BtoC領域のみならず、BtoB領域においても、今や集客、リード獲得のためにはオウンドメディアの存在が重要だと言われています。自社で定期的にブログ記事を投入し、運営を行っている会社も多いのではないでしょうか?ブログをより多くの人に見てもらうために重要なファクターは「SEO検索エンジン最適化」です。つまり、検索エンジンにおいて上位に表示されることです。

そのためには個々のブログ記事を書く際や、運営し続けていく上でどんなことに気をつければ良いのでしょうか?今回の記事ではブログSEO対策について解説していきます。

SEOの本質をまずは理解しよう

せっかくブログを書いても、多くの人に見てもらえなければ意味がありません。多くの人に見てもらうためには、検索エンジンの上位に表示されることが重要です。SEO対策とは、「何か情報を得たい」と検索しているユーザーに良質な情報を提供できるページを作り、結果的にGoogleから高評価を得て、検索上位に表示させるための施策。よって、何かテクニカルに、機械的なポイントだけを押さえておけば上手くいく、というものではありません。

具体的には、以下の2つのポイントをまずは理解しておきましょう。

①Googleからの評価の仕組みについて理解しておく

検索エンジンの表示順位とは、決して「ランダム」ではありません。検索ユーザーにとって意味深いもの、見る価値の高いもの、つまり「質の高いコンテンツ」が上位に表示される仕組みになっています。

例えば、あるユーザーが「SEOとは」というキーワードで検索したとしましょう。

このとき、SEOについて有益な情報(=情報を探しているユーザーが、きちんと問題解決できる情報)が充分に網羅されていて、ユーザー視点で読む価値の高いもの、ユーザーエクスペリエンスの高いもの、情報が新しいことなどが、現代の検索エンジンの評価基準だと言われています。

逆に言えば、検索キーワードに対して情報量の少ないもの、関連性の薄いもの、情報が古いものなどは評価が低くなり、検索上位には表示されにくくなるのです。

クローラー対策とは?

Googleは、インターネット上で「クローラー」と呼ばれるロボットを自動巡回させ、大量のページデータベースに登録しています。その中から検索キーワードと関連性が高く、かつ評価の高いページ検索結果の上位に表示させる仕組みを取っています。

よって、この「クローラー対策」を講じて、クローラーに早く自分のページを見つけてもらい(=クローラビリティを向上させる)、高く評価してもらう、という策を取ることも有効です。

クローラーページを巡回する際、テキストや画像、レイアウトリンクなど様々な情報を読み取り、ページを評価しています。ここでもやはり、ページの質」が重視されます。

例えば、有益な情報を提供していれば、多くの人に参照されて被リンクが集まる(=人気度が高まる)ので、クローラーに見つけてもらいやすくなります。

「有益な情報のアップデート(加筆)」、「不要な情報の削除」、「テキスト中心のコンテンツ」といった点に気をつけてブログの更新・運用をするだけでも、質を高めることができ、クローラビリティの向上に繋がります。

先にも述べましたが、「コンテンツの質が薄い」「量が少ない」「情報が古い」「スパム情報を含んでいる」といったページは質が低いと見なされ、たとえ同じサイト内で他に良質な記事があったとしても、クローラビリティが低下し、その分SEO効果が見込めなくなってしまいます。

②ユーザー視点を第一に考える

Googleからの評価の仕組みについて先に述べましたが、そこを踏まえた上でも重要な視点とは詰まるところ、「ユーザー視点を第一に考えたページ作りをする」という点に尽きます。「わからないことが、きちんとわかるようになる」「誤った情報を伝えない」「古い情報を伝えない」「関係ない情報を伝えない」といったところに集約されると言えるのではないでしょうか。

SEO対策とは例えて言うなれば、ブログを見てくれる人に対する、おもてなしの精神」が重要だとも言えるのです。

SEO対策によってもたらされる成果とは?

では、自社ブログSEO対策を講じておくと、具体的にどんな成果・メリットがもたらされるのでしょうか。

広告出稿以上の集客を見込める可能性も!

