SNSやメール、アプリからの通知がたまっていることはありませんか?
サービス運営者がユーザーに向けて、サービスの更新情報やお得情報をお知らせできる仕組みを「プッシュ通知」といいます。

プッシュ通知は、サービス運営社側からすればリテンション率(顧客維持率。サービスを継続利用してもらえる確率)を上げるための有効な施策ですが、頻度や内容によってユーザーに迷惑と思われる可能性があります。
ユーザーを不快にさせないプッシュ通知は、どのように行えばいいのでしょうか。

今回はプッシュ通知のメリットやデメリット、上手に活用するポイントをご紹介します。

プッシュ通知とは

プッシュ通知とは自社サービスの更新情報やセール情報をユーザーに通知できる仕組みです。
最近ではアプリからだけではなく、Webブラウザからもプッシュ通知ができるようになっています。ブラウザからプッシュ通知を送るにはコードを書き実装する必要があります。シンプルなコードで簡単にプッシュ通知機能を実装できる方法もありますので、気になる方は以下のページを参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考: 
世界一簡単にブラウザのプッシュ通知を実装できる「Push.js」の使い方を徹底解説

プッシュ通知とメールマガジンの違い

自社サービスの情報をユーザーそれぞれに届けるには、プッシュ通知を送る方法にくわえ、メールマガジンを送る方法があります。どちらもユーザーに情報を届けることには変わりませんが、ユーザーがホームページを訪問するステップの数に違いがあります。

メールマガジンの場合、多くのメールが入っているメールボックスの中からメールマガジンを選んでもらわなければいけません。メールを開封しその中に記載されているURLをクリックする2段階の工程をへてホームページを訪問します。
プッシュ通知の場合、プッシュ通知をクリックする1段階の工程のみでホームページアプリを開け、ユーザーが早く簡単に情報を確認できます。

メールマガジン配信とプッシュ通知配信それぞれの通知のクリック率と定期購読者増加率を指標として、ブログコンテンツの通知をメールマガジンとプッシュ通知で配信するA/Bテストが実施されました。その結果プッシュ通知のクリック率がメールマガジンと比較して331%の結果となりました。

参照: メルマガ配信とwebプッシュ通知配信をA/Bテストしたら、CTRに3倍近く差が出た

簡単に素早くユーザーに合った情報を提供できるプッシュ通知機能は有効なマーケティング手法の一つと言えるでしょう。

プッシュ通知のメリット

メルマガとのA/Bテストの結果にもあらわれているように、ユーザーにとって負担が少なく簡単に素早く情報を閲覧できるので、通知した内容を見てもらいやすいメリットがあります。アプリのプッシュ通知の場合アプリの起動回数の増加につながります。

しばらくアプリを使っていなかったユーザーに対してはリマインド機能として使用することも可能なので、アプリを継続して使用してもらうための施策としても使用できるでしょう。

また、心理学用語にザイオンス効果という言葉があり、日本語では単純接触効果といいます。人は接触する回数が増えると、接触した相手やものに対して好意を抱きやすい傾向にあります。プッシュ通知でユーザーとの接触回数を増やすことで、ユーザーのサービスに対するロイヤリティを高める効果も期待できます。

参考: 
【永久保存】Webマーケティングに役立つ心理学用語36選
ザイオンス効果

プッシュ通知のデメリット

プッシュ通知はユーザーが簡単に素早く情報を閲覧できるメリットがある一方、通知を送るタイミングや頻度、内容によってはユーザーにとって迷惑なものになりかねません。

株式会社ジャストシステムがネットリサーチサービス「Fastask」で行った「プッシュ通知に関する実態調査」によると、大量のプッシュ通知が原因でアプリをアンインストールしたことがある人は46.6%でした。たくさんのユーザーに使ってもらうために行ったプッシュ通知施策が逆効果にならないよう、内容やタイミングは考慮する必要があります。

参考:
 「プッシュ通知競争」に勝ち抜くために!プッシュ通知に関する実態調査

プッシュ通知を効果的に使うには

プッシュ通知を配信するときに気をつけるべき3つのポイントがあります。

ユーザーにあった内容

ユーザーそれぞれに配信できるプッシュ通知の特徴を生かすために、それぞれのユーザーに合った内容を配信しましょう。

適切なタイミング、頻度

上でも記述したように、頻度があまりにも多く同じ内容の通知を配信してしまうとユーザーにとっては迷惑でしかありません。配信して終わりではなく、自社のユーザーに合った配信内容や、頻度、タイミングを試行錯誤する必要があります。

ユーザーにとって有益な情報

ユーザーに合った内容を送っても必ずしも開封してもらえるわけではありません。
ECサイトの「今から90分以内の限定セール!」のような通知をご覧になった方がいらっしゃるのではないでしょうか?
興味のない内容の通知だったとしても、今後なにか役立ちそうな情報や得する情報であれば見てもらえるかもしれません。ユーザーそれぞれに合っているかにくわえ、ユーザーのためになる情報かどうかという視点でも内容を検討してみましょう。

プッシュ通知が開封されるタイミング

プッシュ通知を配信しても開封されなければ意味がありません。

プッシュ通知のタイミングを調整してアクティブユーザーを増加することに成功したのが、100以上の情報ソースから話題のニュースを無料で読めるエキサイトニュースアプリです。
朝、昼、夕方の1日3回プッシュ通知を配信した結果、大幅に1日あたりのアクティブユーザーが増えその結果、月あたりのアクティブユーザーの増加に成功しました。

参考:
 ASCII.jp:Googleアナリティクスによるアプリ分析の基本と改善事例

また、行動と行動のあいだの時間のブレイクポイントで通知するほうが、よりユーザーに注目されやすいという研究結果が発表されています。

参考: 
スマホのプッシュ通知、思わず開くタイミング判明。ホッと一息を推定するロジック〜ヤフーと慶大ら研究

どちらの事例でも共通しているのは、ユーザーの行動を分析してその結果に合わせたタイミングでプッシュ通知を配信している点です。サービスによって最適なタイミングは異なります。いろんなタイミングで配信して効果を検証していけば、自社サービスに合ったタイミングをみつけられるでしょう。

プッシュ通知を効果的に使えるツール

プッシュ通知の運用を助けてくれるツールをご紹介します。

PushCrew 

Pushcrew_Japan___株式会社アッション.png
http://www.pushcrew.jp/

株式会社アッションが提供している、Webプッシュ通知サービスです。
幅広いデバイスに対応しており、セグメント別の配信が可能です。

Growth Push 

サービス開発者のためのプッシュ通知サービス・ASP_Growth_Push_グロースプッシュ____Growth_Push.png
https://growthpush.com/

株式会社シロクが提供している、アプリ開発者向けのプッシュ通知解析、配信サービスです。プッシュ通知にくわえ、解析もできるのが特徴です。

Pushnate 

Pushnate|Webプッシュ通知でコンバージョン率を改善.png
https://pushnate.com/

Pushnateが提供している、カート落ち・フォーム離脱向けのWebプッシュ配信サービスです。月間5,000配信まで無料で利用できます。

まとめ

プッシュ通知がメールマガジン配信よりも見てもらいやすいのは事実ですが、多くのプッシュ通知に埋もれずクリックして見てもらえるには工夫が必要です。
プッシュ通知の適切な内容や頻度は、サービスやユーザーの特徴によってさまざまです。どのような方法でプッシュ通知を送れば効果的な結果を得られるのか、試行錯誤してみましょう。