近年、スマホの普及に伴って動画の利用率が上がり、YouTube広告を筆頭に動画広告や動画マーケティングが注目を集めています。サイバーエージェントの調査によれば、動画広告市場は2022年に4,187億円、2024年には4,957億円に達する見込みで、この結果からもこれからのマーケティングに動画は欠かせないことが分かります。

そこで「動画制作をしてみたいがやり方がわからない」といった方に向けて動画制作のポイントに触れながら、動画制作の流れと費用について解説します。

動画制作の流れ

動画制作をする場合、どのような流れで進めていくのでしょうか。各プロセスについて順を追って見ていきましょう。

制作会社の比較検討

まず動画制作を自社で行うのか、制作会社に依頼するのかを決めますが、制作会社に依頼するケースが大半でしょう。

制作会社に依頼する場合、複数社を比較検討して選定します。検討する際には、各社の強み、制作実績、費用、納期、対応範囲、権利関係、機密保持条項などを確認する必要があります。

各制作会社に見積依頼をして、金額だけでなく「何が依頼できるか」「何が依頼できないか」を把握しましょう。動画制作だけを行う制作会社もあれば、広告やプロモーションなど動画の配信まで一貫で請け負う制作会社もあります。

制作会社によって強みも異なり、実績の量も異なります。類似の実績があるかチェックして、クオリティも確認するのが望ましいです。見落としがちなのが、権利関係や機密保持の確認です。法律のトラブルが起きるリスクもあるので、各制作会社のセキュリティ体制を見て、安心して依頼できる会社かどうか確認してください。

打ち合わせ(ヒアリング)

動画制作を行うにあたり、打ち合わせを行って動画のコンセプトを決めていく段階です。どんな課題を解決したいのか、動画の目的は何か、どんなターゲットに届けたいのかを決める第一ステップで、これにより動画で訴求する内容やコンセプト、動画全体の雰囲気も変わります。

なお、制作会社と打ち合わせを行い、要望のヒアリングを実施する際は、予算やサービス範囲も確認しながら進めていきましょう。ここでしっかりすり合わせを行っておかないと、後になって認識違いが発生しトラブルに発展しやすくなります。要望はなるべく具体的にまとめ、伝え漏れがないように注意してください。

企画・構成

打ち合わせの内容を踏まえて、企画や構成、コンセプトを固めます。制作会社に依頼した場合は、ここで具体的な提案を受ける形になります。その提案に納得できれば契約するという流れが多い傾向です。

動画制作の場合、提案時に絵コンテやラフなどを提示されるのが一般的です。こうしたイメージを見て疑問点や懸念点が浮かんだら、早めに確認しましょう。動画制作は手間がかかり、制作が進んでから再調整するには時間と労力がかかります。撮り直しができないケースも多く、修正費用が発生するなどのトラブルに発展しやすいのです。

また、単純な好みで企画を決めないように、市場分析・競合調査を行うことも重要です。同業他社や競合がどのような動画を作っているかなどを確認し、企画の方向性を確定させましょう。

撮影

無事契約が完了し、企画・構成も固まったら撮影に入ります。ここから本格的な動画制作がスタートします。撮影といっても、実写かアニメーション・イラストかで進め方が異なるので、それぞれ解説します。

実写の場合

1.ロケハン

動画を撮影する場所の下見です。その場所が適しているかだけでなく、撮影許可や撮影方法、進め方などの確認も行います。

2.キャスティング

動画に出演する役者やモデルなどのアサインを行います。オーディションを行うケースもあります。

3.香盤表・スケジュール作成

ロケハンの内容を踏まえ、当日のモノ・ヒトの流れを時系列に沿って記載した香盤表を作成します。これが撮影スケジュールになります。

4.撮影

準備を整え、本番撮影に臨みます。撮影時はクライアントも参加してチェックするケースが多いです。

アニメーション・イラストの場合

1.完成イメージの共有・すり合わせ

最初にどんなアニメーション・イラスト動画にするかすり合わせを行います。どんな雰囲気にするかなどを、イメージイラストを見ながら決めていきます。

2.ラフ画の作成

すり合わせを踏まえ、サンプルとなるラフ画を作成します。ここでは、ざっくりとしたイメージ図を共有する程度になります。

3.制作

ラフ画を確認して問題がなければ、そのまま制作に入ります。実際にイラストの流れを確認しながら、アニメーションにしていきます。

編集

撮影が完了したら、事前のシナリオに沿って動画を編集しブラッシュアップしていきます。具体的な編集内容を解説します。

1.映像編集

撮影した動画のカットなどの切り貼りをして、テロップや音源挿入、動きの追加や合成などを繰り返して動画のクオリティを高めていきます。

場合によってはナレーションを入れたり、細かい演出を入れ込んだりすることもあります。ここで動画のテイストや雰囲気などが決まります。

2.試写・修正

編集した動画をチェックします。基本的には、制作会社がクライアント会社に赴いて試写を行うケースが多いです。修正希望があれば具体的に提示し、それに合わせて再度修正を進めていきます。

修正の対応範囲や回数は制作会社やプランによって異なるため、随時確認しながら進めていきましょう。大幅な修正を行う場合は、別途費用が発生するケースもあります。

3.MA

最後の仕上げ作業です。専用スタジオでナレーションを挿入したり、BGMを入れたりして動画を完成させます。

納品・公開

完成した動画を納品します。ここから動画を配信するなど、ターゲットに届ける作業に入ります。動画制作はここで完了となりますが、この後に「どうやってユーザーに届けるか」が非常に重要です。