個人で活動されているクリエイターの方は、どのようにインターネットを活用されているでしょうか。ソーシャルメディアやホームページブログなどを使って、ファンの方にアプローチをしたり、認知度を上げたりと、さまざまな取り組みをされている方も多いでしょう。

せっかくウェブを活用するのであれば、効率的でかつ効果的な方法を身に付けたいものです。個人クリエイターの方ほど身に付けて欲しいウェブマーケティングの考え方に、コンテンツマーケティングというものがあります。

個人で活動するからこそマーケティング知識は必要

クリエイター、アーティストの方は、本来であれば制作活動に専念する仕事です。一般的な会社であれば、会社の認知を広げる広報や宣伝担当、仕事を取ってきてくれる営業担当、要件を取りまとめるディレクター、実際に制作活動するクリエイターなど、それぞれの役割分担ができています。

そのためクリエイターは制作活動に専念することが可能になるのです。しかし、個人であればそれを全て自分でやらなければいけません。魂を込めて作品を作る傍ら、それを宣伝する活動も自分でこなさければなりません。

昨今ではこれらの制作活動以外のパートも、ウェブを通して個人単位でできるサービスが多く、できることはやっているという人も多いでしょう。
しかし、「どうやっていい作品を作るか」のスキルと「どうやって人に価値を伝えるか」のスキルは全くの別物です。個人で活動するには、このどちらも理解しなくてはいけません。

いくら素晴らしい技術を持っていたとしても、優れた作品を作ったとしても、それの素晴らしさを人に知らせ理解してもらう方法を知らなければ、誰も見向きもしてくれません。

しっかりと人に自分の作品の価値、自分の仕事の価値を伝えるため、マーケティングの知識が必要になってくるのです。マーケティングの考え方を理解しておくことは、今後必ずあなたの強力な武器になります。

コンテンツで「知りたい」と「伝えたい」のギャップを埋める

コンテンツマーケティングとは、その名の通りコンテンツを軸にユーザーとコミュニケーションするウェブマーケティングの考え方です。ユーザーが求めている情報や関心のある情報と、発信側の伝えたい情報を、ウェブコンテンツを介して繋げていきます。

ユーザーが知りたいと思っている情報を、ブログ記事のようなウェブコンテンツを介して発信することで、より発信者の価値を理解してもらいファンになってもらうことができます。これが、基本的なコンテンツマーケティングの考え方の一つです。

ウェブやソーシャルメディアを使って情報発信をしようとすると、自分の魅力を売り込もうとして一方的なメッセージになりがちです。コンテンツマーケティングの考え方では、ユーザーが知りたいことを汲み取って適切なコンテンツを提供することで、このギャップを埋めていきます。

ブログ一つを取っても立派なコンテンツマーケティング

例えば、あなたが日々更新しているブログの書き方を考えてみましょう。自分の活動の告知だけで終わっていませんか?また、それを知ってどうなるの?というような自分本位な日記で終わっていませんか?

宣伝や広告だけのコンテンツというのは、ユーザー自身に価値のあるものでなければあまりしっかり読んでもらえません。例えば、本屋さんに並んでいる雑誌に載っているのがブランドの広告だけであれば、誰も買ったりしないでしょう。

読みたいと思える面白い記事が載っているからこそ、初めて手にとって読んでもらうことができ、広告も目にしてもらうことができるのです。

ブログ一つを取っても、一方的に自分の言いたいことだけを書くのではなく、ユーザーが知りたいと思っている情報や興味のある情報を汲み取って書くことが大切です。

クリエイターという職業は、専門的な知識や独特なセンスなど、特殊な魅力を持っています。クリエイターのインタビューや対談などが雑誌によく掲載されることからわかるように、クリエイターの知識や考え方というのはユーザーの興味を引きやすい傾向にあります。

専門的なテクニック、使用している道具の紹介、または作品を作る背景のストーリーなど、コンテンツのテーマは豊富にあります。
そして、本格的なブログやホームページを個人でも気軽に作ることが可能であり、活用しない手はありません。

以下より、クリエイター向けのコンテンツマーケティング実践のポイントをご紹介します。

ファンを育てるという考え方が重要

マーケティングの重要な用語の一つにカスタマージャーニーというというものがあります。カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するのに至るプロセスの事です。
カスタマージャーニーの典型として語られるのが、以下のようなプロセスです。

・認知
↓
・興味
↓
・比較検討
↓
・購入
↓
・リピーターになる

消費者はまず何かしらの形で商品、サービスを認知して、興味関心を持ち、その商品、サービスに関して深く調べ競合と比較し、購入します。
その後、リピーターとなってロイヤルなファンになっていくと言うプロセスを辿ります。これらはマーケティングの基本的な考え方として、ぜひ覚えておきましょう。

コンテンツマーケティングでは、コンテンツを通してこのカスタマージャーニーをより押し進めていくようにアプローチします。それぞれのステージにいるユーザーに適切なコンテンツを出し分け、次のステージに進んでもらうよう促します。

あなたのことを名前だけくらいは知っている人(認知層)に対しては、よりあなたに興味を持ってもらえるようなコンテンツを提供しましょう。また、買いたいとは思っているけれど悩んでいる人(比較検討層)には、一押しして購入してもらえるようなコンテンツを提供するといいでしょう。

このように、それぞれの層に合わせて最適なコンテンツを用意することで、ファンを育ていきます。コンテンツを通してファンになってくれる見込みのある人に対して、価値を理解してもらいながら購入、ファン化へ向けて育てていきましょう。

まず日々の発信の仕方を変えよう

大々的にコンテンツマーケティングと言っても、個人単位でできることには予算や時間に制約が多いでしょう。多額の予算を使ってコンテンツを作ることに注力していて、肝心の制作に手が回らないとなってしまっては本末転倒です。まずできることから始めていきましょう。

例えば、日々のTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアで投稿を変えてみましょう。
ただ告知などの一方的な情報配信だけで完結している場合、カスタマージャーニーでいうと「認知」の部分へのアプローチしかできていません。興味を持ってフォローしてくれたフォロワーには、よりファンになってもらえるような情報を発信していきましょう。

また可能であれば、ブログやホームページはできるだけ持つようにしましょう。ソーシャルメディアの投稿は流れて行ってしまい過去のものを辿るのが難しいですが、ブログなどのメディアの場合、コンテンツが溜まっていきます。

一つのブログ記事が資産となり、それを自分のブログやホームページに持っておくことで、新しく興味を持って入ってきた人にも見てもらうことができます。

まとめ

コンテンツマーケティングでは、「ユーザーの知りたい情報をコンテンツでつなぐこと」「ファンを育てること」がとても重要です。

日々の情報発信の意識を少し変えるだけで、ユーザーの食いつきが変わり、魅力を理解してくれるファンが増える可能性があります。マーケティングという言葉に萎縮せず、最適な伝え方を研究してみてくださいね。