本当に成長してる?企業の経営状態を総合的に評価するための「バランス・スコアカード」とは
この記事は、2017年10月26日に公開された記事を再編集しています。
企業の経営状態を評価する際、特に注目している要素は何でしょうか。
多くの場合は財務状況に注目しがちです。もちろん、財務状況を正しく把握し、企業として健全な状態を維持しているのか評価することも重要です。ただ実は、財務状況以外にも目を向けるべきポイントがあることをご存知でしたでしょうか。とはいえ、どこに目を向けるべきか迷ってしまう方も多いはずです。
そこでオススメしたいのがマネジメントシステム「バランス・スコアカード」です。
今回は「バランス・スコアカード」とはどのようなものなのか、どのような視点で企業の経営状態を評価すればよいのかなどをご紹介します。
ただ財務状況にのみ目を向けていては、企業として中長期的な成長が見込めなくなってしまう可能性があります。ぜひ、本記事を参考にバランス・スコアカードの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
バランス・スコアカード(BSC)とは
バランス・スコアカードとは、企業の経営を主に4つの視点から評価分析するためのマネジメントシステムです。
ハーバードビジネススクールの教授であるロバート・S・キャプランと、コンサルタント会社の社長であるデビット・ノートンが行った共同研究の内容を、1992年にハーバードビジネスレビュー誌で発表したことからこの手法が利用されるようになりました。
それまでのマネジメントシステムでは、主に財務の視点からみた評価に重きが置かれていました。しかし、このマネジメントシステムでは、財務上は問題が無いように見える事業であっても、実は将来性がない、顧客満足度が非常に低い、社員の定着率が悪い……などといった問題が発生していたとしても評価対象には入りません。そのため、大きな問題と捉えられずに放置されてしまいがちで、事態が深刻化したころには打つ手がなくなってしまっている可能性が高まります。
一方、バランス・スコアカードでは財務視点に加え、顧客・業務プロセス・学習と成長の、計4つの視点で評価分析を行います。財務以外の経営状況や品質、顧客満足度、将来性などにも目を向けて総合的に経営を評価することで、財務視点だけでは表面化しない企業の問題点を早期に洗い出せるようになります。
さらに、
- 企業戦略や将来に向けた計画や課題の把握
- 従業員1人ひとりの役割を明確にする
- 業務プロセスを明確化し、社員の意識改革に繋がる
など、よりいっそう企業全体が一枚岩となって目指すビジョンに向けて行動できるようになります。
分析を行うための主な4つの視点
バランス・スコアカードを利用して分析を行う際は、先にご紹介したように主に4つの視点から行います。
1. 学習・成長
主に従業員の学習能力や企業の変革を起こす力、企業が目指す目標を実現するために必要となる土台の力をどのように高めていくのかを検討します。
ここでポイントとなるのは、企業のこれまでの実績を数値で算出したデータだけを見るのではなく、従業員や組織に対する「投資」となる未来の業績に対する効果を算出ための指標で検討する、という点です。
以下の指標例以外にも企業や事業に応じて、独自の指標を取り入れているケースもありますので形態などに応じて柔軟に対応してください。
● 指標例
・平均欠勤率
・社員定着率
・資格取得数
・女性管理職者数
・従業員1人あたりの研修費用
・従業員の満足度
・入社希望者数
・従業者平均年齢
2.業務プロセス
競合他社よりどの点において秀でることで顧客を獲得できるのか、顧客はどのような商品やサービスを求めているのかなどの企業のビジョンを達成する上での基盤となる業務プロセスが成り立っているかどうかを確認します。
ここでポイントとなるのは、業務プロセスの視点で設定した指標は、財務・顧客・学習と成長の視点の目標となることを念頭に置いておくことです。
● 指標例
・1人あたりの契約販売数
・顧客処理時間
・生産性向上率
・設備利用率
・リソース
・品切れ率
・平均故障間隔
・保証請求数
3.顧客
企業が目標を達成するためには、顧客に継続して商品やサービスを利用してもらわなければなりません。そのために顧客に対してどのようなアプローチを行えばよいのかを、顧客視点で検討する必要があります。
ここでポイントとなるのは顧客の立場からの視点だけではなく、「企業として顧客を見た時の視点」を忘れないことです。企業としての視点が加えて、収益性や顧客単価などにまで検討する視野が広げることが企業の目標達成には欠かせません。
● 指標例
・満足度指数
・顧客定着率
・平均取引高
・クレーム発生件数
・リピート購買率
・顧客1人あたりのコスト
・マーケットシェア
・返品率
・解約率
4.財務
企業の経営状態を評価する際に具体的な数値として算出される、財務の視点です。財務面での業績向上のために利害関係者に対して、どのようなアクションを取る必要があるのかを検討してください。
ここでポイントとなるのは、企業が目標とするKPIや見ているビジョンなどを達成するための指標を設定することです。
なお、財務視点の目標設定は、企業が成長期・維持期などのライフサイクルにおいてどの段階にあるのかによって変化することに注意が必要です。
● 指標例
・売上高
・営業利益
・純利益
・自己資本比率
・固定比率
・負債資本比率
・従業員1人あたりの総資産
・売上高利益率
・資本回転率
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- サイクル
- サイクルとは、スタートしてゴール、そしてまたスタートと、グルグルと循環して機能する状態のことを言います。まわりまわって巡っていく、といった循環機構をさすことが多いです。水の循環サイクルというように、実は繰り返しになってしまう使われ方もすることもしばし。また、自転車に関する事柄として、サイクルスポーツなどという使われ方をされることもあります。
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