自社がPRしたい内容について、Google検索結果画面で上部に表示させるためには「リスティング広告(検索広告)」という施策も考えられます。

しかし、検索結果画面の中において、リスティング広告が表示される「広告エリア」と、純粋なコンテンツが表示される「オーガニックエリア」を比較すると、ユーザーがクリックしてくれる率に大きな違いがあると言われています。

海外のある調査によると、以下のようなデータが明らかになっています。

検索結果に対してクリックされる割合はリスティングの広告エリアが13%に対して、SEOエリア(オーガニック検索エリア)は52%と4倍も多くクリックされているという研究結果があります。
引用元:SEOとは?成功させるために知っておきたいポイントを徹底解説|HubSpot

つまり、自社ブログコンテンツの質を高めて、検索上位に掲載されるように策を講じることは、リスティング広告を出稿する以上の集客効果を見込める、と言えるのです。

手間はかかるが、月々の運用コストは掛からない

前述した「リスティング広告以上の集客効果を秘めている」という観点で再び考えてみましょう。

例えばリスティング広告を常時出し続けるならば、長期的に広告費を払い続けることが必要であり、月々のランニングコストがかかります。

一方、SEO施策というのは、社内の人的リソースや、コンテンツを企画立案したり、制作する手間は多少掛かりますが、運用費は基本的に必要ありません。

SEO対策のポイントを押さえて自社ブログを運用し、良質なコンテンツを作り続けることで、毎月のランニングコスト無しでWeb上で誘客することも可能なのです。

特定ジャンルの情報発信力を高めることで、ブランディング効果につながる

ここでユーザー視点に立って、何か特定のジャンル(例:「マーケティング」「トレンド」など)について知りたい、解決したいことがあって検索する場面を想像してみてください。

同じサイトやブログが頻繁にヒットする状況に遭遇すると、「このブログは●●のジャンルに関して、参考になる情報をよく発信してくれているな」と、信頼度が高まる場面もあることでしょう。

つまり、何か特定のジャンル・テーマについて情報発信力が強くなることは、一般の検索ユーザーに向けて広く影響力を及ぼしたり、信頼度を高め、ひいては自社のブランディング効果にもつながる、と言えるのです。

SEO対策を行う上で理解しておくべき留意点

時間と手間がかかる

ブログSEO効果を上げるためには、ユーザーに求められる良質なコンテンツを企画・立案し続け、制作し、地道にブログ記事数を増やしてだんだんと充実させていくという、人的な時間と手間は掛かります。

ブログを立ち上げたばかりならば、クローラーに見つけてもらえるまでの期間についても、ある程度時間はかかるものだと理解しておいたほうが良いです。

長期的に効果を発揮するものだと理解しよう

例えば、「SNSで自社の投稿がバズる」「広告企画がヒットする」といった事例では、短期間に爆発的な集客・売上につながる場合もあり得ます。

一方、ブログSEO効果を上げていくということは、前述した通り「とにかく地道にコツコツと、小さなことの積み重ねで長期的にジワジワと自社に対する信頼度を高め、集客効果に繋がっていくもの」と理解しておきましょう。

広告施策のような、明確な効果測定は難しいものだと理解しよう

広告施策であれば、「この広告経由で、いつの期間にコンバージョンした」と明確に効果測定をすることが可能です。

しかし、「自社ブログのうち、この記事を見てくれたから、商品購入や資料請求に繋がった」ということを明確に追跡するのは困難なものです。

ただし、「Googleサーチコンソール」や「Google Analytics」といった、Googleが提供する無料解析ツールを利用することで、

  • 検索から自社ブログに流入した数
  • 検索キーワードに対する掲載順位
  • ユーザーが自社ブログに流入した経路

といった、大まかなユーザーアクションならば追跡・効果測定することもできます。

コンテンツSEOについて理解しよう

コンテンツSEO」は、コンテンツマーケティング(=自社コンテンツを発信し続けることで、見込み顧客を誘客すること)を展開していく上での戦略のひとつだと考えましょう。「コンテンツSEO」とは、自社コンテンツ検索結果の上位に表示させるための施策です。

ここからは「コンテンツSEO」を実践する、つまり自社ブログを検索上位に表示させるための具体的なステップについてお伝えしていきます。

コンテンツSEOに着手する前に取り組むべき3つの準備

①ターゲットとするユーザー像を明確に定める

記事制作に着手する前に、自社ブログを読んでもらいたいターゲット像を明確に定めましょう。

個々の記事を投入する際には自社のブログ記事を読んでもらうことによって

  • 「誰の」
  • 「何を」
  • 「どのように解決する」

といったポイントを押さえることが必要になります。

例えば、具体例に置き換えると

  • 「誰の」=「企業のSNS運用担当者の」
  • 「何を」=「炎上を招かないためのヒントを」
  • 「どのように解決する」=「具体的な失敗事例から学びを得て理解できるようになる」

