サイバーエージェントが2016年に行った調査によると、動画広告市場は前年対比157%の842億円まで拡大し、広告業界の中でも無視できない存在になっています。

その中でも、ネット動画の視聴前後に挿入されるインストリーム広告シェアは52%に達し、動画広告を牽引する存在と言えるでしょう。
インストリーム広告の代表例は、YouTubeのような動画配信サービスであり、国内でも多くのサービスが提供されています。

今回は、動画広告の種類と、国内で展開している7つの無料ネット動画配信サービスをご紹介します。
動画広告の市場は、2022年には2,918億円に達するという予測もあり、今後も注目される分野です。マーケティング担当者として、自社で活用できるものはないか検討してみるのもいいでしょう。

参考:
サイバーエージェント、国内動画広告の市場調査を実施
  

動画広告の種類

動画広告には、表示される媒体と表示される形式によって種類がわかれています。
今回は、2つの区分と区分内の代表的な広告の種類についてご紹介します。
  

1. インストリーム

インストリームとは動画コンテンツの中に挿入される広告形式です。
代表的なものとして、YouTubeで動画を視聴する前に挿入される*「プレロール」が挙げられます。ほかにも、動画の後に挿入される「ポストロール」や動画の最中に挿入される「ミッドロール」*という種類があります。

プレロール広告には、「スキッパブルプレロール」と呼ばれるスキップ可能なものと、スキップができない強制視聴型のものが存在します。
  

2. アウトストリーム広告

アウトストリームとはWebメディアの広告枠に出稿される広告形式です。
例えるなら、インストリーム広告はテレビ番組の最中に挟まれるCMのようなものであり、アウトストリームは雑誌の中の広告枠が動画として動くようなものです。

ユーザーにとって、動画を見ている中で広告に触れるか、ほかのコンテンツを見ている中で広告に触れるかが異なるので注意しましょう。

アウトストリーム広告で代表的なものとしては、ホームページバナーとして表示される*「インバナー広告Twitter・Facebookのフィードに表示される「インフィード広告」*が挙げられます。
  

動画広告のメリット/デメリット

では、このような動画広告を運用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
  

メリット

動画を用いた広告としては、民間放送のテレビ番組で用いられるコマーシャルが長らく定着してきました。
コマーシャルや動画広告のような動画コンテンツそのもののメリットと動画広告のメリットの2つにわけて説明します。

【動画そのもののメリット】
・ 情報量が多い。
・ ブランドの成り立ちや成功事例を紹介するストーリーを表現できる。

動画は静止画での広告と異なり、音声・動き・音楽と複数の要素で構成されています。
そのため、映画のようなストーリー性のある広告も作成することができます。

 【動画広告のメリット】
・ 動画視聴に応じて課金されることが多いため、無駄に経費をかけなくて済む。

ネットでの動画広告広告枠自体に広告費を支払うコマーシャルとは異なり、ユーザーが動画広告を全て見終えることで料金が発生する支払い形式が提供されています。

テレビの視聴率によっては費用の割に見る人が少なくなってしまうコマーシャルよりも、費用に見合った成果を得られやすいことが特徴と言えるでしょう。
  

デメリット

・ 広告費だけでなく、動画制作費もかかる。

動画広告にはデメリットも存在します。

コマーシャルと同様に、自分の見たいものの間に挿入される以上、ユーザーからは嫌がられてしまう可能性があります。
また、広告費だけでなく、動画制作費がかかることにも注意しましょう。

参考:
動画広告の種類と活用方法 ~初めての動画広告から学んだ成功のポイント~
動画広告講座その1ーー動画広告の種類とフォーマット、正しく分類できますか?