「あなたの会社は、ソーシャルメディアを上手にビジネス活用できていますか?」

この質問をされた時、自信を持って"できている"と答えられる方は少ないのではないでしょうか。

今回は日本国内で特に利用者数が多いTwitter(国内月間アクティブユーザー数 4,000万人 2016年9月時点)と、近年若い女性を中心に急激に利用者数が増えているインスタグラム(国内月間アクティブユーザー数1,600万人 2016年12月時点)を対象に、ソーシャルメディア上で顧客の声を収集・分析して企業のマーケティング施策に活用するソーシャルリスニングの活用方法・使い方を説明します。

ビジネスにソーシャルメディアを活用している企業の方や、これから導入しようと検討中の企業の方にオススメです。

参考:
ソーシャルリスニングとは?基礎的な概要や活用方法を解説|ferret
  

「インスタ映え」で若い女性が殺到する #ナイトプール

"ソーシャルメディアをビジネスに活用する"という視点で考えると、大きく2つのパターンに分類することができます。

まず1つが、自社でTwitter、Facebookなどソーシャルアカウントを開設して情報発信やコミュニケーションを行うことです。これは一般的に「ソーシャルエンゲージメント」と呼ばれています。

そして、もう1つが、ソーシャルメディアに散らばる情報の収集、分析を行うことです。これは自社に限らず、競合他社や業界全体のトレンドまで対象範囲が広がります。これは「ソーシャルリスニング」と呼ばれています。

ソーシャルリスニングの対象は、Twitter、Facebook、Instagram(インスタグラム)などの代表的なSNSに留まらず、ブログ、掲示板、レビューサイトなど多岐にわたります。
  

ソーシャルリスニングの強み

ソーシャルリスニングの強みはなんと言っても、アンケートなどでは得ることの出来ない消費者の生の声をリアルタイムで把握できることです。

ビジネスの視点から見た場合、自社の製品、サービスに留まらず、競合他社との比較、業界全体の流れを把握して、商品企画やブランドイメージの調査に活用できます。

また、以前までは計測が難しかったイベント、プロモーション、キャンペーンなどの効果測定の指標として用いられ、マーケティング活動の判断軸の1つとして使われています。

しかし、情報発信が主の「ソーシャルエンゲージメント」とは異なり、ソーシャルメディアを分析の場として活用する「ソーシャルリスニング」はまだまだ馴染みが薄く、どのような視点から見れば良いのかわからないという企業も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ソーシャルリスニングの主要な軸である「時間」「内容」「人」の3つの視点から活用方法を説明します。
  

時系列でトレンドの流れを把握 - #ナイトプールを例に分析 -

最近 "インスタ映え" という言葉が様々な場面で使われており、インスタ映えを積極的に意識した観光地やレストランなどが登場しています。その中でも特に、2017年の夏注目を浴びた "インスタ映え" の代表とも言えるのが、ライトアップされた空間の演出と充実した雰囲気が味わえる "ナイトプール" です。

本記事では "ナイトプール" をキーワードTwitterとインスタグラム上の投稿を分析します。

マーケティングで業界トレンドを分析する際に重要なのが、上昇トレンドの初期を見極めることです。“最近”話題のナイトプール! とよく聞きますが、具体的にはいつ頃から、どのような推移でトレンドが生まれたのでしょうか。

以下のグラフは、本文もしくはハッシュタグに "ナイトプール" が含まれる投稿をTwitterとインスタグラムとにわけた時系列推移です。

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投稿数は2014年8月頃から徐々に増加します。2014年8月の投稿数はTwitterとインスタグラムの合算で月間 2,738件 だったのが、毎年夏の期間になると投稿数が増えていき、3年後の2017年8月には月間 165,824件(分析時8月28日時点)と、約60倍まで急上昇しています。

ナイトプールに関しては、すでに上昇トレンドが成熟した様子がありますが、現在上昇トレンド初期のキーワードを見付けることによって、3年後のトレンドが見付かるかもしれません。

それでは、ナイトプールの上昇トレンド初期と言える、2014年8月の投稿傾向を見ていきましょう。
  

上昇トレンド初期の投稿傾向や投稿内容

上昇トレンド初期の投稿傾向や投稿内容を見極めることで、今後のトレンドとなるテーマを見付けることができます。

ナイトプールの場合、上昇トレンド初期の投稿傾向や投稿内容はどんなものだったのでしょうか。

以下のバブル図は2014年8月の投稿内容をもとに、よく使われたキーワードや関係性を視覚的に表わしています。

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ナイトプールの人気スポットである"ホテルニューオータニ"や流行のポイントである "女子" "日焼け" などが並んでいます。ダイレクトに "流行る" というキーワードも出ています。

次に、当時Twitterやインスタグラムに実際に投稿された内容を見てみます。

□ #いつめん #ナイトプール #summer #2014夏

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トレンドの兆しを見付けるには、投稿内容、エンゲージメント率(いいね、リツイートなど投稿に対する反応率)、関連キーワードなど多角的に見ることが重要です。

トレンドを作る要素として、投稿内容の傾向や投稿数と同時に、"誰が" 投稿していたのかも重要な要素です。次はそのキーワードについて、投稿した "人" に注目して見てみましょう。
  

トレンドのインフルエンサーを発掘

ソーシャルメディア上の投稿がトレンドや企業に大きな影響を与えることがあります。特に影響力が強いユーザーはインフルエンサーと呼ばれ、ソーシャルマーケティングの手法の1つとして注目されています。

インフルエンサーの基準は、フォロワー数やエンゲージメント率など、いくつかあります。それらの要素を総合してソーシャルメディアの影響力をわかりやすく数値化したものに "Klout(クラウト)スコア" というものがあります。0点~100点まで幅があり、数値が高ければ高いほど影響力が高いとされています。

これにより、自社のビジネスに関するキーワードのインフルエンサーを発掘することによって、業界のトレンド予測に活用することができます。

参考:
ソーシャルメディアのスコアをビジネスに活かす方法(基礎編)|ferret
  

まとめ

今回は "ナイトプール" という1つのトレンドをもとにソーシャルリスニングの基本的な活用法、見方について説明しました。

実際に企業がソーシャルリスニングを活用する際には自社製品、自社サービスを中心に競合との比較分析や自社の業界に関連する傾向を分析して、マーケティング戦略や製品開発に使われるケースが多いです。

ソーシャルメディアを情報発信やコミュニケーションの "エンゲージメント" だけに使い方を留めず、積極的に "リスニング" を行いビジネスへ効果的に活用していきましょう。