フォトコンテスト?フォロー&いいね?今考えるべきInstagramキャンペーンの組み立て方
Instagramをはじめとした企業のSNS活用を支援するテテマーチ株式会社で、プランナーをつとめる山田です。
テテマーチのInstagramマーケティングについての連載第4回。前回は、「Instagramアカウントをグロースさせるための広告の活用方法」についてお話ししました。今回は、「Instagramのキャンペーンの組み立て方」について深堀してお話しします。
現在、Instagramでは多くの様々なアカウントでキャンペーンが行われています。
テテマーチは企業のSNS活用支援をしている会社ですので、キャンペーンについても日々多くのご相談をいただきます。
キャンペーンは、多くの場合の目的としては、Instagramアカウント、ないしはInstagram内での自社イメージの拡散に用いられるケースが非常に多いかと思われます。しかしながら、「キャンペーンをやって終わり」の会社が多いのが現状です。キャンペーンを「ユーザーとのコミュニケーション」を活性化させるためのツールとして運用していくにはどうすればよいのでしょうか。
Instagramキャンペーンのいくつかフレーム(≒座組)を紹介しながら、どのタイミングでどのようなキャンペーンを行うべきか、ブランディングの観点から紹介します。
目次
- 主要キャンペーンフレーム:投稿キャンペーン(≒フォトコンテスト)
- 主要キャンペーンフレーム:フォロー&いいねキャンペーン
- 主要キャンペーンフレーム:フォロー&コメントキャンペーン
- その他キャンペーンフレーム
- キャンペーンの認知度を高めるには?
- まとめ
主要キャンペーン:投稿キャンペーン(≒フォトコンテスト)
ユーザーに特定の“#ハッシュタグ”を付けて関連の写真を投稿してもらうことを参加条件とするキャンペーンです。一般的に「フォトコンテスト」とも呼ばれます。投稿された中で、良かった写真に対してインセンティブをあげる仕組みになっています。
メリットとしては、Twitterと比べて拡散性が低いInstagramで、不特定数のユーザーに情報発信することが可能という点です。デメリットとしては、ユーザーが撮影をして投稿するというアクションまでのハードルが高く、テーマによっては参加者数が伸びにくいという点です。気軽に参加できるキャンペーンとは言い切れません。
よって、特に投稿キャンペーンの場合は、写真を撮って投稿するという少し高いハードルを越えられるようなインセンティブにしなければなりませんが、インセンティブが何だったらユーザーは参加したくなるのか、事前にアンケートで聴取するのも一つの手です。
どのキャンペーンも同様ですが、実施していくうえで「インセンティブ」の設定は非常に大切です。「このキャンペーンを実施したら、どういった情報をユーザーに届けられるか、その情報をどのような人に見てほしいか」を考え、そこにインセンティブを紐づけていく必要があります。
主要キャンペーン:フォロー&いいねキャンペーン
ユーザーが自社アカウントのフォロー+キャンペーン投稿に対していいね”することを参加条件とするキャンペーンです。最近では、フォロワー数をKPIにしているアカウントを中心にこのパターンのキャンペーンが増えてきたように思われます。
メリットとしては、前述した投稿キャンペーンと比較してユーザーの参加ハードルが低く、参加者が伸びやすいという点があります。デメリットとしては、懸賞ユーザーも参加しやすい点があります。インセンティブ目的の人が参加するので、キャンペーンが終了した後にフォローを外す人も非常に多くいます。
では、キャンペーンが終了した後も継続してフォローしてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
対策としては大きく2つあります。
① 懸賞目的だけのユーザーが参加しにくいインセンティブ設計にする
②参加ユーザーからコンテンツ最適化の情報を収集し、コンテンツを参加ユーザーに合わせていく
①に関して説明すると、要は投稿しているコンテンツに興味を持ちそうなユーザーだけが参加したくなるようにインセンティブを設計するということです。
例えば、若年層向けコスメ商品を紹介するアカウントを運用している場合、紹介したコスメ商品をそのままインセンティブに設定すれば、ある程度日頃発信しているコンテンツと親和性の高いユーザーに絞って参加を促すことが出来ます。
そもそも投稿しているコンテンツと親和性の高いであろうユーザーを募集しているので、キャンペーン実施後もフォローを継続してもらいやすくなります。
