画像・動画共有SNS「インスタグラム」は、フォローした相手の投稿確認できるフィード機能の他に、さまざまなユーザーの旬な投稿を確認することができる「Discovery」(発見)機能が付いているので、ユーザーがフィードに飽きてきても際限なく回遊できるというのが特徴的です。

直近では、聴いている音楽が何の曲かを教えてくれるアプリ「Shazam」(シャザム)も音楽をブラウジングしながら発見していく「Discovery」機能を取り入れました。
この機能があることで、単に音楽を調べるだけでなく、新しくまだ出会ったことのない音楽にも出会えるようになったのです。

「Discovery」機能は、コンテンツを多く抱えているプラットフォームやサービスにとっては、ユーザーが自分の好みのコンテンツを探しやすくなるので、大きなメリットとなります。

しかし、単にコンテンツを並べただけでは、ユーザーに良質なコンテンツとの出会いを提供するのが難しくなるので、どのようにこの機能を実装すればいいのか分からなくなってしまう方もいるでしょう。

今回は、大量のコンテンツの中から自分の好きなものを発見する「Discovery」デザインをする際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
ユーザーが自分の好みのコンテンツを発見することができれば、それはUX上の効果があると言えます。

大量のコンテンツの中から自分の好きなものを発見する「Discovery」デザインの3つのポイント

1. ユーザーの好みに合わせる

Shazamのフィード画面を例に挙げてみましょう。

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▲ Shazamの旧画面 (Source: Jeff King)

Shazamにはもともとフィード画面が存在していましたが、「Shazamボタン」(押すと周囲に流れている音楽を聞き取りはじめてその曲が何の曲かを特定するボタン)が画面全体の半分を占めており、フィードを確認するのに「必ず」スクロールダウンをしなければならないという、UX上の矛盾を抱えていました。

しかし、それではShazamが持っているさまざまなデータやコンテンツが、活かしきれていません。
そこでShazamはカード型のUIを採用し、そこに「NEW RELEASE」や「PLAYLIST」といったラベルを付けるようにしたのです。

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▲ Shazamのカード型デザイン (Source: Jeff King)

カード状のUIでは、情報のヒエラルキー構造を意識して、ヒーローイメージ・タイトル・サブタイトル・付加情報の順番で並べてあり、どのカードにも右下にCTAボタンである再生ボタンをタップしやすい位置に置いてあります。
ユーザーはカードをスワイプすることで好みかどうかを振り分けることができ、Shazamの側でそうした好みを分析して音楽のMIXリストを作成してくれるというわけです。

ユーザーの好みをあらかじめ分かった状態でプレイリストを提案すれば、エンゲージメントも上がります。
しかし、そうした作業なしにたくさんの情報を見せてしまうと、ユーザーは混乱してしまい、結局離脱してしまいます。

2. ファーストビューが重要

もともとのShazamアプリでは「Shazamボタン」が画面の多くを占有していたがために使い勝手が悪くなるというケースをご紹介しました。
「Discovery」機能を提供するアプリは、ファーストビューユーザーの好みとなるコンテンツをしっかりと表示してユーザーの心を掴むことが非常に重要です。

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Instagramアプリでは、「Explore」と呼ばれる、「Discovery」機能と検索機能を兼ね備えたタブがあります。
現在、Instagramはライブ動画やストーリーを配信しているため、上方に人気ストーリーを右にフリックスクロールして見ることができ、また通常の写真や動画投稿は下にスクロールすることで確認することができます。

このタブ画面では、検索窓とコンテンツの他には、一切余分なUIが置かれていないことにお気づきでしょうか。
Instagramのようにファーストビューである程度のコンテンツ量をぎゅっと表示することができれば、フリックによってもっと自分に合うコンテンツがないかスクロールをしはじめます。
そのため、Shazamボタンが典型ですが、そうした余計なUIを排除して、コンテンツそのものに没入させることができるかどうかは非常に重要なことです。

3. カテゴリーで分けてみる

NetflixやApp Storeのようなアプリでは、膨大なコンテンツを所有しながらもある程度コンテンツの属性が決まっています。
その際にはコンテンツの属性を適切な分類に分けてみるのがいいでしょう。

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例えば、App Storeの「仕事効率化」のページでは、「ベストApp」「目標に向かって」「メモをとる」などのカテゴリ分けがなされています。
アイコンを右にフリックすることでフロントとして配置されているアプリを見ることもできますが、「すべて見る」というリンクを押すことによって深度の深い「Discover」ページにたどり着くことができます。
カテゴリーで分けることによって、ユーザーが探しているコンテンツをじょうごのように絞り込むことができるので、UX的にも非常に効果があります。

NetflixやSpotifyのような動画・音楽配信プラットフォームでも、コンテンツ探しを楽しむことができます。
「Stevie Wonderを聴いたあなたにオススメ」のように、ユーザーの好みに合わせながら、カテゴリーごとに表示されているという、合わせ技を使っているのです。

まとめ

アプリの中にはユーザーコンテンツを投稿したり、映画や音楽などのコンテンツを扱ったりして、膨大な量のコンテンツを所有しているアプリも多数あります。
そうしたアプリは、検索はもちろん、商品棚に商品を並べるかのように「Discovery」機能を活用するのがよいでしょう。

検索では、検索ワードを持っていないとユーザーはそのコンテンツに出会うことができません。
一方、こちらから最適なコンテンツをブラウジングしやすいようにならべることができれば、それはユーザーにとってもプラスになるのです。
ぜひ、最適な「Discovery」デザインに挑戦してみてください。