「サイトリニューアルを実施すると、アクセス数が落ち込んでしまう」企業のWeb担当者として、このような話を聞いたことはありませんか?

リニューアル直後のアクセス減は、サイト構造の変更、コンテンツ変更・削除などの影響で、検索エンジンからの評価が落ちてしまうことが原因です。本記事では、アクセス低下を回避し、検索エンジンからの評価を維持するコツを解説します。これからサイトリニューアルを検討している方は必読です。

目次

  1. サイトリニューアルでアクセスが減少した失敗例
  2. サイトリニューアルで行うべき10のSEO対策
  3. サイトリニューアル時にSEOで注意すること
  4. リニューアル後にアクセスが落ちた場合の対策
  5. サイトリニューアル時はSEO対策を必ず行おう

サイトリニューアルでアクセスが減少した失敗例

サイトリニューアル後にアクセスが減少する1番の原因は、URL変更によって検索エンジンからの評価を失ってしまうことです。
具体的には次のような問題が発生して、評価が下がってしまいます。

● 旧URLが多数の被リンクを獲得して、検索エンジンから高評価を得ていたが、
  その評価が引き継がれない

● URL変更により、大量のクロールエラーが発生し、検索エンジン側が混乱。
  新しく追加したページのインデックスが遅くなる 

サイトリニューアル実施に伴い、URLの変更自体は、よくある話です。
例えば、「ドメインが変わる」「URLの階層構造が変わる」「URLの末尾が変わる」といったケースが考えられます。

それでは、検索エンジンからの評価を失わないためには、どうすれば良いのでしょうか?

答えは、必ずリダイレクト処理をすることです。リダイレクトとは、特定のURLを開いた際、自動的にユーザーを別のURLに転送する仕組みです。

よくある失敗に陥らないために、まずは以下の重要なポイントを理解しておきましょう。

● サイトリニューアルでよくある失敗例は、検索エンジンの評価の損失
● URL変更を含む場合は、リダイレクト設定が必須

サイトリニューアルで行うべき10のSEO対策

サイトリニューアル時、検索エンジン対策でやるべきことは、リダイレクト設定だけとは限りません。以下、全10個の対策が考えられます。

1. サイトのURL変更に伴うリダイレクト設定

新旧サイトでURLの変更を伴う場合には、「301リダイレクト」の設定をしましょう。「301リダイレクト」とは、URLに戻る予定がない場合に用いる転送処理です。

リニューアル準備を進める中で意識しておきたいことは以下です。

・URL構造のルールを明確に決める
・新旧サイトのURL変更対応表を作る
・「とりあえずトップページにリダイレクトはNG」とルールを徹底する

これらのポイントを押さえ、運用担当および情シス担当が互いに連携を取るように進めると良いでしょう。

2. titleやdescription、h1の適切な設定

サイトリニューアルとは、サイトの見栄えなどのデザイン面や、URL構造などシステムの一新だけとは限りません。
タイトル見出し本文テキストなどコンテンツの中身を刷新するケースも考えられます。

その場合、titledescriptionh1の適切な設定ができているか、重要なキーワードが目的通りに盛り込まれているか、必ずチェックしましょう。

サイトリニューアルを境に、titleやdescription、h1、重要なキーワードの設定が崩れてしまうと、検索エンジンの評価損失につながってしまいます。

折角、リニューアルに向けて力を注いで準備したコンテンツです。SEO対策を万全にして、コンテンツを求めているユーザーに読んでもらえる状態を整えましょう。

3. 基本的にはテキストで作成してコンテンツを充実させる

リニューアルを機に「ビジュアルでの表現を強化しよう」「サイト内で動画を活用しよう」と考える場合もあるでしょう。

ところが、ページ内のテキスト量が極端に少ないと、検索エンジンからの評価の低下を招いてしまいます。
サイト内のコンテンツテキスト量をある程度担保することがSEO対策の基本だと理解しましょう。

