ソーシャルマーケティングが盛んになり、最近よく聞くようになった言葉の中に「インフルエンサー」という言葉があります。ソーシャルメディアで特に影響力のある人の協力を得て、商品のPRに役立てる手法をインフルエンサーマーケティングと言ったりします。

言葉としてかなり流行っており、興味がある、自分の会社でもできるの?と思っていても、具体的にどのようなものかをよくわかっていないという方は多いのではないでしょうか。

今回は、インフルエンサーマーケティングの事例などをみていきながら、ただのバズワードとして留めずしっかりと理解を深めていきましょう。

LINEを活用して顧客と企業をつなげる双方向コミュニケーションツールについても確認してみる

LINEを活用して顧客と企業をつなげる双方向コミュニケーションツールについても確認してみる

TSUNAGARUは企業が所有する様々なデータやLINE内での顧客行動データを統合し LINEを活用した顧客と企業の双方向コミュニケーションを実現するツール。

インフルエンサーマーケティングの成功事例

インフルエンサーマーケティングはすでに多くの企業で導入が進められており、数多くの成功事例もあります。以下では、渡辺直美さん、ヒカキン、テオくんなどのインフルエンサーを活用して成果を上げた事例、さらに複数のインフルエンサーを同時に活用するPR戦略をとった「サッポロ黒ラベル」の事例をご紹介しましょう。

事例1

#夏5でやってみた #PR #東京ディズニーシー

渡辺直美さん(@watanabenaomi703)がシェアした投稿 -

これはタレントの渡辺直美さんが行ったInstagramの投稿で、東京ディズニーシーが行ったインフルエンサーマーケティングの一例です。フォロワー数が多く、若い世代に強い影響力を持つ人に、SNSの投稿の中で商品・サービスを紹介してもらうという手法は、近年増えています。

CMや広告などで著名人を起用する方法と大きく異なる点は、インフルエンサー自身のアカウントで投稿してもらっているという点です。企業のアカウントではフォロワー数が少なく、その中では著名人に商品・サービスを紹介してもらっても、アピール力は弱いでしょう。一方、インフルエンサー自身のアカウントを利用すれば、企業のチャンネルをフォローしていない人も内容をチェックします。

事例2

こちらは日本で最も多いチャンネル登録者数を有する「ヒカキン」の動画です。ヒカキンのキャラクターを活かした商品紹介をすることにより、視聴者に対して*「広告」の印象を持たれずに、ブランドのイメージを高める*ことができます。

近年、いわゆる「YouTuber」がインフルエンサーとして注目を集めるようになり、動画を通して商品の紹介をするケースが増えてきました。

事例3

有名YouTuberはTwitterのフォロワー数も多いです。人気YouTuberとして知られる「テオくん」のTwitterフォロワー数は約36万人。YouTubeで公開している動画と同じテイストの動画をTwitter上でもアップし、フリーマーケットアプリの紹介を行っています。

テオくんのTwitterでフォロワーになっている人は、YouTubeのチャンネルも登録している人が多いです。YouTube動画と同様の内容で商品・サービスの紹介をしているなら、Twitterを利用した広告・宣伝と分かっていても受け入れられる傾向があります。

事例4

インフルエンサーを自社商品・サービスのキャンペーンに活用し、新規顧客の獲得を目指すこともできます。実際にこの手法で成功を収めたのが、サッポロビールの「サッポロ黒ラベル」です。

サッポロ黒ラベルをあまり飲んでいない新規の見込み顧客を獲得し、その層に黒ラベルの魅力を伝え、顧客化するマーケティング戦略をサッポロビールが立案。その際、具体的な手法として採用されたのが、インフルエンサーの活用によるSNS投稿型キャンペーンで、内容は以下の通りです。

*(1)*複数のインフルエンサーを起用して、自分のInstagramのアカウントに黒ラベルに関連する投稿をアップしてもらう。

*(2)*アップされた投稿の中から、黒ラベルのブランドイメージに合った投稿をピックアップして、ネット広告キャンペーン用のランディングページ(LP)のコンテンツに利用。

*(3)*広告・LPを見たユーザーに、キャンペーン期間中に「#大人に乾杯」というハッシュタグをつけて、「大人の乾杯」というテーマに合った画像をInstagramにアップしてもらう。

*(4)*画像をアップしたユーザーの中から抽選で50人に、オリジナルグラス2脚をプレゼントする。

このキャンペーンではユーザーのLPの滞在時間が、過去のキャンペーンの約2倍に伸びたといいます。また、従来のキャンペーンのLPにはニュースサイトやスポーツサイトからの流入者がメインでしたが、このキャンペーンではラグジュアリー系のサイトからの流入者が増えたとのこと。

