自分が営業する際、営業マンから話を受ける際、いずれにせよ自社にとって有利に話を進めたいものです。そんな時に活用するとよいのが心理学です。万人に共通する普遍的な性質を理解し、自身の言動に応用すれば商談の流れをコントロールしやすくなります。

今回は、商談に応用できる心理学用語をご紹介します。

1.アンカリング効果

人は一番最初に見た数字やデータをよく記憶しており、何かしらの意思決定を行う際、最初に見たデータを重要視する傾向にあります。これを「アンカリング効果」といいます。自社の良いデータはできるだけ最初に提示するとうまく印象づけることができます。

2.ハロー効果

ある1つの目立つ特徴を認識すると、その他の構成要素まで一番目立つ特徴に引っ張られて歪んで認識してしまうことを「ハロー効果(または認知バイアス)」といいます。

例えば異性を見るとき、容姿がさわやかな雰囲気であれば中身までもがさわやかで良い人だと思うのも「ハロー効果」です。自社サービスの一番の強みを効果的にアピールすることができれば、全体的に良い印象を持ってもらえる可能性が高くなります。

3.単純接触効果(≒ザイオンス効果)

何かしらで接触する機会が増えると、その接触した相手に対して好意を持ちやすくなることを「単純接触効果」といいます。

Webマーケティングの場合、リターゲティング広告を利用して自社サービスを繰り返しユーザーの目に触れるようにすることで接触回数を増やし、好意を高める施策に当てはまります。似たような意味を持つ言葉に「ザイオンス効果」があります。

4.権威への服従原理

人は権威のある者の言動には無意識に従ってしまいます。これを「権威への服従原理」といいます。専門家として紹介された人物のアドバイスであれば、ほとんどの人は無条件にその内容を信頼し、受け入れます。例えば基礎化粧品を販売する際も、「皮膚科医が開発に協力」したとアピールできれば、一般的な基礎化粧品よりも印象は良くなるでしょう。

5.ミラーリング効果

好意を抱いている相手を真似ることや、自分と同じ挙動をする相手に対して好意的な印象を持つことをミラーリング効果と呼びます。

初対面の相手でも、仕草をよく観察し、自然に真似てみることで相手が無意識のうちに好印象を与えることができます。

6.フットイン・ザ・ドア(段階的要請法)

難易度の高い要求を伝える際、比較的簡単な要求から受けてもらい、段階的に難易度を上げ、最終的に本当に通したい要求を飲んでもらうというテクニックです。

一度承諾してしまうと、続けて依頼されることも断りづらくなるという人間の性質を利用しています。

7.一貫性の原理

一度決めたことは無意識のうちにやり通そうとする人の性質を「一貫性の原理」といいます。「決めたこと」というと大げさな感じもしますが、つまりは自分で「やりたい」と思ったことをやろうとする性質のことです。

例えば、ダイエット食品を売り込みたい場合、

「夏までに痩せたいですか?」(→痩せたい)
「堂々と水着を来られるカラダになりたいですか?」(→なりたい)

という風に、少しずつイエスをよっていきます。そのうえで、

「この商品を使えば理想の身体が手に入ります」

と訴求することで、ユーザーは痩せたいという欲求を満たす為にその商品を購入しよう、という判断を促しやすくなります。