4. ページ読み込み速度の改善

ページ内で画像を多用しているなどの理由から、ページの読み込み速度が遅い場合にも、検索エンジンからの評価が下がってしまいます。

また、ユーザー視点でも、読み込みが遅いサイトは快適ではなく、知りたい情報に早くたどり着けないため、すぐにブラウザを閉じて離脱してしまいます。

ページ速度最適化の観点からも画像を多用しないことを念頭に置きましょう。

5. 1ページ1ワードでコンテンツを作成

1ページにつき、1つのキーワードだけを当てはめてコンテンツ作成を行うことが、SEO対策の基本です。

● OK例:
1記事につき、1つのキーワードだけで上位表示を狙う
「ホームページ 制作」
     
● NG例:
1記事につき、複数のキーワードで上位表示を狙う
「ホームページ 制作」+「ホームページ デザイン」+「ホームページ SEO対策」

ユーザーはどんな答えを求めてこのページに着地するのか?」をとことん突き詰めて考え、それをコンテンツを通して表現することが、SEO対策の基本です。

上位表示を狙うキーワードをあらかじめ精査して絞り込み、コンテンツ制作に携わるメンバー同士で共有して、制作の方針にブレが生じないよう留意しましょう。

6. モバイルファースト、レスポンシブ対応

現代のユーザーはWeb検索をする場合、ほとんどがPC経由ではなく、スマホ経由だ、という行動を、まずは大前提として理解しましょう。

そのため、モバイルファーストでページ仕様を考えることが基本です。Googleが推奨する「レスポンシブデザイン」にするのがおすすめです。

レスポンシブデザインにすれば、PC版ページとスマホ版ページを分けて制作する必要はなくなります。リダイレクト処理やリンク設定など、管理の煩雑さからも解放されます。

7. 内部リンクの設定

内部リンク(サイト内のページリンク)が少なすぎると、検索エンジンからの評価が下がってしまいます。

内部リンクの役割は、以下の2つです。

  • クローラーページを見つけやすくなる
  • サイト内でどこが重要なページなのか、クローラーに伝えやすくなる

ユーザー視点に立ち「どのページと、どのページが互いにリンクしていれば便利だろうか?」と考えて内部リンク設計をするのがおすすめです。

8. HTML構造の最適化

HTML構造を最適化することで、クローラーの効率的な巡回を助けます。

  • 階層構造に一貫性がない
  • 階層構造が深すぎる

といった場合には、クローラーに分かりづらく、SEO対策が正しくできているとは言えません。

リニューアルの初期段階で、運用担当と情シス担当が連携を取り、HTML構造を最適化できているかどうかチェックしましょう。

9. 404エラーページの作成

404エラーページ」とは、存在しないページにユーザーが訪問した場合に表示されるエラーメッセージのことです。

サイトリニューアルに際して削除するページがあれば、「404エラーページ」を表示できるよう設定しておきましょう。

ただし、旧ページから内容を引き継いだ新しいページを別途立てる場合には、リダイレクト設定を行うのが適切です。

10. XMLサイトマップの送信

XMLサイトマップ」とは、xml形式のファイルで、サイトマップを表したものです。

サイトマップを設定することで、クローラーがサイト内の構造を把握しやすくなります。

「XMLサイトマップ」は、Googleサーチコンソールから簡単に設定できます。リニューアルのタイミングでも、必ず対応しましょう。

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サイトリニューアル時にSEOで注意すること

リニューアル時に「SEO対策で、この3点に注意すべし!」というポイントをお伝えします。

ページを減らさない、URLを変えない

サイトリニューアルで「情報が古いから、このページはもう削除しよう」という判断に至り、ページを減らす場合も考えられます。

しかし、実はそのページが多くのユーザー流入を獲得し、検索エンジンから高い評価を受けている場合もあります。

そして、URLを不用意に変えるのも、被リンクを一気に失い、検索エンジンからの評価を下げることになるので、おすすめできません。

よほど大きな理由がない限り「ページを減らさない」「URLを変えない」ことを重視すべきです。

一度で変えずに小分けにしてリニューアルする

ページ数が膨大な大規模サイトの場合、一度にすべてを刷新するのではなく、リニューアルのプロセスを段階的に重ねていくことがおすすめです。

一気に取り組むと、URL変更リンク削除内部リンク変更コンテンツ変更・削除など検索エンジンの評価を失う影響範囲が大きくなり、非常にハイリスクです。

また、リニューアルプロジェクトのマネジメントも煩雑になり、現場の混乱を招きます。そのため、大規模サイトの場合は小分けにリニューアルするのがおすすめです。

デザインばかりを重視せずにコンテンツを拡張する

リニューアルの際、「このようなデザインやカラーに刷新したい」と、ビジュアル面にフォーカスしがちです。

しかし、テキストベースのコンテンツこそが、検索エンジンからの評価を高める「宝」だと理解しましょう。

デザインばかりを重視するのではなく、「どんなコンテンツを追加すれば、ユーザーの満足度を高めるだろうか?」と、コンテンツの中身を重視したリニューアル設計を行うことも大切です。