といった具合です。

「ターゲットとするユーザー像を明確に定める」という部分では、上記のうち特に
「誰の」の部分にフォーカスして考えましょう。

自社ビジネスが持つノウハウによって*「誰の、何を、どう解決できるのか」「どんな人にヒントを提供できるのか」「どんな人に自社ブログを見て、自社に関心を持ってほしいのか」を深く考えることがコツ*です。

②URL構造に気をつけて記事を蓄積していく

記事を蓄積していく前に、個々の記事のURL構造についても注意しましょう。ブログで言えば、個々の記事のURL末尾にどんなIDやエイリアス(通称)を当てるか、ということです。

●<例1>URL末尾に、個々の記事の「ID」を当てる場合

https://△△△.com/article/1100

●<例2>URL末尾に、個々の記事に対して「エイリアス(通称)」を当てる場合

https://△△△.com/article/how-to-seo

Googleが推奨するのは、<例2>のように「エイリアス(通称)」を当てる場合です。つまり、SEOについて解説しているブログ記事であれば、URL末尾にその主旨がわかるよう「how-to-seo」のような通称を当てる、という状態です。こちらのほうがユーザー視点に立った場合にも、何について伝えている記事なのか分かりやすいためです。

アメーバブログやnoteなど、既存のブログサービスを利用している場合にはここで自分の好きなエイリアスを振ることは難しいかもしれません。

利用しているブログ環境によって、URL末尾の割当を任意でできる場合には、できるだけ「ID」や「日付」ではなく、「エイリアス」を振ることをおすすめします。

③目標設定をする

SEO施策とは、広告施策と比べて明確な効果測定が難しいものではありますが、何らか目標設定をしなければ、運用していく中で改善点も見えてきません。

よって、始める前に目標設定は行いましょう。

具体的には

  • アクセス数
  • クリック数
  • 日次、週次、月次でのコンテンツ更新数
  • 日次、週次、月次でのリライト数

といったものを立てることができるでしょう。

なお、目標は「一度立てたら頑として変えない」ではなく、運用し始めたらアクセス状況など読者の動きを見つつ、柔軟に再考・変更していくという考え方も重要です。

コンテンツSEOの実践

ここからは、実際に個々の記事を企画立案〜制作していく上でのポイントをお伝えします。

①ターゲットのニーズに合ったキーワードを企画立案しよう

まずは、記事で大テーマに据える「キーワード」を企画立案します。ユーザー視点に立ち、ターゲットが知りたがっていること、解決したいことをキーワードとして据えましょう。

尚、*キーワードは1記事につき1つ、を守りましょう。*その記事で伝えている情報が明確になり、テーマが際立つことになるので、Googleからも評価され、上位表示されやすくなります。

キーワードを決める際には

<例>
「SEO」

と漠然と広いキーワードにするより

<例>
「SEO ブログ」
「SEO ホームページ」

など、セットで検索される「共起語」も一緒に考えるとより効果的です。

検索ユーザーにとって「何が分かるか」「何を解決できるか」がより明確になり、Googleから高評価され、上位表示されることに寄与します。

②検索ニーズをコンテンツに落とし込み、適切に編集しよう

記事で取り扱うキーワードを定めたら、実際の記事制作に着手していきます。

●目次や見出しを作る

本文の大まかな内容が分かるよう、目次を作ったり、各段落に見出しを付けましょう。
目次や見出しを整理することは、「読者が分かりやすいため」だけではなく、書き手にとっても「読者に伝えるべきこと、書くべきことが明確になり、書いている途中で迷走しない」という大きな助けになります。

●文章の読みやすさ

ここでも「ユーザー視点第一」が重要です。難解な言葉、カタカナ用語、専門用語などはなるべく使わず、平易な、普段遣いの言葉で文章を仕上げていきましょう。

●改行や余白を適度に入れる

記事の読みやすさに繋がるよう、適度な改行や余白を入れていきます。なお、現代のWeb記事とはスマホで見ているユーザーの割合も非常に多いため、「スマホからでも読みやすい文字サイズ、余白、改行」にも留意しましょう。

