Webマーケティングが盛んに行われている昨今、さまざまなサイトが制作されてはリリースをされています。コーポレートサイトのようなしっかりとした情報をまとめたサイトから、短期的なキャンペーンサイトやLPなど幅広い用途で活用されています。

Webを使ったマーケティングの担当者は、企画、制作をして公開するだけでなく、効果を測定して報告しなければならない方がほとんどでしょう。
見切り発車で制作してリリースしたものの、正しい分析データを取得できておらず、レポート作成時に困るといった経験がある方は案外多いのではないでしょうか?

効果測定はサイト制作の時点から始まっている

Webマーケティング、デジタルマーケティングの優れている点は、ユーザーのあらゆるデータを計測して、検証できることです。チラシ配布や、テレビCMなどの施策を実施しても、実際にどれくらいの人の目に触れ、どれくらい売上に貢献したのかを正確に測るのは現実的ではありません。

デジタルマーケティングの世界であれば、ユーザーがどこから入ってきて、どのようにサイトを利用して、どの程度購入されたのかなど、成果を測る上で役に立つさまざまなデータを取得できることができます。

しかし、ある程度技術の理解が必要であり、どのようなデータが取得してどのように活用できるかを把握した上で、施策を進める必要があります。サイトを制作する段階から、リリース後成果を振り返ることを見越しておくことが重要です。

Webサイトのデータ取得は不可逆である

なぜリリース前からレポーティングを見越しておく必要があるかというと、Webサイトのデータは不可逆であるからです。一度をリリースしてユーザーが訪れ出した後からデータのトラッキングを開始しても、以前のデータを取ることはできません。そのため、データをトラッキングするためのタグなどは、リリースする前に設置をし、テストして、正しく取得できることを確認しておきましょう。

レポートの内容を逆算して、その材料となるデータを取得するために必要になるタグを把握し、正しい場所に設置しておきましょう。
データ取得の基本となるのが、Googleアナリティクスです。データ取得においてGoogleアナリティクスのトラッキングタグの設置は、ほぼ必須と言っても過言ではありません。まずGoogleアナリティクスのアカウントを作成し、トラッキング用のプロパティを作成しておきましょう。
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プロパティを作成できたら、今度はトラッキングコードを発行します。
「管理のタブ」からトラッキングコードのメニューを呼び出すと、トラッキングのためのIDとコードを呼び出すことができます。
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Googleアナリティクスでは、プロパティ毎に9桁のIDが発行されます。また、ページの中程には、トラッキングコードが記載されており、このコードをサイトのhead部分に設置しておくことで、Googleアナリティクス上でデータの取得が可能になります。必ず、リリース前に設置しておきましょう。

レポートはユーザーのスタートからゴールまでを分析しよう

Webサイトの効果測定は、そのサイトの目的などによってそれぞれ変わってきます。しかし、ほとんど全般に適応される考えとして、スタートからゴールまでを分析して成果を測るという方法があります。
ECサイト、キャンペーンサイト、LPなど販売促進など具体的なゴールがわかりやすいサイトもありますが、情報サイトやブログなどは成果地点がわかりづらいサイトもあります。しかし、運用している以上、目的のないサイトというのはありません。

サイトの効果測定レポート設計において重要なのは、まずそのサイトの目的は何か?どのようなユーザーの動きを成果とするかを定義することです。そして、そのゴールに到達した人が何人で、その人達がどのような入口から入ってきて、どのような行動をとっていたかを分析することで、施策の評価と反省が可能になります。

それぞれ正しい方法でデータを取得しよう

「ゴール達成」「サイト内の行動」「集客チャネル分析」などのデータはそれぞれ取得の方法が微妙に異なります。それぞれ正しい計測、分析方法を理解し、リリース前に設定しておきましょう。