新規の見込み顧客が多くLPを訪れたのです。インフルエンサーの活用が功を奏した事例といえます。

インフルエンサーマーケティングで成功するためのポイント

実際にインフルエンサーマーケティングを実践し、成果を得るには、いくつかのポイントがあります。ここではマーケティング施策の設計、ターゲットの明確化、インフルエンサーの選定、PR戦略の立案、について解説しましょう。

マーケティング施策の設計

インフルエンサーマーケティングを実施する目的を明確にし、その目的にあったKPI(重要業績評価指標)を設定する必要があります。PRを行いたい商品・サービスは何か、どのようなゴールを目指すのかを定めた上で、その目標を実現するのに最も適したインフルエンサーマーケティングを考えていくわけです。

設定したKPIの内容によって、採用するインフルエンサーも変わってきます。例えば、商品・サービスの認知度を高めたいのであれば、認知獲得を得意とするインフルエンサーを活用し、売上を伸ばしたいのであれば売り込みを得意とするインフルエンサーを活用することが必要です。

ターゲットを明確にする

インフルエンサーごとに、影響力を持つ性別、年代、分野は違います。そのため、自社の商品・サービスをどのような人たちに訴求するのかを事前に定めておくことが大事です。

例えば、10代のファッション分野で顧客数を増やしたいのであれば、10代から支持されているファッションインフルエンサーを採用する必要があります。

インフルエンサーの選定

インフルエンサーは個性豊かな人が多く、得意とするジャンルはもちろん、世界観やファンの傾向、商品・サービスの紹介の仕方などがそれぞれ大きく違います。インフルエンサーマーケティングの目的やターゲットに合致するように、最も効果が出ると予測されるインフルエンサーを選ぶことが大切です。

PR戦略を考える

インフルエンサーを活用して、具体的にどのようにPRを展開していくのかを戦略的に考えていくことも重要といえます。例えば、今や一般的となりつつあるPR戦略が、無料配布とハッシュタグを用いた方法です。

無料配布による方法とは、採用したインフルエンサーに無料で商品を提供し、それを使用している画像をInstagramやTwitterなどでアップしてもらうことをいいます。フォロワーの多くが目にするので、商品認知度は確実に高まるでしょう。

一方、ハッシュタグを用いた方法とは、インフルエンサーが自社商品・サービスを利用している画像をInstagramにアップしたとき、そこに「#商品・サービス名」を併記してもらい、商品の認知度向上につなげる方法です。こうしたハッシュタグで認知度を広める方法は、企業側が効果測定を行いやすいというメリットもあります。

まとめ

インフルエンサーマーケティングを効果的に行うには、自社およびPRしたい商品・サービスと親和性の高いインフルエンサーを見つける必要があります。その上で、採用したインフルエンサーに自社商品・サービスに触れている写真・動画を投稿してもらい、認知度アップを図るわけです。

そして実際に実施する上では、マーケティング施策を設計すること、ターゲットを明確にすること、最適なインフルエンサーを採用すること、PR戦略を考えることが重要になってきます。

ただし、インフルエンサーマーケティングはあくまでマーケティングにおける一つの方法です。他にもSEOやECサイトの整備など多面的な施策を同時並行的に行っていくことが、商品の売上増を実現する上で必要になってきます。

LINEを活用して顧客と企業をつなげる双方向コミュニケーションツールについても確認してみる

LINEを活用して顧客と企業をつなげる双方向コミュニケーションツールについても確認してみる

TSUNAGARUは企業が所有する様々なデータやLINE内での顧客行動データを統合し LINEを活用した顧客と企業の双方向コミュニケーションを実現するツール。

関連記事

Instagram(インスタグラム)広告に効果はある?動画広告やインフルエンサーマーケティングの成功事例からみる「インスタ消費

Instagram(インスタグラム)広告に効果はある?動画広告やインフルエンサーマーケティングの成功事例からみる「インスタ消費

近年、Instagramのユーザーのなかで、「モノを買う」ことを目的としてInstagramを利用する人が増えつつあります。自分が購入したい商品のレビューや使い方を調べたり、流行している商品をチェックしたり、Instagramに投稿できそうな商品を探したりなど、Instagramはユーザーのそうした消費を促しているのです。今回はInstagram広告やストーリーズを使って「インスタ消費」を促している事例から、これからの「インスタ消費」の生み出し方を見ていきましょう。

いまWebマーケティング業界に求められる「広告の健全化」とは

いまWebマーケティング業界に求められる「広告の健全化」とは

アドフラウドやフェイクニュース、乱れるインフルエンサー市場など、問題が多くある広告業界。そのような中、今求められているのは「広告の健全化」です。この問題について考え、解決策を模索していきましょう。