公衆無線LANサービスを導入する際のデメリット

公衆無線LANを導入する際にはメリットだけでなく、デメリットも認識しておきましょう。

1.セキュリティのリスクがある

公衆無線LANは顧客にとって「無料でインターネットを自由に使える」というメリットがありますが、一方ではセキュリティ上の懸念も指摘されています。

モバイル端末とWi-Fiスポットの間は、電波で通信が行われています。
そのため、電波の届く範囲にいる人から情報を盗まれたり、不正アクセスが行われたりといったリスクが存在します。

セキュリティ上の問題は利用者自身が認識すべきリスクでもありますが、事業者側にも責任が求められる場合があるでしょう。
実際に総務省が行った意識調査によると、無料の公衆無線LANサービスであってもセキュリティ対策の主体者は「提供者」または「どちらからといえば提供者」であると答えたユーザー(※)は、全体の35%を占めています。

※普段から公衆無線LANを利用しているユーザー

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引用:公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果 41P

実際に導入にあたっては不正アクセスなどのトラブルが発生した際に備えて、責任の所在をはっきりと案内しておく必要があるでしょう。

参考:
[公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果]
(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000091.html)

2.利用状況によっては回線が不安定になる可能性もある

無線LANは接続端末が増加すると回線が不安定になり、つながりにくくなる可能性もあります。つながりづらい環境が続くと、顧客から「Wi-Fiが利用できると思ったのに、全然使えない」とクレームが発生しかねません。

運営する店舗の利用者数に合わせた規模のサービスを契約し、回線が繋がらないというトラブルが発生しないようにしましょう。

まとめ

公衆無線LANサービスは2016年には国内利用者数が4,300万人を越え、今後も毎年600~700万人程度の増加が見込まれています。

カフェやコンビニ、交通機関などの施設でも、公衆無線LANに接続できるWi-Fiスポットを設置する企業は増えています。こういったWi-Fiスポットを導入するメリットとしては「無料で通信ができる」という価値を顧客に提供することで新規顧客を引き寄せたり、リピーターを生んだりといった点があげられるでしょう。一方では、セキュリティ上の懸念もあり、提供側としても意識しておく必要があります。

また、顧客がスマートフォンやパソコンを開く時間が生まれない施設では、導入してもサービスの利用料金に見合った顧客の増加が見込めない可能性もあります。導入する前に運営している店舗の利用客にニーズがあるかどうか調査してから導入するようにしましょう。