近年注目が集まっている「インフルエンサーマーケティング」。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

きっとマーケティング担当者なら一度は耳にしたことがある言葉ですが、聞いたことはあっても「インフルエンサー」や「インフルエンサーマーケティング」が何であるか実は詳しく知らない、という方も多いのではないでしょうか。

インフルエンサーとは、影響・効果・勢力の意味で、社会に対して大きな影響力を持つ人物のことを指し、ネット上ではSNSなどを通じて、他の消費者の購買行動に大きな影響力を持つキーパーソンのことを指します。そして、インフルエンサーマーケティングとは、ソーシャルメディア上で影響力のある人に企業の商品やサービスを紹介してもらうことで、販促やイメージアップに繋げるといった手法です。
  
現在様々な企業が、広告キャンペーンや商品PRにインフルエンサーを起用しています。そこで今回は、今大注目のインフルエンサーマーケティングについて詳しく紹介します。

マーケティング担当者なら必ず押さえておきたい手法ですので、これから取り入れてみたい方はもちろん、詳しく知りたい方はぜひ目を通してみてください。

今さら聞けない!インフルエンサーとは何か

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冒頭でも少し触れましたが、インフルエンサー(Influencer)とは、世間に影響力のある人・物のことで「影響」「感化」という意味を持つ「Influence」が語源で、SNS・ブログ・動画サイトなどで他のユーザーに大きな影響を与える人のことを指します。

具体例としては、有名人、特定分野の専門家、積極的に情報発信を行う個人、人気ブロガーなどがインフルエンサーに当てはまります。

インフルエンサーを効果的に活用したマーケティング手法

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インフルエンサーマーケティング(Influencer Marketing)は、端的にいえば、先にご紹介したインフルエンサーを活用するマーケティング手法です。代表的な例としては、ブランドのコンテンツ・商品をインフルエンサーに実際に試してもらい、その過程をSNSなどで宣伝してもらうというのが一般的な活用方法です。
  

なぜインフルエンサーマーケティングが今注目されているのか

ここからが本題です。なぜインフルエンサーマーケティングが、これほど注目を集めているのでしょうか。

理由として、以下のような点が挙げられます。

1. 広告を見ていないユーザー

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出典:Shutterstock

広告を見たくないユーザーだけではなく、広告を見ないという選択をしているユーザーも中にはいます。せっかく広告を出稿しても、広告をブロックされてしまっては表示することすらできません。コンテンツに興味があるユーザーにとっては、広告は邪魔だと感じてしまうのも仕方ないことでしょう。

これに対して、インフルエンサーを活用している場合、ユーザーはインフルエンサーの発信に関心がありフォローしていますので、情報をしっかりと届けることができます。
  

2. 共感を生みやすい

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出典:Shutterstock

商品に共感してもらう方法として、何らかのインセンティブを用意して口コミしてもらったり、シェアしてもらいやすいコンテンツを提供する方法が考えられます。しかし「口コミしてね」というような形で実際に投稿してもらう口コミは、適当なコメントを付けて投稿するユーザーも少なくありません。また、シェアしてもらいやすいコンテンツを考えることも簡単なことではないでしょう。

インフルエンサーを起用し共感できる投稿を提供した場合には、自然な口コミが発生し、共感を生みやすくなります。ユーザーに共感してもらう投稿を求めている場合には、インフルエンサーの活用が有効でしょう。

3. 購買につながりやすい

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出典:共同通信PRWire

インフルエンサーを起用することで、企業・ブランドをユーザーに認知してもらえるだけでなく、そのまま購入にもつながりやすくなります。

株式会社トレンダーズが実施した「女性のSNS利用と消費行動に関する調査」(※1)によると「SNSの投稿を見て、インターネットで商品を購入したことはありますか?」という質問に対し、インフルエンサー型で63.2%、フォロワー型で46.1%が「購入したことがある」と回答しています。インフルエンサー型の場合、約3割が「日常的に購入している」または「時々購入している」と回答しました。