また、②に関しては、発信しているコンテンツがInstagram上のユーザーマッチが出来ていない場合にユーザーから最適なコンテンツのヒントを集めるために行います。
こちらも例としてコスメのアカウントのキャンペーンを紹介します。キャンペーン参加の条件を、「このアカウントの中で、好きな投稿写真に〇個いいねしてください。」としたとします。
写真だけのコンテンツ、イラスト、文字がたくさん入ったコンテンツなど様々なジャンルを投稿しているのなら、いいねの数を計算することで、ユーザーのコンテンツの好みを判断することができるのです。ユーザーの好みを把握出来たら、アカウントの傾向をユーザーの好みに最適化していくことができ、フォローを継続してもらいやすくなります。
このように、“コンテンツとの親和性が高いユーザーを集めるキャンペーン”にするか、“フォローしてくれたユーザーに対して、コンテンツの親和性を高めていくためのキャンペーン”にするかを考えて、実施したりします。
SNSでは、「ユーザーから意見をもらうコミュニケーションであること」が大切です。キャンペーンでも「ユーザーファースト」という姿勢を忘れてはいけません。自社商品の領域でユーザーのために最適化したアカウントになることが、継続してフォローしてもらえるカギになるといえます。
主要キャンペーン:フォロー&コメントキャンペーン
ユーザーが自社アカウントのフォロー+キャンペーン投稿に対して指定された条件に該当するコメントすることを参加条件とします。
メリットは、フォロー&いいねキャンペーンと同じく、ユーザーの参加ハードルが低いので参加者が伸びやすい傾向があります。コメント(≒UGC)を残せることで、副次的な口コミ情報も獲得することができます。デメリットとしては、こちらもフォロー&いいねキャンペーンと一緒で、ハードルが低いため、懸賞ユーザーが参加しやすい点が挙げられます。フォロー&コメントのキャンペーンには、実はあまり知られていないメリットがあるので、詳しく3つ紹介します。
メリット1 フォロワーが獲得しやすい
1つ目のメリットは、先述した通り、キャンペーンへの参加ハードルの低さもあり、フォロワーが獲得しやすい点です。
メリット2 UGC(User Generated Content)を生み出すことができる
フォトコンテスト型のキャンペーンですと、投稿をInstagramにアップしなければいけないというハードルの高さがあります。
例えば、コメントの条件を「この商品のいいところをコメントで残してください」にすると、「安かった」「使いやすかった」などInstagram上で食べログのように口コミが生まれることになるのです。商品のおすすめポイントを書いた口コミをユーザー自身が残してくれるので、それを見た他のユーザーが実際に商品を買いに行ってくれるという流れをつくることができます。
実際に、とある化粧品のアカウントでも商品をインセンティブにし、「今まで使った商品の中で、また使いたいものとその理由をコメントしてください」というキャンペーンを実施したところ、なんとECの売上が2倍になったんです。化粧品の情報をInstagramで探している人が多いこともあり、『一般ユーザーの口コミなら信頼できる』と思って購入した方が多かったと考えられます。
メリット3 ユーザーのコメントからコンテンツのネタを創出できる
ある公共交通機関のInstagramアカウントのフォロー&コメントキャンペーンでは、「おすすめのデートスポットをコメントしてください。良さそうな場所はアカウントで紹介します!」というような企画を実施しました。
この事例では、実際にユーザーから集まったコメントをコンテンツに転用することができました。コメント欄を、「ユーザーの悩み」や、「コンテンツ」のネタをコメントで収集する場としてとらえることもできます。
コメントを活用するキャンペーンは、実施の仕方によっては、「テストマーケ」にもなり得ます。世に出す前に、ターゲットは合っているのか、売れる見通しはあるのか、生産はどれくらいするべきか、など、ある程度予測を立てることもできるのです。
その他キャンペーンフレーム
そのほかにも、キャンペーンの枠組みも紹介します。ここで挙げるものはまだあまり数多く実施されているものではないので、ユーザーがキャンペーンの仕組みに慣れていない可能性はありますが、今後増加していくかもしれません。
- フォロー&タップキャンペーン(ストーリーズのアンケートにタップして回答する、など)
- フォロー&シェアキャンペーン
- フォロー&DMキャンペーン
キャンペーンの認知度を高めるには?
