近年はデジタル技術の発展により、買い手が自らの手で商品について知り、意思決定を進めることが容易になりました。そのため、サービス紹介資料を用意することの重要性が高まっています。

そこで、サービス紹介資料を作成する上での基本的な考え方やしておくべき準備、サービス紹介資料に必要な8つの要素、効果的な作り方などについて詳しく説明します。

目次

  1. サービス紹介資料とは?
  2. 効果的なサービス紹介資料を作るための基本的な考え方
  3. サービス紹介資料を作る前にしておくべき準備
  4. サービス紹介資料に必要な8つの要素
  5. サービス紹介資料の効果的な作り方
  6. サービス紹介資料を作成してみよう
webからのリード獲得に欠かせない「サービス紹介資料」の作り方

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本書では、見込み顧客に自ら検討を進めてもらうために欠かせない、サービス紹介資料の「重要な理由・盛り込むべき8つの要素・見込み顧客への展開方法」について解説しております。

サービス紹介資料とは?

サービス紹介資料とは、見込み顧客が営業担当者の説明を介さずサービスの比較検討を進められるよう、サービスの詳細や提供価値を記述したコンテンツ、いわゆるパンフレット・カタログのことを指します。

サービス紹介資料を作成する目的は、ターゲット層への理解度を深耕し、意思決定を促すことです。顧客の多くはWebを活用して面談前に事前に資料を集め、比較検討しています。従って、顧客の課題解決につながると思わせる内容であればあるほど、サービス紹介資料の効果が高くなるでしょう。

近年ではWeb上に情報が溢れているため、営業担当が営業を行う前に顧客が十分な情報・知識を備えているケースが多く見受けられます。

Web上にサービス紹介資料を用意しておくことで、比較・検討段階にある見込み顧客に適切な情報を提供でき、商談時の意思疎通を図りやすくなります。顧客が同じ方向を向いているので、クロージングの確率が上がるのです。

営業資料との違い

営業資料は、導入するサービスを1つに絞り、意思決定の後押しをする見込み顧客のために作られます。相手の課題・企業規模・予算などによって、提案メニューや紹介する事例などをカスタマイズするのが特徴です。

それに対してサービス紹介資料は、営業資料の一歩手前であるサービスの候補を洗い出し、比較・検討段階にある見込み顧客のために作られた資料です。顧客が比較検討に必要とする情報を網羅的に・簡潔にまとめる文章力・表現力が求められます。

効果的なサービス紹介資料を作るための基本的な考え方

続いて、サービス紹介資料を作成する際の基本となる考え方を解説します。

営業担当との接触前から意思決定は始まっている

見込み顧客に対して十分な情報を提供できなければ、商品やサービスを検討する選択肢にすら入りません。サービス紹介資料は見込み顧客への比較・検討材料を提供し、差別化のポイントなどを訴求できます。

顧客は課題解決に向けた情報を常に収集している

顧客は課題解決に向けた情報を収集していることを、常に念頭に置いておきましょう。BtoB向けの商品の情報源として、多くのクライアントはカタログやパンフレットを活用しています。つまり、サービス紹介資料による適切な情報提供が、担当者の意思決定に影響を及ぼすということです。

今までは商談時に初めて見せていた情報を、それより前の段階からサービス紹介資料としてオープンにし、見込み顧客がアクセスできるようにしておけばリード獲得が見込めます。

基礎からわかる BtoBマーケティング実践ガイド【2024年最新版】

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サービス紹介資料を作る前にしておくべき準備

ここでは、サービス紹介資料を作る前にしておくべき準備について解説します。

ターゲットを明確にする

まずは、ターゲットを明確にしましょう。ターゲットを明確にすることで、見込み顧客が置かれている状況抱えている課題に合った、魅力的な資料を作成できます。

例えば、BtoBサービスの紹介資料を作る際は、以下のような項目をもとにターゲットを決めるとよいでしょう。

  • 業種
  • 企業規模
  • 抱えている課題
  • 意思決定者や担当者の属性(年齢、部署、役職など)

上記の項目は、自社が保有している顧客情報などをもとに検討するのがおすすめです。

伝えたいことを明確にする

サービス紹介資料を作成する前には、伝えたいことを明確にしておきましょう。伝えたいことを明確にすることで、冗長な情報を省きつつ、必要な情報を簡潔にまとめられます。

競合他社との差別化を図りつつ自社サービスに興味を持ってもらうには、具体的なサービス内容や特徴、自社サービスならではの強みなどをアピールするのがよいでしょう。

また、「問い合わせをして欲しい」「お試し版を使ってみて欲しい」など、見込み顧客にしてもらいたい具体的なアクションを伝えるのも効果的です。

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サービス紹介資料に必要な8つの要素

サービス紹介資料には、以下8つの要素が必要です。

  1. 表紙と目次
  2. サービスの概要説明
  3. 機能・サービスの詳細
  4. 事例
  5. 料金・プラン
  6. よくある質問と回答
  7. 会社概要
  8. CTA(Call to Action)