●箇条書きの活用

具体例を挙げる際など、簡潔に分かりやすく説明したいときに有効です。

●画像や図解の挿入

図や画像で説明するほうが分かりやすくなる場合は、適宜活用しましょう。

④SNSにブログ記事を掲載して多くの人に見てもらおう

ブログ記事が仕上がった後は、SNSなど他媒体にも積極的に載せましょう。
多くの人に見てもらうきっかけになり、また、新規作成したブログ記事に対する被リンク獲得という観点でもプラスに働きます。

ブログのSEO対策を続ける上で取り組むべきこと・してはいけないこと

ここからは、実際にブログ記事を蓄積し始めた後、運用フェーズに入ってからについて「取り組むべきこと」「してはいけないこと」をお伝えします。

①計測には取り組み続けたほうがいい

先にも述べましたが、Googleが提供する無料アクセス解析ツールGoogleサーチコンソール」「Google Analytics」は活用したほうが良いです。

  • 検索から自社ブログに流入した数
  • 検索キーワードに対する掲載順位
  • ユーザーが自社ブログに流入した経路

など、ユーザーが自社ブログに対してどのようなアクションをしているかは日頃から計測するようにしましょう。

計測結果を根拠に、「自社ブログに足りない点は何か?」など改善点が明らかになり、次の打ち手が明確になるからです。

アメーバブログやnoteなど既存ブログサービスを利用している場合にも、簡単なアクセス解析機能は付いていますので、まずはそういったページを詳しく閲覧して自分のブログの改善点を探る、今後のヒントを得る、というのも良いでしょう。

尚、Search ConsoleやGoogle Analyticsの詳しい導入方法については、ferretで過去に記事を掲載していますので、こちらも参考にしてみてください。

▼Search Console(サーチコンソール)の導入方法と新規設定、使い方を解説|ferret
https://ferret-plus.com/11552

Google Analytics(グーグルアナリティクス)の設定方法と注意点|ferret
https://ferret-plus.com/13513

▼Wordpress(ワードプレス)とGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)を連携する方法|ferret
https://ferret-plus.com/13533

②記事の更新・リライトはこまめに行うほうが良い

一度投入した記事の更新・リライトも小まめに行うほうが良いです。

古い情報を掲載し続けていると、ユーザーにとって有益な情報とは言えず、Googleからの評価も下がります。

また、競合ブログが新しい記事を出した際に掲載順位を追い越されることも起こり得ます。

更新・リライトを小まめに行って、その動きをGoogleクローラーに発見してもらえれば、ブログの評価も向上していきます。

③ペナルティ行為はしない

例えば文字数を稼ごうとしたり、キーワードをクローラーに検知してほしいあまりに、同一キーワードの乱用、羅列をするなど、読者視点で不自然なテキストを盛り込むような行為はGoogleが定める「ペナルティ行為」に該当し、「低品質なコンテンツ」と見なされる原因になります。

「低品質なコンテンツ」と見なされる行為には他にも「自動的に生成されたコンテンツ」などさまざまな基準があります。

いずれにしても読者視点に立った場合に「不自然」「無益」なページは「低品質」と見なされますので、記事制作時に「ユーザーファースト」ということを常に念頭に置いて進めていきましょう。

参考:
SEOとは?成功させるために知っておきたいポイントを徹底解説|HubSpot

クローラビリティとは?クローラビリティを改善するための方法について|SEOラボ

1ページ1キーワードに絞る理由について|キーワードファインダーSEOブログ

ブログでSEO対策する方法を徹底解説!|SEOに強いコンテンツを作ろう|アクセス解析ツール「AIアナリスト」ブログ

Webmaster Guidelines|Google検索セントラル

「ユーザー視点第一」がブログSEOの王道!

ブログSEO対策のカギとは、「ユーザーにとって有益な情報かどうか?」を最優先に考え、Googleクローラーに見つけてもらいやすいブログへと地道に作り上げていくことです。
なお、「クローラー」とはロボットですが、その判断基準においても「情報の質」が重視されます。

よって、自社ブログ記事を制作・リライトする際にはテクニカルな側面よりも、まずは自分自身がユーザー視点に立つことが何よりも大切です。「この記事は有益な情報を発信できているか?」「わからない、を解決できる記事になっているか?」「古い情報を載せていないか?」といった点を、常に社内でチェックし続けていくようにしましょう。ぜひ参考にしていただき、自社のブログの成長に繋げていってください。