ゴール設定

ゴールの設定は、そのサイトごとで何を目的にしているかによって異なります。ECサイトであれば「商品の購入」、プレゼントキャンペーンであれば「応募」、サービス紹介のLPであれば「資料ダウンロード」など「ユーザーの行動」である場合が多くあります。
また、情報サイトやブログなどでは、その場で何かを購入してもらうなど具体的なアクションがない場合もあります。そのようなサイトでも、目的から逆算して考え、何かしらの評価基準を設けておきましょう。

情報サイトなどの場合、コンテンツを読んでユーザーにより理解を深めてもらうことを目的としている方も多いでしょう。またブログを読んでもらうことで、理解を深め、親近感を持ってもらいたいというケースもあります。

そのような場合には「しっかりコンテンツを読んでもらえたか」を基準に評価すると良いでしょう。そのための具体的なゴールの指標として「読了にかかる分数以上の滞在」や、「見てもらったページ数」などが考えられます。

例えば記事を読むのに5分かかるのであれば「5分以上の滞在」をゴールに設定しましょう。商品について詳しく知ってもらいたいのであれば、「3ページ以上の閲覧」を目標に設定してみましょう。
何をゴールとするか決定したら、Googleアナリティクスで「目標」を設定しましょう。
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歯車のアイコンから「管理」のページにいき、「目標」のボタンを選択します。
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目標を設定する際に選べる種類には「到達ページ」「滞在時間」「ページビュー」「イベント」があり、それぞれにあった条件を選びます。
「商品購入」がゴールであれば、「到達ページ」で申込完了ページURLを指定します。「資料ダウンロード」であれば「イベント」を選び、別途ダウンロードする際に計測するイベントを設定してトリガーにしましょう。
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目標が設定できれば、何回達成されたのか、どのくらいの確率で達成されたのかの分析ができるようになります。

サイト内の行動

ゴールに向けユーザーどのような導線をたどったかを分析することも重要です。トップページから入ってきて、商品購入までの間のどこで離脱してしまったのかなどを細かく見ていくことで、サイトの課題を発見することができます。

ページページビューなどはGoogleアナリティクスで基本的には網羅できているため、特別な設定をする必要はありません。
しかし、「特定のリンクをクリック」や「ダウンロードボタンをクリック」、「特定の動画を再生する」など細かな行動までトラッキングしたい場合は、別途イベントを設定する必要があります。

イベントは目標設定と違い、Googleアナリティクス側での設定ではありません。サイト側でリンクをクリックした際に、Googleアナリティクスが認識できるような形式でデータを飛ばす必要があります。

テキスト

上記のようなかたちでサイト側のタグに埋め込む形で設定します。
また、これらのあらゆるタグを簡単に一元管理できるようになるツール「Googleタグマネージャー」も活用されています。

集客チャネル

実際にサイトにはどこから人が流入してきたのかを分析することは、効果測定において非常に重要です。Googleアナリティクスは、どこからサイトに流入してきたかを判別するデフォルトの設定が充実しており、「検索流入」「他サイトからの非リンク」「ダイレクト」「ソーシャル」などを自動的に判別します。

しかし、広告メルマガなど「その他」にあたる参照元はリンクにパラメータをつけて定義する必要があります。
その際に利用されるのが、UTMパラメータです。リンクの後ろにGoogleアナリティクスで認識できるパラメータをふることで、デフォルトの設定と同じように参照元を個別に定義することができます。

http://www.example.com/?utm_source=”参照元”&utm_medium=”メディア”&utm_campaign=”キャンペーン名”

広告の出稿の際に指定するURLの後ろに、どの出稿先からの流入かわかるように参照元を設定するなどして利用します。また、メルマガを配信する際に記載するリンクにも同じようにパラメータをふることでトラッキング可能になります。

まとめ

このように入口からゴール地点までのデータを網羅して取得できたら、あとはそれらを繋ぎ合わせて分析していきましょう。
ゴールまで到達した人はどの流入元から入ってきたユーザーなのか?集客で1番効果があったチャネルはどこだったのか?などさまざまな分析が可能です。

材料を集めの下準備をしっかりとし、後悔のないデータトラッキングを目指しましょう。