「いいね!」数非表示でどう変わったか?

ferret:
2019年に、Instagramは「いいね!」数を非表示にしました。御社でSNS運用をしていて、「いいね!」数非表示になったことで変化はありましたか?

テテマーチ三島氏:
弊社としてはかなり変化があったと受け止めています。このUI変更の前後で言うと、エンゲージメントの良い・悪いがはっきりするようになりました。ユーザーの間での「いいね!疲れ」というのは確かにあったと思いますね。

弊社の分析ツール「SINIS(サイニス)」で解析を行ったところ、「いいね!」数非表示になってから、フォロワー数の多い(※1万人以上)アカウントは「いいね!」数の平均値が上がりました。
逆に、フォロワーの少ない(※1万人未満)アカウントは「いいね!」数の平均値が下がりました。

大きくフォロワーを抱えているアカウントは、UI変更によりグロースしたと言えます。

UI変更後の今は、本当に興味あるものには「いいね!」するし、そうでないものにはしない。企業アカウントでもそういった変化が垣間見れました。

ferret:
UI変更は、少なからずインパクトがあったということですね。

テテマーチ福間氏:
データを見る限りは、インパクトがあったように思えます。

テテマーチ三島氏:
一概に「いいね!」数非表示になったから、企業アカウントに影響があったと言い切るのは難しいのですが、前述したコンテンツのアルゴリズムの話と関連してInstagramでは「保存数」や「コンテンツへの滞在時間」を重要視するようになった傾向も感じられます。

これからのInstagramでは「ユーザーファースト」なコンテンツを突き詰めるべき

テテマーチ福間氏:
Instagramは、写真だけのメディアではなくなっていると言えます。「役立つコンテンツ」であったり、「知りたいコンテンツ」であったり、コンテンツの多様化が一層進んでいくと私は考えています。さらにニッチなコンテンツがどんどん出ていくにつれてユーザーがセグメント化され、属性・コミュニティが分断されていく。すると、これからは個々のコミュニティ同士が交わらない世界がInstagramの中でも大きく増えていくのではと考えています。

テテマーチ三島氏:
「ユーザーファースト」なコンテンツでなければ、もうリーチが難しくなりました。
より一層狭まったターゲットに向けたプラットフォームになっていき、ユーザー視点を第一に考えたコンテンツでないとInstagramユーザーに認められなくなり、届かなくなっていく。それを理解しておかないと、Instagram運用は難しくなっていくのではないでしょうか。

プラットフォーム変遷のポイントを理解しよう

Instagramはもはや「きれいな写真を投稿するプラットフォーム」だけではなくなってきています。「読み物化」「役立つコンテンツニーズ」「ユーザーの多様化・細分化」が年々、深まっているという点がポイントだと言えます。
マーケターや企業のSNS担当の方は、アルゴリズムとユーザーのインサイトをしっかり理解して、コンテンツを発信していくことが重要です。今後のSNS運用にぜひ役立ててみてください。