インパクトを強めて認知度アップ「BOSS」

サントリーの「BOSS」(ボス)といえば、コーヒー飲料の代表格。発売は1987年。「WEST」という名前でデビューしました。しかし、売れ行きは今一歩。ほかの缶コーヒーに比べると、知名度はイマイチという状態が続きました。

そこで1992年にブランド名を刷新。「BOSS」としたことで大ヒットにつながります。その後18年続くロングセラーとなっているのはご存知の通り。

この改名の一番のポイントは、インパクトが上がったところ。トライベック・ブランド戦略研究所の「ブランド戦略通信」によると、インパクト、洗練度、親近感、購買意欲など、ポジティブな項目が軒並みアップしたとのこと。

参照:ブランドなんでもランキング 第23回:ブランド名変更のイメージ調査|トライベック・ブランド戦略研究所

たしかに、「WEST」では何の商品かわかりづらいですし、仮にコーヒー飲料だと知っていても、どんな味なのかということを想像することが困難です。一方「BOSS」は、男らしさや渋さといった面が強調され、どんなコーヒーなのかイメージが湧きやすいように感じます。

ちなみにサントリーは「BOSS」のネーミングの由来を「働く人の理想という意味が込められている」と解説。「BOSS」のコンセプトは「働く人の相棒」で、コーヒーに頂点を目指したいという意味も込められているのだとか。その想いは、一般消費者にしっかり根付いているようです。

参照:『ボス』のネーミングの由来を教えてください。|サントリーお客様センター

「カレーライスじゃない」というクレームから生まれた「カレーメシ」

お湯を注ぐだけでカレーとライス、具材を一緒に食べられる日清食品のカップカレー「カレーメシ」。こちらは、2013年に「カップカレーライス」として発売。簡単、おいしいということで、人気商品になりました。

しかし、一部の消費者から「カレーとライスが混ざった状態だからこれはカレーライスではない」といった指摘があったことから、改名を検討。従来のカレーライスとは異なる、新ジャンルのカレーであることを鑑みて「カレーメシ」というネーミングになりました。「カップカレーライス」発売から半年での改名。なかなか思い切った決断だと思います。売り上げが悪かったわけでもないですし。

参照:鼻セレブやカレーメシも、「改名後」にヒットした商品たち|ダイヤモンド・オンライン

この迅速な対応は、日清食品の掲げる行動精神にあります。「日清10則」という10か条のなかに、「迷ったら突き進め。間違ったらすぐ戻れ」という言葉が。リスクを恐れず、前に進め。間違いだと気付いたら戻ればいい。そんな日清精神が半年での改名につながっているのです。

参照:ヒット商品、ネーミングの決め手 【カレーメシ】|NNRニューズレター

これまでの例と違い、売り上げが芳しくないから改名したわけではありませんが、現状の違和感を解消することで、より商品の認知度を高めた好例と言えます。