キャンペーンを設計していくときにインセンティブやキャンペーン参加条件などのほかに考えなければならないことがもう1つ。そもそもキャンペーンを実施していることをユーザーに発見してもらう必要があります。残念ながら、オーガニックで発見してもらえるのはレアなケースです。基本は、フィードやストーリーズでの広告、インフルエンサーによるキャンペーンの宣伝で、新規のユーザーに見つけてもらうことが多いです。
次回のテテマーチの連載では、「インフルエンサーの選び方」について特集します。ぜひご覧ください!
まとめ
キャンペーンで目的通りの結果に近づけるためには、だれに向けて、どういうキャンペーンをやって、何をインセンティブにするのか、まで考えることが非常に重要です。また、キャンペーンを実施した後に得た情報を何に生かすのか、までを設計することも欠かせません。
たとえキャンペーンへの参加が少ないとしても、コンテンツに生かせるのであれば、1回のキャンペーンが成功か失敗か、と判断できるものではなくなります。1回のキャンペーンで一喜一憂するのではなく、PDCAを回しながら、キャンペーンを実施し、改善していくことが大事なのではないでしょうか。
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- キャンペーン
- キャンペーンとは、インターネット上のサイトにおいて、ファン数を増やし、購買行動を促すためにおこなう懸賞キャンペーンなどのマーケティング活動のことです。キャンペーンにはファン数を増やすだけでなく、ファン獲得以上のリアル店舗の来店者数を増やす、資料請求者を増やす、実際の購買を増やすなどの目的があります。
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- タグ
- タグとは、原義では「モノを分類するために付ける小さな札」のことです。英語の「tag」を意味するものであり、荷札、付箋といった意味を持っています。特にインターネットに関する用語としてのタグは、本文以外の情報を付与するときに用いられます。
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- インセンティブ
- インセンティブとは、作業者やユーザーの行動をうながす為に運営者が与える報酬を指します。インターネットにおいては、サービス利用者に特典などのインセンティブを示し、積極的にサービスを使ってもらうことために行われます。
- Twitterとは140文字以内の短文でコミュニケーションを取り合うコミュニティサービスです。そもそもTwitterとは、「小鳥のさえずり」を意味する単語ですが、同時に「ぺちゃくちゃと喋る」、「口数多く早口で話す」などの意味もあります。この意味のように、Twitterは利用者が思いついたことをたくさん話すことのできるサービスです。
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- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
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- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
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- UGC
- UGCとは、User Generated Contentsの頭文字を取ったもので、インターネット上でユーザーによって作成・生成されたコンテンツの総称です。UGCという概念に包含されるコンテンツは非常に幅広く、ブログや動画・イラスト投稿サイトなどのコンテンツはもちろん、種々のSNSにアップロードされたコンテンツや、それらに対する感想・レビューなどのコメントもUGCとなります。
- 口コミ
- 「口頭でのコミュニケーション」の略で、消費者の間で製品やサービスの評価が伝達されることです。 一方で、不特定多数の人々に情報が伝達されることをマスコミと使われます。
- キャンペーン
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- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
- キャンペーン
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- インセンティブ
- インセンティブとは、作業者やユーザーの行動をうながす為に運営者が与える報酬を指します。インターネットにおいては、サービス利用者に特典などのインセンティブを示し、積極的にサービスを使ってもらうことために行われます。
- オーガニック
- オーガニックとは、検索結果ページに表示されるリストのうち、広告以外のものを指します。「オーガニック検索」、「自然検索」、「ナチュラル検索」などとも言われます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- キャンペーン
- キャンペーンとは、インターネット上のサイトにおいて、ファン数を増やし、購買行動を促すためにおこなう懸賞キャンペーンなどのマーケティング活動のことです。キャンペーンにはファン数を増やすだけでなく、ファン獲得以上のリアル店舗の来店者数を増やす、資料請求者を増やす、実際の購買を増やすなどの目的があります。
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- インセンティブとは、作業者やユーザーの行動をうながす為に運営者が与える報酬を指します。インターネットにおいては、サービス利用者に特典などのインセンティブを示し、積極的にサービスを使ってもらうことために行われます。
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