リニューアル後にアクセスが落ちた場合の対策

アクセスが落ちてしまった場合には、どう対処したら良いのでしょうか?

以下、3つの策があります。

Googleアナリティクス、Googleサーチコンソールで原因を調査する

Googleアナリティクス」「Googleサーチコンソール」を活用して、原因を調査しましょう。

●Googleアナリティクスを活用した対策

「サイト全体でアクセス減なのか?」それとも「どこか特定の階層でアクセス減が起きているのか?」という視点で、リニューアル前と、リニューアル後のデータを比較することで、流入数に関して課題が隠れている箇所が浮かび上がってきます。その次に、リダイレクト漏れや内部リンク切れの見直しをしていきます。

●Googleサーチコンソールを活用した対策

リニューアル後とリニューアル後のデータを比較して、流入を獲得できなくなった検索クエリを明らかにしましょう。そして、改めてテコ入れすべきSEOキーワードを絞り込み、コンテンツの見直し・追加を検討していきましょう。

リダイレクト、リンク切れの見直し

Googleアナリティクスでリニューアル前後のアクセスデータを比較して「サイト全体でアクセス減」だと分かった場合には、リダイレクト漏れに関して見直しましょう。

●301リダイレクト
…旧URLに戻る予定のない場合に用いる転送処理

-●302リダイレクト
…短期的・一時的に新URLに転送する処理

「特定の階層」「特定の検索クエリ」でのアクセス減は、ユーザーが見たいページに正しく誘導できていない可能性があります。あるいは、クローラーが新たなサイト構造を正しく把握できず、評価が下がっている可能性も考えられます。このような場合は、内部リンク切れを見直しましょう。ユーザー視点でも、クローラー視点でも、分かりやすく快適なサイトになっているかどうか点検することがポイントです。

コンテンツを見直し、必要であれば追加する

特定の検索クエリで流入が取れなくなった場合には、サイト全体で十分なテキスト量を担保できているか、改めて見直し、コンテンツの追加を検討しましょう。

以下、2つの視点で考えてみてください。

ユーザー視点
…サイトに期待するコンテンツが、十分にあるか?

検索エンジンの評価の視点
…ユーザーの課題・疑問を解決できる、有益なコンテンツがあるか?

サイトリニューアル時はSEO対策を必ず行おう

サイトリニューアルの本来の目的とはユーザーの使い勝手を良くして、その結果として、ビジネスの成果を改善することのはずです。

しかし、表面的なデザイン・ビジュアルなどに意識が向いて、ユーザーの利便性が低下してしまうと、結果的に検索エンジンからの評価を失い、サイトリニューアルは失敗してしまいます。よってSEO対策は最重要項目だと言えます。

また、サイトリニューアルを外注する際には、その会社がSEOの知見を豊富に持っているかどうかも注意して選びましょう。

SEO対策に強いCMS|ferret Oneのご紹介

ferret Oneは当メディア「ferret」を運用する株式会社ベーシックが提供しているCMSです。サイトリニューアル時のSEO対策について不安をお持ちの方や、リニューアルの目的がビジネスの成果につなげたい場合には、ぜひ検討ください。

❶ システム自体が常にSEOに配慮してアップデートされます

アップデート対応の大量の手作業が劇的に減ります。

❷ サイトリニューアル後の運用が快適

見たまま編集のCMSなので、HTMLやサーバの知識のない方でも簡単に更新できます。やりたい施策がすぐ実行できてPDCAがスピーディーに回せるのはもちろん、サイト運用の属人化を防ぐことができます。

❸ コストが大幅に削減できます

外部業者やエンジニアに依頼するたびに発生する費用や、コニュニケーションコストが不要になるので、結果的に大幅なコスト削減ができたと喜ばれています。

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