ソーシャルメディアマーケティング」という言葉を一つ切り出しても、アカウントの運用だけでなくSNS広告の運用についても含まれます。
日々アカウントで告知やブランドメッセージを発信している担当者さんは多いと思いますが、知識もないし広告としての活用までは検討できていないという方も多いのではないでしょうか。

ひとえにSNS広告といってもメディアごとに特徴があります。
今回は、SNSでリーチできるターゲティングの種類と特徴をご紹介します。

SNS広告であれば、よりユーザーのパーソナル情報に基づいて配信できる

SNS広告は日々目にしているし、なんとなく理解していると思っていても、メディア毎にターゲティングの仕組みが違うなど、奥が深いものです。
他のインターネット広告の場合、年齢や性別などのデモグラフィック情報の指定ができなかったり、ある程度の推定で配信されている場合もあります。

しかしSNS広告の場合、登録されている会員データを利用するため、より正確なターゲティングが可能になるのです。
また、デモグラフィックな情報に加え、ソーシャルメディア上の行動を元に、「20代男性、かつ〇〇のページをいいねしている人」と言ったようにターゲティングを細かく設定することができます。

SNS広告はそれぞれどのようなターゲティングが可能か、メディアの特性も含め見ていきましょう。

facebook・Instagramは同じプラットフォームで配信される

facebookはその他のソーシャルメディアよりもパーソナルな情報を入力しているユーザーが多いため、性別や年齢、住んでいる地域だけでなく、趣味趣向やライフステージなどより細かなデモグラフィック情報を元にターゲティングすることが可能です。

また、Instagram広告もfacebookの広告マネージャーを利用して配信されます。そのため、出稿先メディアは違えど、基本的に同じロジックでのターゲティング、配信設定が可能です。

SNS広告で利用できるターゲティングの種類

1.基本情報を元にターゲティング

SNSのアカウントではユーザー側に年齢や性別、住んでいる地域などをプロフィール編集画面から入力を求めている場合が多いです。これらの情報を元に広告を出し分けに活用されています。

「関東の人だけ出稿したい」、「20代女性だけに出稿したい」など、ユーザーのパーソナル情報に合わせたターゲティングができます。facebook、Instagramに対してTwitterで違ってくる部分は、年齢の指定ができないところです。
facebook、Instagarmの場合、18~24歳といった年齢層で出稿先を区切ることができます。
また、facebookでは交際ステータスを入力する欄があり、結婚したタイミングの情報を設定している人も多くいます。

この情報を利用して、「既婚者」「新婚」「子供有」といったよりライフステージに則したターゲティングが可能です。保険やブライダル関係のような、ピンポイントのタイミングで需要がある広告に最適なターゲティングができます。

2.興味関心に合わせてターゲティング

SNS広告では、いいねを押したfacebookページなどを元に趣味趣向を判定して、広告を出稿することが可能です。facebookページにはそれぞれ「グルメ」「スポーツ」などのジャンルが割り振られており、指定されたジャンルのページをいいねしている人にのみ絞ってターゲティングすることができます。

Twitterでもインタラストターゲティングというメニューが用意されており、25のジャンルと350の小カテゴリーの中から自社ビジネスに近しいものを選択し、マッチしたユーザーグループに対して配信をすることができます。

また、Twitterの場合、自社ビジネスに関連性の高いアカウントを指定し、そのフォロワーに近しい興味層をターゲットとして広告を配信することが可能です。

3.カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンス機能では、ソーシャルメディア外で持っている顧客データリストを元にターゲティングすることが可能です。Twitterではテイラードオーディエンスという名称が使われています。

具体的にはメールアドレスやfacebook ID、TwitterIDなどの個別アカウントを特定できるデータと、ソーシャルメディア側の持っている顧客情報を照らし合わせて配信することができます。

これにより、既存顧客に対してのみにターゲティングしたい場合などに便利です。サービスに登録してくれているけど、SNSはフォローしてくれていない顧客などにアプローチするなど様々な使い方が考えられます。
既存の顧客データベースなどを持っている場合、闇雲に新規顧客を開拓するよりも、すでに関心があることがわかっている人に絞って配信する方が費用対効果も高いと考えられます。

4.リターゲティング

ユーザーの行動を元にターゲティングをするリターゲティングの機能は、ディスプレイ広告などでも盛んに利用されていますが、SNS広告でも利用が可能です。
facebookの場合、自身が権限を持ったfacebookページに訪れたことのある人に向けて配信したり、facebookピクセルと呼ばれるfacebook広告専用のタグを埋め込んだ外部サイトの情報を元にターゲティングすることができます。

Twitterでも同様に外部サイトに埋め込まれたタグの情報を元に、そのユーザーがTwitterを閲覧した際に広告を表示するといった設定が可能です。

これにより、一度接点を持ったけれど離脱してしまったユーザーに対して、再度アプローチをかけることができます。一度サイトを見て認知は進んだけれど閉じてしまったユーザーに対して、時間を空けて再度広告を表示することで、より認知が深まり検討が進む可能性があります。

また、外部ECサイトで何か商品を購入したことがあるユーザーに対して、新商品を紹介する広告を配信してもいいでしょう。外部ECサイトで商品を購入したけれど、SNSでは未接触のユーザーにフォローを促す広告を出せば、効果は出やすいと考えられます。

5.類似オーディエンス

facebookには類似オーディエンス機能というターゲティング方式があります。これはカスタムオーディエンス、リターゲティングの考え方に似ており、すでにすでにリスト化されているユーザーに類似しているユーザーを抽出して配信してくれる機能です。look alikeオーディエンスという呼び方でも知られています。

既に興味があることがわかっている顕在層に対しては一通り配信し尽くしてしまったといった場合にも、その人達のデータを元に近しい属性のユーザーをさらに集めることが可能です。類似オーディエンスにアプローチすることで、まだ未接触だった潜在層のユーザーにもリーチすることができます。

6.キーワードターゲティング

Twitterのターゲティング手法で特異なものにキーワードターゲティングがあります。Twitterでは、ユーザーの興味関心に則した内容がユーザー側から発信されるため、つぶやいている単語などからその人の興味を推定することが可能です。
キーワードターゲティングで用意されているのは、「検索」と「タイムライン」の2つです。検索では、ユーザーがTwitter内で検索したキーワードを元にターゲティングされます。自社ビジネスに関連性の高いキーワードを検索している人に対して広告を配信することができます。

タイムラインでは、その人が実際につぶやいたキーワードを元にターゲティングされます。自社ビジネスに関連性の高いキーワードを実際につぶやいている人は、興味関心がマッチしていると考えられます。