あらゆるチャネルであらゆるものが購入できるようになった現代、新商品を訴求するのは容易ではありません。
新商品を販売する際、どのような戦略を組み立てればよいのでしょうか。

今回は、商品を販売する際に知っておくべき「プロダクト・ライフサイクル」をご紹介します。
有名人が紹介したことでヒットしたなどの特殊な例を除き「プロダクト・ライフサイクル」という4つの段階を経て、商品は市場に浸透していきます。

4つの段階で検討すべきことや重要なポイントを知っておくだけで、各段階に適した戦略を実行することができます。
Web・実店舗を問わず、商品を販売している方はぜひ読んでおくことをオススメします。

プロダクト・ライフサイクルとは

プロダクト・ライフサイクルとは、ある商品が市場で販売され始めてから市場から姿を消すまでの一連のプロセスを指します。
商品の市場での寿命を人間のような生き物の一生に例えて「ライフサイクル」という表現が使用されるようになりました。

プロダクト・ライフサイクルには、大きく以下の4つの段階があります。
プロダクトライフサイクルの図.png

・導入期
・成長期
・成熟期
・衰退期

「成長期」を前記・後期に分けたり、成熟期と衰退期の間に「飽和期」を加える場合もありますが、まずはここでご紹介する4つの段階を確実に押さえておきましょう。

導入期

「導入機」とは、新しい商品を市場で売り出した直後の時期です。
この時期に行うべき施策は、なによりも「商品の認知度を高めること」「流通チャネルを開拓すること」の2点です。

製品の企画段階で、どのようなユーザー層に向けて販売していきたいのかはすでに検討しているはずですので、そのユーザー層に一番効率よく認知されやすい方法を検討します。

例えば、10代〜20代の女性に向けて新しいネイルポリッシュを販売するのであれば、インスタグラムやTwitterなどのSNSを活用したり、雑誌などで広告を出すなどが考えられます。

ここでうまく商品を市場に浸透させることができれば、この後の成長期を順調に迎えることができます。
しかし、多くの製品が導入期にうまく商品を市場に浸透させることができずに販売を中止せざるを得ないケースも多々あります。

成長期

成長期は、導入期で高めた認知度を活用して投資を回収し、利益を創出していく時期です。
この時期には、よい商品であればあるほど、競合他社も類似商品の販売を始めます。
ここで重要となるのは、市場の成長スピードや市場における自社のポジショニングを正確に把握することです。

効果的な市場における自社のポジショニングの検討方法

成長期に重要となる、市場での自社のポジショニングを把握する方法についてご紹介します。

市場調査のプロセスは、大きく分けて4つあります。

1.調査目的を明確にする

まずは、調査を行う目的を明確にしておきましょう。
なぜ市場調査を行うのか、導入期の販売実績から見えた問題点やよかった点は何かなどを洗い出してポイントとなる問題点を見つけます。
これを行うことで、この後の調査計画を立てたり情報収集を行って分析をする際に迷走することを防ぐことができます。

2.調査計画を立てる

続いて、調査計画を立てます。
どれくらいの期間調査を行うのか、どのようなユーザー層を対象に調査を行うのか、どのような方法で調査するのかなど、情報収集を行う際に肝となる部分です。
計画があやふやなまま調査を開始してしまうと、いつまでたっても調査が終わらない、情報収集をしたもののあまり意味なかった、など後々行き詰まってしまいます。

3.情報収集

調査計画を立てたら、情報収集を行いましょう。
情報収集の方法は多々あり、販売している商品やターゲットユーザー層などによっても異なります。
ferret内の以下の2つの記事で、効果的に市場調査を行うための手法やサービスをご紹介していますので、参考にしつつ自社に適した方法を選択しましょう。

ユーザーの声を聞こう!市場調査を効果的に行う手法5選|ferret
マーケティングに必須!統計データ・市場調査データを提供するサービス10選|ferret

4.情報の分析

調査計画に従って情報収集を行ったら、その情報をもとに分析を行います。
分析を行う際は、調査の最初で設定した「なにを分析したいのか」という調査目的を念頭に行うことを心がけてください。
やみくもにデータやアンケート結果などを並べても、あまり意味をなさないデータの集まりになってしまいます。

データの読み方にはさまざまな手法があり、データの種類や調査目的などによっても変わりますが、複数のデータをかけ合わせて集計を行う「クロス集計」がオススメです。
クロス集計の方法については、ferret内の以下のページでご紹介しています。
データを有効活用するために使える「クロス集計」を理解しよう|ferret

分析が終了したら、市場における自社のポジショニングがどこに当たるのかを決定します。
1980年に経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱した「競争地位戦略」や、特にインターネット上で考慮される「イノベーター理論」、自社の強みや弱みなどから戦略の方向性を検討する「SWOT分析」などに当てはめて、自社が目指すべき方向を検討しましょう。
これらの戦略についても、ferret内の以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

考えを整理するならこれ!SWOT分析をマスターしよう!|ferret