マーケターだけでなく、企業の広報担当者や商品・サービスの企画担当者もチェックしておきたい時代の消費トレンド。数年前であれば映え写真を撮るための「インスタ映え消費」や、体験をするための「コト消費」などが注目されていましたよね。

そして、アフターコロナ後に注目していきたいのが「巣ごもり消費」「インスタ消費」などに代表される新たなライフスタイルによって生まれた消費スタイルです。
それぞれの消費トレンドの背景を紐解いてみましょう。

コト消費からアフターコロナ時代向けへ

私たちのライフスタイルは、コロナの影響により消費行動も大きく様変わりしています。以前は消費行動のトレンドに「コト消費」がありましたが、withコロナ時代には新しい消費行動が登場し、アフターコロナにもまた別の消費行動がトレンドになる可能性もあるでしょう。

コト消費とは?

コト消費とは、物などの商品を所有することに重きを置くのではなく、サービスなどで得られる体験に重きを置くことをいいます。

withコロナ時代には、対面の機会が増えるコト消費のサービス方法なども、変化していく可能性が大いに考えられます。

新ライフスタイルにはトキ消費が注目

コト消費の次にトレンドになる消費行動とはなにかというと、「トキ消費」が注目されています。トキ消費の特徴は、限定された時間での体験ということです。オンラインなどの非対面でのトキ消費は、今後のトレンドになる可能性ありです。

トキ消費

トキ消費とは、時間や場所が限定された体験をすることです。例えばアーティストのライブなどはその場でその時間に行かないと、実際にライブを楽しむことはできません。あとから映像で楽しむことができる場合もありますが、実際のライブとなるとトキ消費をすることになるでしょう。

しかしwithコロナの時代には、実際にライブ会場に出向くことが以前よりも難しくなってしまいました。実際に現地に行けなくてもトキ消費をすることができる方法がオンラインでのトキ消費です。

無観客のライブ映像を有料で配信するというサービスが登場しています。お家にいながら家族と一緒に楽しむこともできますので、新ライフスタイルに増えてくるサービスになるかもしれません。

アフターコロナのトレンド消費キーワード

アフターコロナのトレンドは、何と言っても直接イベントやお店に行かなくても消費できる非対面型スタイルです。インターネット通販やフリマアプリなどの普及により少しずつ変化していた非対面型の消費スタイルが、アフターコロナではさらに加速。新たな消費スタイルが生まれています。

インスタ消費

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出典:Instagramにて「#カバンの中身」で検索した画面

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出典:アキュラホーム浜松支店 Instagramアカウント 

コロナ以前の消費トレンドでも注目されていたインスタ消費は、SNSアプリInstagramを通じた消費行動です。主に1996年以降に生まれた、ソーシャルネイティブ世代(Z世代)の消費トレンドとして2019年にも注目されていたのは記憶に新しいところです。

これまでのインスタ消費は“インスタ映え”する場所や食べ物の写真を撮るためにアクションする消費行動でしたが、アフターコロナのインスタ消費は様相が少し変わってきます。

例えばInstagramでのライブ配信もそのひとつ。コロナ流行によってイベント集客になかなか頼れなくなったことを受け、タレントや著名人だけでなく、ハウスメーカーや小売店が次々とインスタライブ配信にチャレンジしています。

また、Instagramでのハッシュタグ検索の活用や、インフルエンサーによる商品・サービス訴求の流れもまだまだ継続していきそう。さらに直接商品購入サイトにアクセスできるようInstagram社が仕様を変更したこともあり、Instagram閲覧から直接購買アクションに移るユーザーも今後ますます増えていくことが予想されます。

このように、インスタ消費は単なる“映え”のための消費から、より身近に商品やサービスを感じさせ、ユーザーが思わず真似したくなるシーンの提案や、対面コミュニケーションに変わる企業と消費者のコミュニケーション手段の場として変化しています。

巣ごもり消費

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出典:株式会社エヌケービー プレスリリース

新型コロナの流行により外出自粛などが続く中、生まれたのが「巣ごもり消費」というトレンドです。
株式会社エヌケービーが4月23日に発表した、巣ごもり消費に関する意識調査では、外出自粛時に「新しく始めたことや初めて利用したサービス・趣味」に関する質問に対して、本や動画配信サービスの利用や家で食事するための食品・調理器具の購入などが回答として寄せられています。

参考:新型コロナ感染防止の外出自粛で「巣ごもり消費」意識調査|株式会社エヌケービー

エヌケービーではこうした巣ごもり消費を「おうち時間充実型」「エクササイズでストレス発散型」「趣味に没頭エンジョイ型」「趣味&実益を兼ねた手作り型」「自己投資・スキルアップ型」「自分見つめなおし型」「癒し・リラックス型」の7タイプに分類しています。

企業各社も、巣ごもり消費に合わせてSNS上での「#おうち時間」「#おうちで過ごそう」キャンペーンなどを展開。新型コロナ収束後も、ここで刺激された巣ごもり消費は消費トレンドとして継続していくものも出てくると予想できます。