広告運用を担当されているマーケターの方は、クライアントのKPIを達成するために日々変化していくインターネット広告の情報に常にアンテナをはっていなければいけませんよね。インターネット広告の歴史は長く、1年毎に主流の広告が変わるくらい変動が激しい業界です。

そんな広告業界で今注目されている広告が「ハイブリット広告」です。低コストでCVを達成できる特徴があり、これからの広告業界を席巻する新しい広告手法です。
現在広告運用として働かれている方にもおすすめですが、これから業務を覚える新人マーケターもハイブリット広告を理解しておくと、クライアントに貢献する有効な一手として使えるので、この記事で特徴やメリット、デメリットを押さえておきましょう。

これまでのインターネット広告の歴史

まずはこれまでインターネット広告がどんな変遷を経て、今の形態になったのかを歴史を振り返りながら見ていきましょう。

1990年代後半はバナー広告・メール広告が主流の時代

1990年代からインターネットが急速に普及して誰でもインターネットにアクセスできる時代になりました。それに伴い、インターネット広告を扱う企業が増加し、バナー広告メール広告といった2020年の今でも利用される広告が利用されるようになったのです。

バナー広告は、検索サイト「Yahoo! JAPAN」がサービスとバナー広告の取り扱いしを開始したことをきっかけに時代を席巻しました。その後もYahoo!JAPAN以外の検索サイトが次々にバナー広告を取り扱い始めました。バナー広告の特徴は、検索エンジンWebサイトが提供している広告枠に表示できることです。広告枠を一定期間買い取ることができれば、その期間大々的に企業をPRすることができますね。

またメール広告は、メルマガヘッダーやフッターに広告文を挿入するサービスが提供されたことをきっかけに、今は少なくなりましたが根強く利用されている広告手法の一つです。

現在も多くの人に利用されているアフィリエイト広告が1999年に登場

私たちの身近な広告の一つ「アフィリエイト広告」が1999年に登場しました。成果報酬型インターネット広告として注目され、1996年にアメリカで誕生したAmazon.comアソシエイトプログラムも聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。日本では2000年に「ファンコミュニケーションズ(A8.net)」がサービスを開始しました。

近年はインフルエンサーの影響で個人でブログを運営される人が増えました。アフィリエイト広告はこのような個人ブログでよく使われる広告として有名です。

2002年にリスティング広告が登場

Google Adwordsが2002年にアメリカと日本でサービスを開始し、今でも最も利用されている広告、最も優れた広告と言われています。今までの広告とは全く異なる広告として、広告業界を大きく変革させた広告です。

ニーズがはっきりとしたユーザーに直接アプローチすることができ、かつ少ない予算でも始められるため、多くの広告主から利用されていますね。

2008年にアドテク時代を到来させるアドネットワーク広告が流行

バナー広告などは特定の媒体にしか広告を掲載できませんでしたが、多数のWebサイト上で広告を配信できる手法として新しい時代を作ったのが、アドネットワーク広告です。
様々なユーザーに広告を見せたい時や、複数のジャンルを運用したいときにおすすめの広告です。

YouTubeの発展で近年は動画広告が主流に

よくYouTubeを利用される方は目にすると思いますが、動画の合間に流れる広告が動画広告です。動画と音声を利用してインパクトのある訴求ができる広告で、人口の大多数が毎日ネットに触れることが当たり前になり、5Gも注目されている現代で活用しない手はない広告です。動きがない画像だけでは魅力を伝えきれないサービスや商品で利用されることが多いようです。

参考:日本のインターネット広告の歴史

ハイブリッド広告は、周知とCVを両方達成できる広告

広告には大きく分けて4つの種類があります。

  • 認知してもらうための広告
  • Webサイトに来てもらうための広告
  • CV(コンバージョン)を達成させる広告
  • ハイブリッド広告

簡単に説明すると、ハイブリット広告は上記の2番と3番を同時に達成させることができる広告です。つまり、集客を行いつつ販売も同時に行えるため、今までのようにどちらか一方に偏った広告戦略を行わなくてもよくなります。

ハイブリット広告は種まきの部分とCVの間で両者の良いところを上手く掛け合わせているので「ハイブリット」と言われています。

参考:
コンバージョンと見込み顧客へのリーチを両立させる「ハイブリッド広告」がさらに重要に。2019年以降の運用型広告を支える新たな広告戦略とは。

コンバージョンと見込み顧客へのリーチを両立させる「ハイブリッド広告」で成果がでる、予算配分・成果指標・クリエイティブの考え方

ハイブリッド広告のメリット・デメリット

一見、集客とCVを同時に実現できるハイブリット広告はメリットしかないように思いますが、どの広告にも一長一短は必ずあります。メリットを理解して上手く活用しつつ、悪い部分も理解した上で活用することで無駄なロスはなくなり、より効果的にCV達成に繋がります。しっかりとメリット・デメリットを認識しておきましょう。

ハイブリット広告はクリック単価が安価

ハイブリッド広告のメリットは、クリック単価を低く抑えて広告を出せることです。1クリック10円~50円程度で運用が可能です。広告費に費用をかけられない企業や、個人で広告運用を考えている人には有難いですね。クリック単価が低ければ、CVに繋がる回数が少なくても痛手を追うことはありません。
また、CVに繋がらなくてもそこで運用したデータをもとに次の広告戦略を行うことができるため、費用を気にせず効果測定が可能です。

成約率が低くなることもある

デメリットとしては、直接CVに繋がるユーザーにアプローチができないため、成約率が低くなることがある点です。
この広告の特性上、アプローチする層が見込み客層なので、リスティング広告のように意思を持っているユーザーに商品やサービスを薦めることができません。広告運用を代行されているマーケターの方は、クライアントからお客様の質が低いと言われるかもしれないので注意が必要ですね。緊急性のあるCVが必要な場合は、他の広告運用をおすすめします。あくまで効果測定や、データ収集を目的に利用してみてください。

参考:コンバージョンと見込み顧客へのリーチを両立させる「ハイブリッド広告」で成果がでる、予算配分・成果指標・クリエイティブの考え方

ハイブリッド広告の運用時の注意点

メリットとデメリットをお伝えしましたが、いざ運用する際は一つ注意しなければいけないことがあります。それは費用面についてです。
先程クリック単価を安価で抑えられるとお伝えしましたが、Webサイトへの流入とCVを同時に実現するためには、クリック単価10円の広告を何万回もクリックさせなければ効果はないでしょう。最低でも月に50万円以上は広告費が必要になってきます。例え効果測定でも10万円以上の費用は見込まなくてはいけません。

ある程度今までのマーケティングで得たデータで見込み客を予想できますが、広告で一定数検証を重ねることで長期的に見るとCV獲得を効果的に行えます。テレビCMなどの大体的な広告は千万単位の広告費が必要なので、そう考えると数十万円の投資でCVに繋げられるようになったことは、今までの歴史を振り返ると大きな変化だと言えるでしょう。

参考:コンバージョンと見込み顧客へのリーチを両立させる「ハイブリッド広告」がさらに重要に。2019年以降の運用型広告を支える新たな広告戦略とは。

各広告の特徴を理解しておこう

インターネット広告の歴史を振り返ると、時代によって最適な広告は変化し続けています。
近年はリスティング広告バナー広告が主流で利用されていますが、流入とCVを同時に実現できるハイブリット広告も注目されています。
クリック単価が低いことがメリットですが、成約率が低くなってしまう特徴があります。目的に応じて広告を上手く活用しCVに繋げられるように、各広告の特徴を理解して広告運用を行いましょう。