本事例のポイント

・顧客目線で徹底的にサービスや商品を考える。
・商品やサービスが顧客との関係づくりの第一歩。
・コンセプトシートなどWebマーケティングの手法で使えるものは徹底的に使う。

Webマーケティング=顧客との関係づくりをすすめれば、本当に売れます。それは、まぎれもない事実です。しかし、その具体的な事例をお見せできなければ、疑問に思う人もいらっしゃると思います。

ホームページ開設とその後の運用で、それぞれ売上をあげた事例をご紹介します。

まず本記事では、ホームページを立ち上げるときの注意点や考え方についてご紹介します。しかし、これらで実践は決して難しいことではなく、基本を徹底するだけです。

まずはその本質的なところを感じてもらいたいと思います。

事例:スマホ通販サイトphocase.jp

事例リンクiPhone/Androidスマホケース通販|phocase(フォケース)

月間アクセス数:1,257,933PV
月間ユニークユーザー数:149,370UU
(2014年7月実績)

私たち株式会社ベーシック(以下ベーシック)が、立ち上げましたスマホケース通販サイト「phocase」は、女性向けのおしゃれなスマホケースを制作・販売しています。豊富なラインナップでデザイン性に優れたケースとユニークなビジネスモデルで、おかげさまで年々売上を伸ばしています。

しかし、ベーシックはもともとメディア企業としてはじまり、物販は未経験でした。しかし、現在では女性向け雑誌hanakoでも取り上げられるほどのブランドにもなりました。

欲しいスマホケースが無い >< !!!

ベーシックは、若い世代が多く働くベンチャー企業です。なかでも、女性の社員やスタッフの数は多く、明るい声がたえないおしゃれな雰囲気の会社です。ある日、その女性スタッフの一人の、何気ない会話がホームページの立ち上げのきっかけとなります。

「欲しいスマホケースが無い!」

今や若い世代の多くはスマホを持っていますが、当時、それを「オシャレに着飾る」ほどのアイテムは皆無だったのです。販売シェアを誇っていたiPhoneこそ、そこそこのデザインがそろっていましたが、Androidとなりますとほとんど無かったのです。

しかし、その叫んだ女性はAndroidユーザーでした。今でこそAndroidも一般的になりましたが、当時はまだ普及しておらず、関連アイテムもごく限られたものしかなかったのです。

上図は、phocaseが手がけたデザインスマホケース。当時Android向けに、ここまでデザインされたスマホケースは販売されていませんでした。

誰に何をどう売りたいのかを徹底的に考る

ユーザー目線で徹底的に議論する

調べますと、当時、スマホアクセサリー市場は約700億円(内半数がケース)でした。そして、まずターゲットとして考えましたのは、Androidを持った20〜30代前半Docomoユーザーでファッションに敏感な人たちとしました。

しかし、そこで問題が浮かび上がりました。たしかに、ファッションに敏感な人達にひびくデザインは数え切れない!ということです。品揃えが圧倒的になければ、そもそも見てもらえないのではないか、と考えたのです。迷ってもらえるだけのデザインを用意したい、それを実現するにはどうしたらいいかを徹底的に考えました。

そこで、当時話題となっていましたオンデマンド制作のケース製造のシステムを、導入することにしました。これはリスクを伴うことですが、ユーザー目線で考えた時にそれが最適と考えた結果です。しかし、極力コストダウンする方法を考え、ホームページ立ち上げ当初は最小限の仕組みで行こうとは考えました。

競合相手を徹底的に調べる

ユーザーならどう探すのか、まずそこから考えました。

実際に検索してみますと、販売サイトは多数見つかったのですが、そのほとんどがApple製品向けでした。また、たんに女性向けの一覧ページリンクを張っただけの広告もあり、そもそも女性向けのスマホケースを見つけることさえ難しいとわかりました。

また、実店舗でもAndroid向けのケースはほとんど無く、あっても機種が限られていました。

なぜ、そういう現状なのかを議論しました。そこで辿り着いた仮説が「スマホの単なる付属商品として売られている」のではないか、という仮説です。ならば、その仮説を検証すべく、私たちはそもそも「ケースストア」としてスマホケースを売ってみようと考え、現在の「デザインケースストア」というコンセプトがここででき上がりました。