さまざなまUI

さきほどはバイクやコンピューター、ホームページにおけるUIについて解説していきました。
しかし実際には、さまざまな形のUIが存在します。
ここでは、VUIを従来型のUIと比較するために、CUI・GUI・VUIを順に見ていくことにしましょう。

CUI (キャラクターユーザーインターフェイス)

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コマンドプロンプトやターミナルのように、キーボードに入力されるコマンド(命令)によってOS上の操作を行うUIのことを、CUI(キャラクターユーザーインターフェイス)と呼びます。
マウスや音声はなく、すべての入出力をキーボードで行う点が特徴です。

コンピューターは、ユーザーの入力から処理の過程や結果を出力し、再び入力可能な状態になると改行して行頭にプロンプトを表示します。
この繰り返しで対話式に作業を進めていくのがCUIです。

GUI (グラフィカルユーザーインターフェイス)

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コンピューターの画面に現れるグラフィックスと、マウスポインタのようなポインティングデバイスを使って、直感的に操作することができるインターフェイスがGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)です。

GUIでは、コンピューター上の画面に、ウィンドウやアイコン、ボタンといったグラフィックスが表示され、ユーザーはそれらの中から目的の動作を表すグラフィックスをマウスなどのポインティングデバイスで選択し、指示を与えていきます。

GUIにおいては、作業はウィンドウ単位に分割され、複数の作業を同時並行的に処理することができます。
最も多い方式は、Windows95以降で採用されているように、タスクバーと呼ばれる棒状の領域をデスクトップ上に用意して、ここに各ウィンドウのアイコンやタイトルを並べていく方法です。
また、CUIのようにキーボード操作ができることに加え、キーボードショートカットといった、機能性を向上させるようなものもあります。

そして、スマートフォンやタブレットの登場によって、ポインティングデバイスのないタッチパネル式GUIが登場したことも忘れてはなりません。
タッチパネルに表示されたボタンやアイコンに、直接ペンや指で触れることによって、各種操作を行うことができます。
ATMやコンビニで設置されているチケット発行端末もタッチパネル式のGUIを採用していますね。
これにより、ポインティングデバイスを目で追うことなく、さらに直感的に機械操作を行うことが可能になりました。

VUI (ボイスユーザーインターフェイス)

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そして、次世代のUIパラダイムとして近年再び着目されているのが、音を通じて機械操作を行う、VUI(ボイスユーザーインターフェイス)です。
SiriやAlexaのようなAI(人工知能)系システムだけでなく、TwillioやWebXMLのようなコマンド型システムでも採用されています。

面白いことに、GUIでは主に視覚情報を使って「図形的な」やりとりを行なっていましたが、VUIはCUIと同じように*「対話的な(ナラティブな)」やりとり*を目指していて、その点では「回顧的」だということができます。
CUIはコマンドラインを打ち込んで命令をしていますが、打ち込む文字が喋り言葉に置き換わっただけで、本質的にはCUIとVUIは変わらない、という考え方です。

VUIでは、ポケット型のデバイスや据え置き型のデバイスに可能性を与えてくれます。

例えば、スマートフォンを、コンピューターを小型化してマウスやキーボードなどのインターフェイスを取り除いたタッチパネル式デバイスと定義することもできるでしょう。
現在、このような端末は、ユーザー入力用の小さなボタンや小型のタッチパネルに依存しています。
しかし、もし音声だけで正確に入出力ができるのであれば、さらにコンパクトになり、持ち運びがもっと楽になる可能性を秘めています。

一方で、AmazonのEchoやLGのAmazon Alexaを搭載した冷蔵庫のようにIoTデバイスに溶け込めば、「身につけている」「システムを操作している」という感覚すらなしにあらゆる情報を操作することができます。
電子レンジからコピー機、湯沸かし器まで、あらゆるものから操作ボタンがなくなってしまうのも時間の問題かもしれません。