Web運用では、HTMLタグを書くことは欠かせません。
しかし、タグの追加や削除など、特にページ数の多い大規模サイトでは作業に非常に手間がかかります。
このような作業を簡略化できるツールが、タグマネージャーです。

今回は、Yahoo!タグマネージャーについて、担当者以外でも知っておきたい概要をまとめました。
担当でなくとも、知識として知っておけば、Webサイト運用をさらに効率よく進めることができます。

Yahoo!タグマネージャーとは


Yahoo!タグマネージャーとは、様々なタグを一元管理できる、マネジメントサービスです。
共通のタグをWebページに埋め込むだけで、複数のタグの管理を簡単に行うことができます。
従来のタグ管理では、煩雑で運用工数や複数のタグを設置することによるページ表示速度の低下などの問題がありましたが、Yahoo!タグマネージャーを活用することで、これらの問題を解決してくれます。

具体的には、1つの管理画面で全てのタグを管理することが可能なので、いつ、どこに、誰が、どんなタグを張ったのかなど全ての履歴を一元管理することができます。
また、サイトパフォーマンスの向上も可能です。サーバーダイレクト方式を採用しているので、ブラウザのコンテンツ表示とは異なる処理が行われ、ブラウザへの負荷軽減につながります。
加えて、一度タグを貼るとサイトに手を加える作業がほとんど必要なくなります。例えば、季節限定のイベント終了後にHTMLを更新してタグを貼り替えるという工数を省くことができます。
イベントやツールの仕様の変更などに合わせて、簡単にタグを外したり、書き換えることができるので、施策の選択肢を増やすことにもつながります。

Googleタグマネージャーとの違い

国内のメジャーなタグマネージャーと言えば、GoogleタグマネージャーかYahoo!タグマネージャーが一般的です。
どちらを使えばいいのかという点において、両者の違い、導入方法、管理のしやすさ、タグの種類の4つの観点から、簡単に比較します。

導入の手軽さについて

Googleタグマネージャーは、Googleアカウントを持っていればすぐに導入できます。
一方、Yahoo!タグマネージャーでは、下記で詳細を説明していますが、Yahoo!JAPAN IDを持っているだけでは導入できず、Yahoo!JAPANビジネスIDを取得する必要があります。

管理について

管理のしやすさについては、人によって、向き不向き等考えられますが、基本的に両者に違いは見られません。

タグの種類について

Google、Yahoo!それぞれが提供しているサービス以外はほぼ同等と考えてよいでしょう。
例えば、GoogleアナリティクスやGoogleディスプレイネットワーク関連などはGoogleタグマネージャーが対応しており、Yahoo!プロモーション広告やYahoo!ディスプレイネットワーク関連などはYahoo!タグマネージャーが対応しているという違いがあります。
現在どのツールを利用しているのかによって、導入するタグマネージャーが変わりますので、現在利用しているツールの確認をしましょう。

機能や特徴など

国内外の120以上の主要ベンダーのタグを網羅

Yahoo!タグマネージャーでは、コンバージョン測定やリターゲティング測定、アクセス解析測定など、国内外の120以上の主要ベンダーのタグを網羅しています。なお、掲載ベンダーは現在も拡大中です。
また、カタログに掲載されているタグは、全て動作検証が完了しており、掲載されていないタグに関してもカスタムタグで利用することができます。

リアルタイムで反映できる

Yahoo!タグマネージャーを利用すると、Webサイト上での反映をすぐに確認することができ、より精度の高いタグ運用が可能になります。
具体的には、タグの動作確認や、エラー検知、オン・オフの反映などがリアルタイムで反映できるので、エラー修復をすぐに行うことができ、データロスを防ぐことにつながります。

表示スピードの高速化

非同期やサーバーダイレクトという方法を使っているので、Webページの読み込みが非常に速くなります。
非同期のタグ実行は、順番にタグを実行する通常の方法とは異なり、タグ部分を後回しに実行することで読み込み速度を上げます。
また、サーバーダイレクトでは、タグの動作処理をクラウド上で行うことで表示の高速化を図ります。
Webサイトの表示速度が遅いことは、ユーザーの離脱にもつながりますので、Yahoo!タグマネージャーの導入により、離脱リスクが改善される可能性が高くなります。