知っておこう!ドロップシッピングのメリット/デメリット

この方式のメリットは何でしょう。
ユーザーと運営、それぞれの立場から考えてみましょう。
  

1. ユーザーから見た場合

自分の考えたデザインを投稿・公開しているユーザー(以下、デザイナー)にとっては、まず、材料や製品の在庫管理を一切考えずに済むのが大きなメリットです。

今までも、少量生産のオリジナルTシャツを販売する場は存在していましたが、最低限の数量は製造して在庫していなければなりませんでした。当然、売れなければ単なる負債になってしまいます。しかし、このサイトでは注文の都度に工場で製造、出荷まで肩代わりしてくれる仕組みになっているので、その負担は限りなくゼロになっています。また、取引の決済も全て代行されるので、デザイナーは商品の開発だけに専念できます。
  

2. 運営サイト側から見た場合

商品企画(この場合はTシャツのデザインやブランディング)は登録デザイナーが自主的に行うため、その分野のコストは基本的に掛かりません。また、商品の宣伝はデザイナー自らSNSやブログなどのメディアで行うため、こちらも最低限度に収める事ができます。
※ここに関しては、後ほど別途詳しくご説明します

また、商品在庫の管理も、印刷加工前の半完成品状態で確保しておけば良いので、完成品状態の在庫に比べて臨機応変に対応する事が可能です。
  

3. ユーザーならびに運営サイト側の共通したメリット

こちらのサイトに限らず、ドロップシッピング型サイトの多くは「お気に入り」登録やコメント投稿などのSNS的な機能と、ほかのSNS(Twitter、Facebook、インスタグラム等)との連携機能を持っています。

デザイナーが登録した商品はデザイナー自らが簡単な操作で自身のSNSアカウントに投稿する事ができますから、スマートフォンなどで出先からでも広報活動が可能です。また、商品にはデザインのテーマや雰囲気を示す「タグ」を付加する事ができる為、「クール」「猫」「かわいい」などのキーワードで検索するのも容易です。

購入した会員には、商品を撮影した画像を投稿するとサイト内で利用できるポイントが付与される仕組みがあります。投稿された画像は、その商品のページに掲載されるので、商品の印象をより華やかにする効果があります。購入のみの会員でも、商品の広報活動に加担する事ができるため、幾ばくかの体験共有の効果もある訳です。

ちなみに、SNSとの連携にはもう一つの効用があります。冒頭にご紹介したイチロー選手の事例では、元の写真を撮影・公開したのは新聞等の報道機関ですが、Tシャツのデザインに言及して情報を拡散したのはSNSのユーザーです。最近の報道各社もSNSでトレンドになった事例については敏感になっていますから、それを逆輸入の形で記事化、さらにその記事がSNSで拡散されるサイクルが生まれています。
  
参照:
イチロー 黄色の地に「肉の日」Tシャツで球場入り、2日連続の肉関連|出典:スポニチアネックス2017年2月23日配信
  

そのほかトレンド入りした事例

TVドラマやバラエティ番組などで出演俳優・タレントが身に着ける服は、一般的には担当スタイリストが用意しています。

今まではデザイナーズブランド等の商品が採用されていましたが、Tシャツやアクセサリについては個人ブランド(もしくはそれに近い小規模ブランド)の商品が採用される場面が増えてきました。Tシャツについては特に顕著になっています。今やTシャツの図柄はある種のメディアの側面を備えていて、着用する本人のキャラクターや、今の気分を象徴するメッセージを発する場としても捉えられています。タレント本人、あるいは役柄の人物の性格や置かれている立場を示すメッセージをTシャツの図柄で代弁させる手法は、カジュアルファッションの分野では既に定番です。

そのようなニーズに対して、このようなドロップシッピング型のマーケットは非常に親和性の高いものとなっています。

スタイリストやタレントにとっては、従来のように店舗や通販カタログなどで探すよりも、先述の「タグ」で検索すれば効率も良いですし、本来の目的とは違う別の関連商品を見つける事も期待できます。イチロー選手の事例以外にも、TVドラマ「重版出来!」(TBS系)や「視覚探偵 日暮旅人」(日本テレビ系)などのタイアップの実績もあり、放映時にはTwitterを中心に話題になっていました。
  

イチロー選手のTシャツ以外の代表的な事例

・ メディア紹介Tシャツ特集
・ メディア情報|TBS様ドラマ「重版出来!」の第10話にて荒川良々さんにTシャツを着用していただきました!
  

もちろん、ポジティブな話題だけではありません。気軽に投稿できる反面、著作権や人権侵害の事案が発生する可能性もあります。

「Tシャツトリニティ」の場合はデザイン画像が投稿されると簡易的な承認プロセスを経て登録されますが、サービス利用に関するヘルプを読む限りは飽くまで簡易的なチェックであり、運営側で侵害する恐れのないレベルのチェックを保証するものではありません。また利用規約にも、トラブルが発生した場合は運営は関知しない旨が宣言されています。

原則としては、権利関係の管理やトラブルへの対応はデザイナーに任されている事になっているので、運営には法的に責務は無いとされていますが、サイトのイメージを棄損しないように商品を管理する工夫はある程度怠らずにおく必要があるかもしれません。