルとなっているので、競合にはなっていません。また、アパレル業界は全体的に技術力がそこまで高くないため、自社で開発するには技術的なハードルが存在しています。

「SENSY」のようなソリューションはプラットフォーマーとしてやることで価値が高まります。仮に開発ができたとしても、一社だけで提供するプレイヤーよりは優位に立つことができると考えています。

ferret 飯高:「SENSY」が現在アプリで提供しているスタイリング提案以外で、ファッション業界で注目している部分は何かありますか?

渡辺氏:リアルな領域との融合はまだ解決できていない課題だと考えています。ECサイトと実店舗の両方でシームレスに商品を検索したり、リアルな店舗での接客をECサイト上で実現することなどは可能性があると考えています。

「SENSY」では、人工知能を活用してB向け4つのソリューションを提供しています。EC接客、店舗接客、マーチャンダイジングの最適化、マーケティングへの反映の4つです。これらを提供することで、アパレル業界におけるバリューチェーンを、人工知能をベースにしたものへとシフトさせていきたいなと。