バランス・スコアカードの作り方

step1. ビジョンの決定

まず、自社の目指す理想像(ビジョン)を明確に設定します。このビジョンに向けてそれ以降の項目の設定が行われるため、最も重要な項目となりますので、様々な視野から検討して納得のいくビジョンを策定してください。
  

step2. 戦略の決定

ビジョンを実現するにあたっての戦略を決定します。どの分野に力を注ぐのか、どのような戦略をとるのか、などが検討要素となります。すでにビジョンや戦略を持っている場合でも、将来に向けてもう一度見直してみることをオススメします。
  

step3. 戦略目標の設定

戦略を実行するにあたっての目標を設定します。次の項目の重要成功要因の設定と併せて策定していくことで、よりハッキリとした戦略を実践していくステップを決めることができます。
  

step4. 重要成功要因の設定

目標を達成するために必要な要因について検討します。個人の要因、環境要因、一時的要因などそれぞれの要因について深く検討し、目標達成に向けてとるべき具体的な行動を明確にしてください。
  

step5. 業績評価指標(KPI)の設定

目標を達成したかどうか判断するための基準(KPI)を設定。KPIとは「Key Performance Indicaters」の略称で、日本語に訳すと業績評価指標になります。

財務の視点だけではなく、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点でもKPIを設定し、それぞれの目標の進捗状況が可視化できるようにすることがポイントです。進捗確認には、ダッシュボードの利用がオススメで、KPIダッシュボードについては以下のferret内の記事にてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

参考:
いつでもどこでも進捗が確認できる!KPIダッシュボードを使ってみよう|ferret
  

step6. 数値の設定

設定した業績評価指標(KPI)に応じて、具体的な数値目標を設定します。短期的な数値目標はもちろん、中期・長期と各段階に応じた数値目標を設定することで達成度を分析しやすくなります。
  

step7. アクションプランの設定

業績評価指標(KPI)を達成するためのアクションプランを設定します。「いつ」までに「なに」を「どれだけ」達成するといった具体的な数値や期限を盛り込んだアクションプランの設定を心がけてください。
  

まとめ

バランス・スコアカードは、学習と成長・業務プロセス・顧客・財務の4つの視点から企業の経営がバランスのとれた状態にあるかどうかを評価し、ビジョンを設定するための手法の1つです。

4つの視点はお互いに因果関係があるため、どれが欠けても正しく評価することができません。

そのため、バランス・スコアカードをうまく活用するためには**「企業の課題やビジョンなどをあらかじめ4つの視点で分類しておくこと」「企業の課題やビジョンなどに因果関係を持たせること」「具体的な目標値の設定まで落とし込むこと」**の3つを意識することがポイントとなります。

特にバランス・スコアカードの活用の初心者の方は、活用に意識が集中してしまい最終的にゴールとすべき「企業の評価と成長」にまで目が行かなくなりがちです。

活用することでどのようなメリットがあるのかを忘れずに、試しに利用してみてはいかがでしょうか。