それぞれ詳しく解説していきます。

表紙と目次

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表紙には多くの情報を盛り込まず、できるだけシンプルな構成にしましょう。最初に目にする部分の情報量が多すぎると、読む前に気持ちが下がってしまいます。

表紙には「サービス紹介資料であること」と「どんなサービスなのか」を端的に表したコピーを記述します。加えて、サービスや会社を連想できるイメージ・ロゴがあれば、載せる程度で留めておきましょう。

また、トップには目次も必要です。電子データの場合は、各目次をクリックするとそのページにジャンプできるように、リンクを埋め込んでおくとより読みやすくなります。

サービスの概要説明

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いきなりサービスの詳細を羅列するのではなく、まずは概要を説明します。ツールや有形商材であれば、搭載されている機能をイラストを用いて一覧で紹介すると、読み手の理解を進められます。

コンサルティングなどの無形商材であれば、具体的にどのようなアドバイス・施策実行を行うかを箇条書きでまとめましょう。

また、自社の商品をおすすめする理由について述べる際は、少子高齢化やテレワークの加速といった社会情勢を踏まえた背景を記述してみるのも1つの方法です。サービスの必要性を自分ごととして感じてもらえると、自ずと興味を高められます。

機能・サービスの詳細

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機能・サービスの詳しい特徴を、イラスト・写真・表などを用いて分かりやすく説明しましょう。その際「〜することができる」といった顧客が得られるメリットを中心に記載する場合もあれば、「〜という技術が使われている」といったプロダクトの詳細を中心に記載する場合もあります。

多機能な商品の場合、機能とメリットの対応関係を示すと商品の良さが伝わりやすくなります。また、コンサルティングを伴うサービスであれば、その専門領域の有資格者がどれだけいるか記載するのもよいでしょう。

さらに、ソフトウェアであれば外部ツールとの連携・対応ブラウザ・対応デバイスなども記載しておくと親切です。

事例

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商品のアピール材料として、実際に商品やサービスを使用している会社の「事例」も欠かせません。事例を記載することで「この商品を買う必要があるのか?」「この会社から商品を買うべきか?」の両方の疑問を解消できます。

特に有名企業の実績は意思決定の後押しになりやすいので、もし実績がある場合は積極的に記載しましょう。

さらに、特定会社の導入後の成果・プロセスを記述すれば「この商品を買う必要があるのか?」への答えとなります。

また「この会社から商品を買うべきか?」という疑問の解決方法は、掲載されたメディア・導入企業のロゴをまとめて掲載するとよいでしょう。サービスとしての実績を示せば、確かな実力の裏付けとして機能します。

料金・プラン

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料金・プランは、サービス紹介資料では出し惜しみをせず、Webサイト以上に詳細を記載するようにしましょう。「何をすれば、どれだけ料金が発生するか」が分かるようになっていることが理想です。

提案するプランのカスタマイズができ受注単価が変わる場合は、まず需要が高い組み合わせを例とした「参考価格」を掲載するのがおすすめです。

複数のプランがある場合は、比較しやすいようプランごとにできること・できないことの違いを明記した表を作成するとよいでしょう。

また、クラウドツールを使用する場合は、決済手段が明記してあると親切です。加えて、価格表記の税込・税抜も分かるようにしておきましょう。

よくある質問と回答

提供するサービスのアピールポイントと弱点部分を、「よくある質問と回答」で提示します。そうすることで、包み隠さず情報を教えてくれる会社であると、ターゲットからの信頼を高めることができます。

よくある質問と回答をどのような内容にするかは、見込み顧客の生の声を知る営業担当に聞いてみましょう。

また、ここまでの項目で紹介しきれなかったサービスの魅力を、質問回答のなかで補うという使い方もおすすめです。商品でできないことや弱みに関しては、ネガティブな印象にならないような表現の工夫が必要になります。

会社概要

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商品を提供している会社の情報を、見込み顧客は意外と見ているものです。

商品自体に魅力を持ってもらえるか否かと、「本当にこの会社に発注してよいのか」は別の話であり、資本力・ミッションなどをもとに検討する慎重な担当者・決裁者も少なくありません。企業としての信頼を得るために載せておきたい会社情報は、以下の通りです。

