Googleがhttpsを検索順位で優遇していることは明白な事実ですが、導入には慎重な対応が必要です。
また、https導入にはメリット・デメリットがあります、しっかりと理解をしなければいけません。

今回は、なぜGoogleがhttpsを優遇するのかというお話から、メリット・デメリットの話、リファラ送信の方法などを解説します。

目次

  1. httpsをSEOで優遇するとは一体?
    1. なぜGoogleはhttpsを優遇するのか
  2. httpsからhttps化する際のデメリット
    1. 301リダイレクトによる被リンク喪失(2015年12月24日にGoogleが否定しました)
    2. ソーシャルボタンのカウント数がリセットされてしまう
    3. リファラが消えてしまう
  3. httpsでもリファラを送信する方法

1. httpsをSEOで優遇するとは一体?

2014年8月7日にGoogleHTTPSをSEOで優遇するという発表をしました。
Google ウェブマスター向け公式ブログ: HTTPS をランキング シグナルに使用します

簡単に言えば、httpsをSEOのランキングシグナルとして使うということです。

1.1. なぜGoogleはhttpsを優遇するのか

インターネットは多くの情報が行き来していますが、情報自体のセキュリティには多くの配慮がまだ足りていません。
インターネットというフィールドをより安全な場所にするためにサイトをHTTPSへ移行する流れは必然というわけです。
海外サイトのMozcastによると、googleの検索結果の最初の20ページHTTPSだということです。

2. httpからhttps化する際のデメリット

2.1. 301リダイレクトによる被リンク喪失

※後述しますが、この点について2015年12月24日にGoogle社員のGary Illyes氏が公式発言として否定しました

Ross Hudgensによると、httpをhttpsにする際301リダイレクトを通して行うとリンクが喪失してしまい、それによりランキングが低下しトラフィックが失われるというのです。

HTTPSは、ランキング上昇のために重要なファクターです。しかし、301でHTTPSに変更すれば301を通じリンクは失われます。HTTPSに移行したことで得られるものは、喪失したものよりも少ないでしょう。トラフィックが失われるのです。

技術的な問題なのでいつかは改善することだと思いますが、現時点でHTTPのサイトを運営している方は移行し辛いです。301リダイレクトでおよそ15%程度のリンクが喪失すると言われています。一から作る場合はあまり気にしないでいいでしょう。

2015年12月24日にGoogle社員のGary Illyes氏が公式発言

Q.httpからhttpsへ移行する際にオーソリティの評価はちゃんと移行される?
A.僕らはオーソリティという評価を持ち合わせていないけど、シグナルはちゃんと移行されるよ

簡単に訳しましたが、こんな感じでしっかりと評価は移行されるとのこと。

2.2. ソーシャルボタンのカウント数がリセットされてしまう

httpsからhttpsへ移行すると、事実上別URLとなるのでカウント数がリセットされてしまいます。移行をしたことで、カウント数がリセットされてしまえばユーザーに「このサイト人気ないのかな?」という変な印象を与えてしまうかもしれません。

この解消方法はアユダンテのコラムで対処法が解説されています。こちらを参考にすれば見た目上は解消ができそうです。
HTTPからHTTPSへの変更時にソーシャルボタンのカウント数を(見た目上)引き継ぐ方法

また、SEO的な懸念もあります。
GoogleはソーシャルシグナルをSEOには使っていないと以前明言していました。

将来これが継続するかは分かりませんが、もし今後Googleとソーシャルサービス運営側が手を組み、SEOにソーシャルシグナルを利用できるようになったとしても、httpとhttpsが別URLと認識されてしまうのであれば、これは問題です。

どちらも技術的な部分で解消できそうなので、そうなることを願うしか現状はなさそうです。

2.3. リファラが消えてしまう

これは大きな問題で、自サイトをHTTPS化すると外部リンク先がHTTPサイトだとするとリファラが飛ばないのです。

自サイトを分析する際に、どのサイトから来ているのかをチェックしていると思います。
そして多くのユーザーを送ってくれるサイトに対しては、もっとユーザーを送ってもらえるような対応も取ることが可能です。
ferretはメディアなので、リファラが飛ばないと存在感を示すことができないので大きな問題になります。(ただ諸事情でまだ対応は見送ってます)

3. HTTPSでもリファラを送信する方法

HTTPSでもリファラを送信するためには、meta name="referrer" を使う必要があります。
meta name="referrer" には5つのタイプがあります。それぞれ使い道が違うため、自分のサイトの方針に合わせて選ぶと良いでしょう。

1. None: そのページからリファラデータを送らない
<meta name="referrer" content=“none">

2. None When Downgrade:リファラ情報は確かなHTTPSサイトに送られるが、HTTPサイトには送られない
<meta name="referrer" content=“none-when-downgrade">

3. Origin Only:リファラとしてスキーム(http/https)、ホスト(ドメイン名)、ポート(サブドメイン名)のみのURLを送る 
<meta name="referrer" content=“origin”>
例:https://ferret-plus.com/example.htmlからはhttps://ferret-plus.comが送られる

4. origin-when-crossorigin:もし相手が同じURLやドメイン名であれば、フルURLを送る。しあし、そうでなければドメイン名のみのURLのみが送られる。
<meta name="referrer" content=“origin-when-crossorigin">

5.unsafe-url: 常に全URLをリファラとして送る
<meta name="referrer" content="unsafe-url">

特に送って困る情報がない場合は、5のunsafe-urlを使えば良いです。

ただし、対応しているブラウザが少ない

ferretが実装できていない理由でもあるのですが、実装ブラウザがまだ少ないです。
※参考:SSLがSEOに効くようになるのでmeta referrerのブラウザ対応状況を調べた
※参考:meta name="referrer"は、HTTPS→HTTPでもリファラを出す新しい仕様

対応している
▼PC
Google Chrome(Windows版)
Google Chrome(Mac版)
Firefox 38(開発者版、正式版は未リリース)
▼モバイル
Chrome for Android(41.0.2272.96で確認)

対応していない
▼PC
Firefox 37
IE ~11
Spartanエンジン(次期IE、RemoteIEで検証)
Safari
▼モバイル
Android標準ブラウザ(~4.4.4で確認)
Android 版 Firefox
iPhoneのSafari(~iPhone 6で確認)
Chrome for iOS(41.0.2272.58で確認)

非対応ブラウザだと、動作しない部分が出てきます。
ferretはそれが原因で現状入れていません。ここは早くブラウザ側に対応してもらいたいところです。

まとめ

アクセス解析を行っていてもリファラが記述されていないので解析できないということは多々あります。
リファラが記述されていれば、ユーザーのエンゲージメントリンク元への働きかけなどもでき、より良いSEOが実施できます。

HTTPS化の流れはインターネット全体で見れば、とても良いことなので多くのサイトがリファラを送り合うようになれば、より良いユーザーへの価値提供も進んでいくのではないでしょうか。

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