7月にリリースされるや世界規模での大ブームとなった「ポケモンGo」。
まるで実際にポケモンを捕まえているかのような感覚を再現して多くのユーザーを獲得しました。
既にピークを超えた様子ではあるものの、リリース1ヶ月で1億ダウンロード、売り上げは2億ドルを突破しており、勢いは衰えてもまだブームが終わることはないでしょう。

参考:
「ポケモンGO」リリース1カ月のDL数や売上高でギネス世界記録に - ねとらぼ

ポケモンGoの中毒性を加速させる要素の1つである「AR」機能は、今後大きな可能性を秘めていると予想されています。

近年「AR」「VR」「MR」に代表される、バーチャルと現実を融合させる技術が急速に発達しています。
既に日常の中にも溶け込み始めているこれらの技術は、マーケティングのあり方も大きく変えていくでしょう。

今回は、「AR」「VR」「MR」の違いを事例を交えながら解説します。

AR=デバイスを通して現実世界にバーチャルを投影する技術

ARは「Augmented Reality 」の略で、日本語だと「拡張現実」と訳されます。

スマートフォンやスマートグラスなどのデバイスを通して現実空間にバーチャルを投影できる技術で、「ポケモンGo」をイメージしていただければわかりやすいでしょう。

2015年9月にポケモンGoのプロモーションビデオが公開された際にも大きな話題を呼びました。

VR=バーチャル空間に没入する感覚を再現する技術

VR(Virtual Reality)は日本語では「仮想現実」と訳され「バーチャル空間に感覚を体験できる技術」を指します。
現在、VRのデバイスとして主流となっているのは、Oculus RiftやPlayStation VR、HTCに代表されるようなヘッドマウントディスプレイです。

「VR=ヘッドマウントディスプレイ」と認識しがちですが、ヘッドマウントディスプレイはVRを体験するための一手段です。
ヘッドマウントディスプレイを用いたVR体験は基本的に視覚と聴覚を使いますが、今後VR技術が発達していけば、嗅覚、触覚、味覚までも網羅されることになるかもしれません。

Oculus RiftやPlayStation VRは自宅での利用を想定して作られていますが、現状は遊園地などのアミューズメント施設での導入が先行しています。

参考:
VR体験ができるエンターテインメントパーク「Galaxy Studio」が横浜にオープン - GAME Watch

一方、HTCやPlayStationは自前のゲームプラットフォームでVR対応のゲームソフトを積極的に開発しており、注目タイトルのVRバージョンが発売されれば家庭でのVR利用が加速するでしょう。

参考:
『バイオハザード7 レジデント イービル』PSVRプレイリアクションムービーが公開 [ファミ通App]
PSVR対応予定の『ファイナルファンタジーXV』日本語版の最新ゲームプレイ動画が公開 声優に鈴木達央、柿原徹也、三宅健太、宮野真守ほか | Social VR Info – VR総合情報サイト

MR=バーチャルと現実が融合する技術

ARやVRと比較すると、「MR」は聞き慣れないという方が多いかもしれません。
MRは「Mixed Reality」の略で、「複合現実」と呼ばれる技術です。

MRの場合、ARやVRよりもさらに自然に仮想現実と現実の融合を体験できます。

MR技術で先行しているのは「Magic Leap」というアメリカに拠点を置く企業です。
既にGoogleやアリババ、ワーナー・ブラザーズなどから巨額の資金調達を実施しています。

「Magic Leap」はホログラフィックレンズのついたデバイスを装着すると、以下の映像のように現実世界に立体映像が写し出された様子をみることができます。

現実世界に仮想現実が映し出され、互いがリアルタイムに影響しあうMRを開発する「Magic Leap」はどのような技術が使われているのかは一切公開していません。
技術の詳細はほとんどわからないにもかかわらず、そのビジュアル的なインパクトにより世界各国から注目を集め続けています。

9/1追記:一部誤った表記があったため、訂正しました。誤記があり大変失礼いたしました。

まとめ

今回ご紹介した「現実と仮想現実を融合させる技術」は以前から研究されており、古典のSF作品にもたびたび登場しています。

ここ数年で一気に技術が進化し、既に生活の中に浸透し始めたこれらの技術は、エンターテイメントだけでなくプロモーションやマーケティングにも活用されています。

実際、AR技術を用いたポケモンGoを利用した集客で劇的な成果を上げる店舗も出てきています。

ポケモンGOは日本でも、飲食店の集客や町おこしに大きな集客力がある。マクドナルドもポケモンジムになることが決定

ネットショップであらゆるものが購入できる今、ユーザーに来店いただくためのきっかけ作りとしてAR・VR・MRを活用するのも1つの手です。
逆に、ネット上でのユーザー体験をより高める装置としてこれらの技術を利用することもできます。

費用とクオリティのバランスなど、まだまだ課題はあるものの、導入ハードルは下がり続けています。特にBtoCビジネスを行う企業であれば早い段階で取り入れた方が良いでしょう。