・商号
・代表者名
・事業内容
・資本金
・従業員数
・設立年
・企業のミッション
・拠点
・所属する業界団体
・コーポレートサイトのURL
・会社のイメージを表す写真

CTA(Call to Action)

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サービスに興味を持ってもらえた方に、次のアクションを促しましょう。CTAの代表例は「お問い合わせ」のためのページ電話番号です。これ以外にも複数の選択肢を提示することで、見込みのあるユーザーのアクションを漏れなくCVにつなげられます。

誘導先には、サービスサイトのトップページブログなどが当たります。また事業によっては、自動見積もりや無料体験、セミナー (ウェビナー)なども有効なCTAとなり得るので、検討してみてください。

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サービス紹介資料の効果的な作り方

ここでは、効果的なサービス紹介資料を作るために注意すべき点を8つ紹介します。資料を作る際は、これらのポイントを押さえられているかをチェックしながら作成しましょう。

1スライド1メッセージを心掛ける

サービス紹介資料を作る際は、1スライド1メッセージを意識しましょう。

1枚のスライドに多くの情報を詰め込むと、読み手は情報を理解することが難しくなり、サービスの魅力が十分に伝わらなくなる可能性があります。

例えば、1つのページに「価格が安いこと」と「アフターサービスが充実していること」を記載するのではなく、それぞれ個別ページを用意して説明するようにしましょう。

具体的な数字を入れる

サービス紹介資料に実例や効果などを盛り込む場合は、具体的な数字を入れて記載しましょう。数字を入れることで、情報に具体性や説得力を持たせられます。

例えば、事例を紹介する際は「当社サービスにより売上がアップしました」だけでは抽象的になってしまうため、「導入によって売上が20%アップしました」などの表現にしましょう。

また数字を使う際は、部分的にフォントのサイズを上げることで、読み手に対して瞬時にインパクトを与えられます。

フォントはメイリオを使用する

サービス紹介資料内のフォントは、基本的にメイリオを使用しましょう。

メイリオは可読性が高いとされているため、使用することで資料の理解度が上がり、情報伝達の効果が高まることが期待できます。

メイリオを使用する場合は、フォントサイズは18pt〜24pt以上とし、強調したい情報には太字を使って目立たせるなどの工夫をしましょう。

配置を左揃えにする

サービス紹介資料を記載する際は、テキストなどの配置を左揃えにすることも重要です。

なぜなら、人の視線は画面の左上から右下に向かって進むからです。目線の動きを意識した資料作りをすることで、情報がより伝わりやすくなります。

なお、要素を中央揃えにしてしまうと文章の改行位置が統一されず読みにくくなるため注意しましょう。

イラストやグラフを入れる

サービス紹介資料には、テキストだけでなくイラストやグラフも入れましょう。テキストの量が多いと、読み手はすべての文字を読まないと内容を理解できないため、負担をかけてしまいます。

視覚情報は文字よりも情報が伝わりやすいため、比較データの表プロセスフローを表した図なども活用しながら、サービスの魅力をひと目で理解してもらえるような資料にしましょう。

使う色を絞る

サービス紹介の資料内で使う色は、多くなりすぎないようにしましょう。色が多すぎると、視点が散ってしまいどこに注目したらいいのか分かりにくくなってしまいます。

一般的には、全体で4色以内に収め、1枚のスライドでは2色にするのがよいとされています。そのため、配色を決める際は以下の4つで構成しましょう。

  • メインカラー
  • サブカラー
  • 背景色
  • 強調色

余白をとる

サービス紹介資料を作る際は、全体のバランスを見ながら余白をとることも重要です。余白のない資料は圧迫感があり、分かりにくい印象を与えてしまいます。

そのため、スライドいっぱいにテキストや写真などを詰めるのではなく、スライドの端にはテキスト2〜3文字分の余白を空けましょう。

また、余白はスライドのページごとに個別で設定するのではなく、ページに対して共通で同じ余白を持たせるのがおすすめです。

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サービス紹介資料を作成してみよう

サービス紹介資料は、自社の商品・サービスの特徴狙うべきターゲットの特徴に合わせて作成すると効果的です。

以下の資料では、サービス紹介資料をどう活用するか、どこに設置することで効果が見込めるかなどの展開方法を詳しく紹介しています。

この資料を参考にしつつサービス紹介資料を活かした戦略を考えることで、より成果を見込める資料が作成できます。ぜひ、こちらも活用してみてください。

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