コロナ禍で従来の営業手法が変化していく中、インサイドセールスを導入する企業も増えています。一方で、インサイドセールスの立ち上げを考えているものの、何から始めればいいか迷う方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、BtoBマーケティングツール「ferret One」のインサイドセールスチームの取り組みをもとに、「インサイドセールス立ち上げ時に欠かせない」5つのことを紹介します。

紹介するのは、ferret OneのブログOne Tip(ワンティップ)」の編集長・中西、聞き手はferretの編集長・清水です。実例をもとに、実践に役立つノウハウをお伝えします。

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インサイドセールス立ち上げ時に欠かせない、5つのこと

  1. インサイドセールスの目的と役割の設定
  2. KPIの設定
  3. BANT条件の作成
  4. トークスクリプトの作成
  5. ツールの選定・導入
基礎からわかる BtoBマーケティング実践ガイド【2024年最新版】

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1. インサイドセールスの目的と役割の設定

インサイドセールスは「客先を訪問せず遠隔で行う営業手法」を指します。ただし、その中でもさまざまなタイプが存在するため、立ち上げ時には導入の目的と求める役割について共通認識が必要です。

インサイドセールス導入の目的は、主な次の4つのパターンに分かれます。自社で導入する場合の目的はどれに当たるでしょうか?

A.リストを入手して架電するなどして見込み顧客を探し出す

主に、アウトバウンドによってリードを創出する役割を担います。Webサイトからのリードがない場合や、大手顧客へのアプローチの為に設置する場合が多いです。
BDR(Business Development Representative)と呼ばれるタイプのインサイドセールスです。

B.マーケティングチームが獲得したリードを、商談できる状態まで育成する

Webサイトから獲得したリードに対して 、課題のヒアリングや簡単なサービス紹介を通して商談設定を行います
SDR(Sales Development Representative)と呼ばれるタイプのインサイドセールスです。

C.見込み度合いが高まったリードにアプローチし、具体的な提案を担う

設定された初回商談を実施する役割を担います。事前にヒアリングした内容をもとに、サービスの紹介と追加ヒアリング、事例紹介などによる動機づけを行い、顧客が比較検討できる段階まで持っていきます

D.リード創出からクロージングまでを行う

上記のすべてを担うパターンです。高額の商品を提供する場合は、商談・クロージング・契約を担当する役割として「フィールドセールス」を置くことが多いですが、比較的安価な商品では、インサイドセールスが最後まで担うパターンもあります。

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インサイドセールス立ち上げ、失敗しないための7つのポイント

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2. KPIの設定

インサイドセールスの導入自体は、それほど難しくはありません。しかし当然ながら、ただ架電を始めただけでは、思うような成果を出すことはできません。次はKPIを定め、適切なアクションプランを制定しましょう。

インサイドセールスのKPIは、見込み顧客へのコール数や、アポイント数商談化数などを置くのが一般的です。事業部の受注目標から遡り、必要な商談数、アポイント数、コール数などを定めます。

ferret Oneチームは、「メインKPI」と「サブKPI」をそれぞれ設定しています。

成約につながっているかを測る「メインKPI」

  • アポイント数:架電し、次回の打ち合わせ日が決まった数
  • 有効商談率:商談数に対して、フィールドセールスが「見込みのあるお客様」と判断した商談の割合

架電業務の成果を測る「サブKPI」

  • コール数:架電した数
  • コネクト率:架電数に対して担当者と接続した割合
  • アポイント獲得率:コネクトした数に対するアポイント獲得の割合

過去の受注率を参考にメインKPIを設定し、サブKPIは、メインKPIから逆算して必要な数値を算出し、過去のデータをもとにしつつ、平均よりやや上目に設定するようにしています。

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インサイドセールスのKPI設定で商談化率アップ!目標設定と分析の方法とは

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3. BANT条件の作成

商談を設定するには、インサイドセールスによる「BANT(バント)」のヒアリングが欠かせません。

BANTとは、顧客の見込み度合いを判断する基準になる、次の4つの条件のことです。

  • Budget(予算)
  • Authority(決裁権)
  • Needs(ニーズ)
  • Timeframe(導入時期)

インサイドセールスはこれらをヒアリングし、自社の提供サービスとのマッチ度を考慮の上、商談を設定します。インサイドセールス・フィールドセールスチーム間での「見込み顧客」定義の齟齬をなくすためにも、BANT条件は細かく言語化しておきましょう。

また、BANT条件についてフィードバックをもらうことも重要です。ferret Oneチームでは、インサイドセールスが渡したアポイントが、フィールドセールスから見ても本当にBANTをクリアしていたのか、商談後にフィードバックをもらうようにしています。クリアできていなかった場合は、具体的にどの点が不足していたのかのアドバイスをもらい、質のよいアポイントを渡せるようにブラッシュアップしていくのです。

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「強いインサイドセールス」を作るために ferret Oneが実施した組織改善とは

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4. トークスクリプトの作成

トークスクリプトは、架電する際の言い回しを文書化した「営業トークの台本」です。トークスクリプトがあることで、スキルの属人化を防ぎ、チームメンバー全員が一定のパフォーマンスを出すことができます

インサイドセールスチームを立ち上げる際は、必ずトークスクリプトを準備することをおすすめします。

ferret Oneチームがトークスクリプトを作る際に意識した要素は、次の4つです。

  1. 受付を突破する
  2. 現状と課題のヒアリングをする
  3. 課題にあったソリューションの提案をする
  4. 日程を調整する

インサイドセールスで成果を出すためには、大枠のトーク構成がありますが、営業スキルのないメンバーが初めてチャレンジすると、この構成を無視して進めてしまうため、本来であればアポイントにつなげられたお客さまに対して、機会損失が生まれてしまいます。

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5. ツールの選定・導入

インサイドセールスの立ち上げが決まったら、チームの規模や役割に合わせて、ツールの選定、導入も進めておきましょう。

日々の架電業務、顧客管理、施策の効果測定、KPI管理を行うために、次のツールを導入するのが一般的です。

  • オンライン商談ツール
  • MA(マーケティングオートメーション)
  • SFA
  • CRM
  • 名刺管理ツール

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初期のポイントを押さえ、成果を上げられるチームづくりを

これからインサイドセールスのチームを立ち上げる方に向けて、まずは取り組みたい5つのポイントをご紹介しました。

  1. インサイドセールスの目的と役割の設定
  2. KPIの設定
  3. BANT条件の作成
  4. トークスクリプトの作成
  5. ツールの選定・導入

今後も、インサイドセールスの担う役割は大きくなっていくことでしょう。初期のポイントを押さえ、成果を上げられるチームを作っていきましょう。

ferret One のブログでは、今回のテーマ以外にも、BtoBマーケティングの具体的な施策、成功のためのTipsを紹介しています。ぜひご覧ください。

BtoBマーケティングの成功メソッドがわかるferret Oneブログ「One Tip」