店舗にWi-Fiスポットは設置するべき?公衆無線LANサービスの国内利用状況と導入するメリット・デメリットを解説
近年、街中でも見かけることの多くなったWi-Fiスポット。公衆無線LANサービスの利用者数は2013年から毎年600~700万人程度伸び続け、2016年には4,309万人もの人に利用されています。
2020年の東京オリンピックに向け、行政でも訪日観光客を見込んだ「公衆無線LAN環境整備支援事業」を行うなど国全体で普及に取り組んでいるサービスでもあります。
カフェや美容院など、個人を対象に展開している店舗にとっては*「Wi-Fiスポットを設置してみようかな」*と考えている方もいるかもしれません。
今回は、公衆無線LANサービスの利用状況と導入するメリット・デメリットを解説します。
サービスの比較検討を行う前に、まずはサービスの概要をしっかりと掴んで、店舗で実施するメリットがあるのかを見極めましょう。
無線LAN(Wi-Fi)とは
ノートパソコンやスマートフォン、タブレット機器などから無線でインターネットにつなげる接続方法を「Wi-Fi」または「無線LAN」と呼び、なかでも、カフェなどの飲食店や公共施設などで多くの人が接続できるよう公開されているものを*「公衆無線LAN」*と呼びます。
料金や利用できる期間はサービスによって異なり、なかには完全無料で利用できるものもあります。
参考:
[公衆無線LANの基礎知識|サービス一覧からセキュリティの5原則まで]
(https://japan.norton.com/public-wireless-lan-7640)
公衆無線LANサービスの利用状況
株式会社ICT総研による「2016年 公衆無線LANサービス利用者動向調査」によると、日本国内の2016年公衆無線LANの利用者数は4,309万人にものぼります。
2013年以降毎年600~700万人程度ずつ利用数を伸ばしており、その背景にはスマートフォンの普及に合わせて屋外でも手軽にインターネットに接続できるWi-Fiサービスが重宝されていることが挙げられるでしょう。
また、国内個人利用2,914万人及びビジネス利用371万人に対して、訪日観光客の利用者数は1,024万人となっており、インバウンドの需要も目立ちます。
このようなインバウンド需要に合わせて、総務省では公衆無線LAN環境整備支援事業を行っており、国内でのWi-Fiスポットの普及に努めています。
公衆無線LANサービスは利用者数が拡大しているだけでなく、国全体で普及に取り組んでいるサービスでもあります。
2020年に東京オリンピックを控えている中、インバウンド需要を取り込みたい事業者にとっても見逃せないサービスでしょう。
参考:
2016年 公衆無線LANサービス利用者動向調査
公衆無線LANの整備の促進
公衆無線LANサービスを導入するメリット
では、 自分の店舗に公衆無線LANサービスを導入し、Wi-Fiスポット化するのはどういったメリットがあるのでしょうか。
マーケティングにおけるメリットを2つご紹介します。
1.新規顧客の呼び込み・リピート客の醸成が行える
無料で公衆無線LANを提供する場合、*「無料でインターネットを利用できる」*というメリットを顧客に提供できます。
例えば喫茶店のような顧客が長い時間を過ごす施設では、店内でパソコンやスマートフォンを長時間利用する顧客もいるでしょう。
そういった顧客にとってインターネットへ繋ぎやすい環境は、それだけで店を利用する理由となります。顧客によってはインターネット利用のためにリピーターとして再度、店を訪れることもあるでしょう。
一方では、インターネットを利用しやすい環境にすることで施設の利用時間が伸びてしま可能性もあります。
2.サービスによっては指定ページへの誘導が可能
契約するサービスによっては、顧客がWi-Fiを利用するのに合わせて特定のホームページを表示することができます。
URLの指定もできるので会員サービスの案内や期間限定メニューのページなど、店内の顧客にアピールを行いたいページへ誘導できるでしょう。
参考:
公衆無線LAN・Wi-Fiスポットサービス|アクティブネットジャパン株式会社*(2020年8月20日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*
店舗・施設への導入メリット|エヌ・ティ・ティ・メディアサプライ株式会社
導入メリット|Wi-Fiスクエア
公衆無線LANサービスを導入する際のデメリット
公衆無線LANを導入する際にはメリットだけでなく、デメリットも認識しておきましょう。
1.セキュリティのリスクがある
公衆無線LANは顧客にとって「無料でインターネットを自由に使える」というメリットがありますが、一方ではセキュリティ上の懸念も指摘されています。
モバイル端末とWi-Fiスポットの間は、電波で通信が行われています。
そのため、電波の届く範囲にいる人から情報を盗まれたり、不正アクセスが行われたりといったリスクが存在します。
セキュリティ上の問題は利用者自身が認識すべきリスクでもありますが、事業者側にも責任が求められる場合があるでしょう。
実際に総務省が行った意識調査によると、無料の公衆無線LANサービスであってもセキュリティ対策の主体者は「提供者」または「どちらからといえば提供者」であると答えたユーザー(※)は、全体の35%を占めています。
※普段から公衆無線LANを利用しているユーザー
引用:公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果 41P
実際に導入にあたっては不正アクセスなどのトラブルが発生した際に備えて、責任の所在をはっきりと案内しておく必要があるでしょう。
参考:
[公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果]
(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000091.html)
2.利用状況によっては回線が不安定になる可能性もある
無線LANは接続端末が増加すると回線が不安定になり、つながりにくくなる可能性もあります。つながりづらい環境が続くと、顧客から「Wi-Fiが利用できると思ったのに、全然使えない」とクレームが発生しかねません。
運営する店舗の利用者数に合わせた規模のサービスを契約し、回線が繋がらないというトラブルが発生しないようにしましょう。
まとめ
公衆無線LANサービスは2016年には国内利用者数が4,300万人を越え、今後も毎年600~700万人程度の増加が見込まれています。
カフェやコンビニ、交通機関などの施設でも、公衆無線LANに接続できるWi-Fiスポットを設置する企業は増えています。こういったWi-Fiスポットを導入するメリットとしては「無料で通信ができる」という価値を顧客に提供することで新規顧客を引き寄せたり、リピーターを生んだりといった点があげられるでしょう。一方では、セキュリティ上の懸念もあり、提供側としても意識しておく必要があります。
また、顧客がスマートフォンやパソコンを開く時間が生まれない施設では、導入してもサービスの利用料金に見合った顧客の増加が見込めない可能性もあります。導入する前に運営している店舗の利用客にニーズがあるかどうか調査してから導入するようにしましょう。
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- インバウンド
- インバウンドは英語で「入ってくる」という意味で、マーケティングの分野ではプル型(受け身)のマーケティング手法として使われます。
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- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- リピーター
- リピーターとは、商品やサービスに愛着を持ち、繰り返し利用してくれるお客様のことです。 リピーターを獲得することは、ホームページを使って売上を上げるためにも重要な指標の一つと言えます。
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- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- URL
- URLとは、「Uniform Resource Locator」の略称です。情報がどこにあるのかを示すインターネット上の住所のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。各ページのURLは、インターネットブラウザの上部に文字列として表示されています。日本語では「統一資源位置指定子」という名称がついていますが、実際には日本でもURLという語が使われています。
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- リンク
- リンクとは、インターネット上では、あるページの中に記された、他のページの所在を表す情報のことを「ハイパーリンク」と呼び、これを略した言葉です。リンクのある場所をクリックすると、他のページにジャンプするようになっています。
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