また「どのような投稿を見たときに、その商品を『欲しい』と思いますか?」という質問では「内容に共感した投稿」(インフルエンサー型:54.4%/フォロワー型:45.9%)が最も多いという結果が出ています。この調査により、インフルエンサーのSNS投稿が購買行動を掻き立てていることがわかります。

参考:
※1 株式会社トレンダーズ「女性のSNS利用と消費行動に関する調査」
  

4. 検索手段が増えた

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出典:共同通信PRWire

何かを調べる時の検索方法の定番は「Google」ですが、最近では検索手段としてその他の方法を利用するユーザーも増えています。

トレンダーズ株式会社が実施した「「女性のSNS利用と消費行動に関する調査」(※1)に関する調査によると、知らないことを調べる時には「Google」(インフルエンサー型:77.7%/フォロワー型:80.4%)「Yahoo!」(インフルエンサー型:68.5%/フォロワー型:62.0%)が多いという結果になりました。

しかし、トレンド情報の検索では「Google」「Yahoo!」は4割未満で、「Twitter」(インフルエンサー型:33.5%、フォロワー型:22.5%)「インスタグラム」(インフルエンサー型:33.9%、フォロワー型:17.8%)が「Google」「Yahoo!」と同程度活用が広まっていることがわかります。

参考:
※1 株式会社トレンダーズ「女性のSNS利用と消費行動に関する調査」
  

5.クリエイターとしての側面があること

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出典:YouTube CaseyNeistat

インフルエンサーが多くの人から注目を集めるのは、単に日常を配信しているからではありません。例えば、こちらはアメリカの人気ビデオブロガーであるCasey Neistat氏です。オシャレな映像センスが高い評価を得ています。投稿する内容を工夫したり、上手く編集することで、ユーザーやフォロワーが求めるコンテンツを作り心を掴んでいます。

こうしたことから、インフルエンサーはクリエイターとしての側面があるといえるでしょう。インフルエンサーを起用することで、広告としてではなく、作品としてコンテンツを配信することができます。

6.特定ジャンルにアプローチできる

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出典:Twitter りかりこ(@exrikariko)

幅広いジャンルをターゲットとした広告とは異なり、インフルエンサーマーケティングでは特定ジャンルのターゲットにアプローチすることができます。これまでの広告ではアプローチが難しかった層にも、インフルエンサーを活用することで情報発信することができるようになります。

ここで注意したいのが、フォロワーの数だけで起用するインフルエンサーを決めてしまわないことです。商品・ブランドのターゲットに合っているかどうか、相性がいいかを検討する必要があります。

画像の女性2人は、若年層に人気のある双子モデルりかりこさんです。フォロワー数は161,695人(2017年7月11日時点)と大変人気のある方ですが、たとえフォロワー数が多くともPRしたい自社商品との相性が悪ければ拡散されない可能性が高くなります。自社商品のインフルエンサーには誰が適しているのかをじっくりと考えて起用しなければいけません。
  

7. 芸能人との違い

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出典:Instagram Kei Yamazaki(@keiyamazaki)

インフルエンサーを起用する際には、芸能人との違いについても理解する必要があります。インフルエンサーは有名な人だから芸能人を起用すればいい、と考えてる方もいるかもしれません。しかし、芸能人であってもコミュニティにとって大きな影響を持つ人物でなければ、インフルエンサーとはいえないでしょう。

また、インフルエンサーは芸能人とは異なり誰もが知っている人物ではない可能性がありますが、特定のジャンルにおいては、芸能人よりもインフルエンサーの方が影響力を持つことが多々あります。

Kei Yamazakiさんは、オシャレな朝食メニューを中心に投稿しているエディトリアル&グラフィックデザイナーです。フォロワー数は58万6千人(2017年7月11日時点)で、『TODAY‘S BREAKFAST』(主婦の友社)、ZINE「I MAKE BREAKFAST」などの著書も発売しています。食品系のインフルエンサーとしては、注目の1人といえます。

例えば食品系のプロモーションをする場合、食品ジャンルに特化しているインフルエンサーを起用する方が効果的なプロモーションになることが予想できます。