「この周辺は一人暮らしの人が多いからお弁当がよく売れる」
「高校と塾が近くにあるから、漫画雑誌が人気」
自分の経営する店舗で、上記のような街の特性による売上の違いを感じることはありませんか?
例えば、店舗周辺にある施設や交通条件、住んでいる人の年齢などで、どういった商品が売れるかは変わってくるでしょう。

こういった地域特性を掴み、地域に合わせた出店計画や仕入れ計画を立てるマーケティング手法を「エリアマーケティング」と言います。
今回は、エリアマーケティングでおさえるべき地域特性とエリアマーケティングの基本的なステップを解説します。

地域周辺の人口や施設、世帯年収などを資料として作成しておくことで、、データに基づく精度の高いマーケティングが可能になります。地域の人に愛される店作りのためにも、店舗周辺の特性は掴んでおきましょう。

エリアマーケティングとは

エリアマーケティングとは、地域に対応したマーケティングを行う考え方を指します。
新規出店時の効率化のために画一化されたマーケティングを行う「マス・マーケティング」とは異なり、地域の特性を掴むことで効果の高いマーケティングを目指す手法です。

では、何故地域に合わせたマーケティングが必要とされているのでしょうか。
ホームセンターの新規出店を例に考えてみましょう。

高速道路のインターチェンジ周辺に立地する工業団地内に出店するA店と、周囲を高層マンションに囲まれている住宅地に出店するB店があったとします。
出店時にA店とB店で同じように、家庭用洗剤や飲料水のような生活消耗品を中心としたオープニングセールを行ったら、どちらの方が反応がいいでしょうか。

多くの方はB店と答えるでしょう。周辺を企業に囲まれているだろうA店では生活消耗品はあまり売れないと予測されるためです。
A店のオープニングセールでは、工場で使用する軍手や安全靴などを揃えることで良い反応が得られるかもしれません。

このように店舗周辺に住んでいる人や立地している企業、周辺にある競合店を調査し、地域のニーズに合わせたマーケティングを行うのが「エリアマーケティング」です。
出店計画に携わる方や、飲食店などのBtoCビジネスを展開している方は覚えておきたい概念でしょう。

参考:
[エリア・マーケティング|日経ビジネスONLINE]
(http://business.nikkeibp.co.jp/article/keyword/20120222/227706/)

エリアマーケティングでおさえるべき地域特性

エリアマーケティングの基本となるのが「地域特性」という考え方です。
地域特性には、具体的に下記のような項目が挙げられます。

・地形、気候条件などの自然環境
・地域の成り立ち、歴史的背景
・年齢構成や人口の推移、昼間人口・夜間人口などの人口構造
・立地する企業の業種や規模などの産業構造

人口構造・産業構造だけでなく、地域の成り立ちや地形も地域の特性として考えられます。
例えば千葉県成田市では、成田山新勝寺の参詣者が利用した街道がともととなり、現在でも成田山を中心として主要道路が放射線状に広がっています。
地域の成り立ちや歴史的な背景を知ることで、地域への理解をさらに深めることができるでしょう。

参考:
地域特性とは?|商圏大勝
第57回 「エリア戦略の進め方(2)~エリア購買力とエリア特性~」|株式会社日本能率協会コンサルティング
成田市の地域特性と商工業の実態 |成田市