ネットの中立性を保つ「ネットニュートラリティ」がもたらす影響とは
Webマーケティングに及ぼす影響
企業のWebマーケティング担当者は、ネットニュートラリティが日本のWebマーケティングにどのような影響を及ぼすのか、という点についても理解しておかなければなりません。
SEOやWebマーケティングのツール開発、配信を手がけている大手IT企業Moz社の設立者、ランド・フィッシュキン氏は、Webマーケティング界隈はネットニュートラリティの廃止によって以下のような影響を被ると予想しています。
マーケティング費の増加
先述したように、回線業者が自由に料金を設定できるようになると、企業がWebマーケティングにかける費用が大きく変化します。
仮に、「利用していた回線では通信速度が遅すぎるので速い回線に切り替えよう」と考えても、速い回線はその分高い費用がかかるような設定になっていた場合、企業のWebマーケティングにおいてはコストが増大し、満足のいく施策が打てなくなってしまう可能性があるといいます。
コンテンツ内容の変化
ネットニュートラリティの撤廃によって、通信業者がユーザーごとに閲覧できるコンテンツを選別できるようになると、Webマーケティングによって作成するコンテンツの内容を大きく変更しなければユーザーへリーチできなくなる可能性があります。これまでのように良質のコンテンツを作るだけでは足らず、通信業者の選別基準に合わせてコンテンツを制作しなければならず、Webマーケティングの方法が大きく変化することも考えられるでしょう。
企業間競争の変化・中小企業の参入難化
高速回線を利用できる企業だけがWebマーケティングに取り組めるような状況になると、資金に余力がある大企業間の競争は活発になりますが、資金力のない中小企業やベンチャー企業はWebマーケティングに参入できず、撤退せざるを得なくなります。
ネットニュートラリティの撤廃によって、こうした企業間競争の形についても変容していくのではないか、と予想されているのです。
参考:Moz
ネットニュートラリティの概要を押さえておこう
日本では影響が無いように思えるネットニュートラリティ。しかし、アメリカではすでに深刻な問題として多くのIT企業やWeb担当者が頭を悩ませている問題です。
国内でもネットニュートラリティについての問題が生じた場合、すぐに自社が取るべき対応を理解するためにも、この記事を通してネットニュートラリティの概要を押さえておくことをおすすめします。
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