個客マーケティングや1to1マーケティングなどとも呼ばれることのある、顧客の嗜好に合わせて行われるマーケティングの最適化。メルマガを使った販促活動においても必要な視点ですよね。とはいえ、「知っているけれど、なかなか実践するまでに至っていない」というマーケターもまだまだ多いのが実情。そこで今回は、メールマーケティングをする上で再度確認しておきたい、パーソナライズをおさらいします。自社のメールマーケティングがしっかりと最適化できているかを、記事を読み進めながら、チェックしてみてくださいね。

メールのパーソナライズ化チェック4項目

メールマーケティングをする上で、欠かせない指標となるのがメールの開封率です。
メルマガ運用をする上で、パーソナライズ化するということは、いったいどんなことなのでしょうか? 基本的なことですが、意外と見落としがちな点なので、改めて最適化するための施策について振り返ってみましょう。

1:顧客のセグメント化はできているか?

メールのパーソナライズ化をする上で、多くの企業がまず行っているのが顧客のセグメント化と言えるでしょう。年齢・性別・居住地など一般的な情報だけでなく、アンケートの実施や過去の購買履歴なども重要なセグメントのための情報です。対面の営業であれば、無意識に営業担当が行っている「相手に合わせた戦略を考えるための情報収集」とも言えるフェーズです。

セグメントのためにどんな情報があればいいのかは、商品やサービス内容によっても異なります。また、企業側が思いもよらなかった消費者行動や傾向を知るきっかけにもなりますから、できればセグメントできる切り口は多い方がベターです。

2:顧客理解はできているか?

パーソナライズ化したメルマガ運用をしようと思っていても「なかなかうまくいかない」と感じているなら、まずは顧客理解を深めるための情報収集がしっかりできているかを確認してみましょう。

顧客をセグメントするために収集する情報は、本来であれば随時アップデートされていきます。
サイトの訪問回数、カゴ落ち(カートに入れても購入しない)している頻度、購入履歴・頻度、閲覧履歴……など、参考にすべきデータはたくさんあります。顧客が何度も閲覧しているページは、当然興味関心が高いサービス・商品です。

個人に最適化したメールを配信するのであれば、こうした情報を有効活用できなければ意味がありません。

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画像出典:ECサイトのカゴ落ち対策MAツール「カートリカバリー」経由の売上が年間34億円を突破 ~ イー・エージェンシー

メールのパーソナライズ化による売上アップの事例として挙げられることも多いカゴ落ち対策は、まさに顧客のサイト上での行動を情報収集して理解した上で実施している施策です。
例えば、株式会社イー・エージェンシーでは同社が提供しているカゴ落ち対策MAツール「CART RECOVERY」により平均約3.2%、最大で約10%の売り上げ向上を実現したと発表しています。

同サービスは、メールだけでなく広告配信なども実施していますが、メールのパーソナライズ化が有効であることの事例を示すデータと言えるでしょう。

参考:ECサイトのカゴ落ち対策MAツール「カートリカバリー」経由の売上が年間34億円を突破 ~ イー・エージェンシー

3:顧客に合わせたメールになっているか?

顧客のセグメントと、顧客の行動や嗜好をリアルタイムに情報収集した上で、戦略的に顧客に合わせたメルマガを作成・配信するのがパーソナライズ化の肝となります。

顧客に親近感を持ってもらえるような内容や、ウォンツやニーズに合わせたタイミング・内容のメールを配信できるのは、マーケティングオートメーションが可能になったからこそ。
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画像出典:Spotifyメルマガ(筆者受信メールより)

メールを通じたパーソナライズ化された顧客体験の提供として、高度なパーソナライズ化を成功させているのが、音楽配信サービスの「Spotify」です。
ユーザーが聴いた音楽をもとに好みの楽曲やカテゴリーや、年末にはその年によく聴いた音楽を提案しています。

また、お気に入りのアーティスト情報に基づいて似たような嗜好の楽曲を聴いている他ユーザーのよく聴く曲をレコメンドもしています。このように、顧客に合わせてメルマガコンテンツを検討し、顧客が新たな価値や体験・発見ができるような内容にまで昇華できるのが理想です。

4:配信タイミングは妥当か?

日々たくさんのメールを受け取っているユーザーの立場からすれば、頻繁に受信トレイに同じ送信者からのメールが入っているのを目にするのは「またか……」というネガティブな印象になってしまうことも。配信タイミングは、送らなすぎるのもよくない一方で、頻繁すぎるのも考えもの。

また、自社サイトや商品ページを閲覧した直後に、その商品の購入を促すようなメールを配信すれば「自分の個人情報が漏れている」とユーザーが不信感を抱く元凶になってしまいます。

エンゲージメントレベルやメールの開封率などに基づき、戦略を練りましょう。