顧客インセンティブの種類

顧客インセンティブには、様々な方法があります。

今回は、下記5つの種類を解説します。

1. 値引き
2. 特典(おまけ)
3. プレゼント
4. 懸賞
5. ポイント

  

1. 値引き

値引きは、読んで字の如く、商品自体の価格や、購入時の手数料・送料から値引きする方法です。どんな顧客にとっても同じ価値であるお金インセンティブであるため、その価値が明確で分かりやすく、用意する側の手間もかからないことが特徴です。

参考:
西友、また値下げへ 年末に向け掃除用品など644品目|朝日新聞
  

考えなしの値引きは危険?

大幅に値引きしたセール後、元の価格に戻った途端に売上が激減してしまうことがあります。これは、前述した「損失回避の傾向」のように、人はポジティブな要因よりネガティブな要因に影響を受けてしまうことが原因です。

定価5,000円の商品を3日間限定で2,500円で販売し、4日後定価に戻します。すると、顧客は「5,000円が2,500円に下がった」印象より「2,500円だった商品が5,000円に上ってしまった」印象を強く抱きます。

そのため、値引きをする際は、特定の商品に対する顧客の「基準価格」を下げてしまわないよう注意が必要です。このように顧客にとっての基準が固定されてしまうことを、「アンカリング効果」と呼びます。

例えば、「A商品を単品で値引きする」より「A商品とB商品の同時購入で値引きする」など、商品単品の値引きの印象を強めないような工夫も有効です。

参考:
営業マンなら知っておいて損はなし!「アンカリング効果」の基本と活用方法を解説|ferret
  

2. 特典(おまけ)

販売する商品に、別の商品やオリジナルグッズなどをおまけで付ける方法です。クーポン券や、壁紙ダウンロードなどのデジタルインセンティブなども効果的でしょう。
  

実用性・汎用性のあるおまけ

特典を付ける場合は、実用性・汎用性のあるものがオススメです。

例えば、テレビショッピングでは、販売する商品に関連のある商品を特典にする場合がよくあります。販売商品のケアや、一緒に使うことで効果があがる商品などです。

購入に迷う顧客を「もうひと押し」できる商品を特典にすることで、購入意欲を高めましょう。
  

3. プレゼント

新商品のサンプルや、誕生日プレゼントなど、顧客が何も購入していなくても付加価値として提供する方法もあります。

参考:
お誕生日は、ポケモンセンターへ遊びに行こう!|ポケットモンスター
  

既存顧客へ継続的な価値を提供する

ただ、定期的にDMなどの広告を送るだけでは、顧客にとってメリットは多くありません。新商品が出たらサンプルを配布、誕生日月には特別なプレゼントを送ることで、顧客にとって価値のあるものを提供し、イメージの向上を図れます。

また、人は相手から何かしらの施しを受けると、こちらもお返ししなければと思う傾向があります。これを「返報性の原理」といいます。「返報性の原理」を活用し、更なる購買活動につなげることも一手でしょう。

参考:
相手に尽くすことが良い影響を生む!「返報性の原理」を活用したビジネスを実践しよう|ferret

4. 懸賞

応募者を集め、当選者に景品を提供する方法です。懸賞には、「オープン懸賞」と「クローズド懸賞」があります。

オープン懸賞

オープン懸賞とは、幅広く応募者を集める形式です。購入履歴や利用履歴がない人も応募できます。広告やSNSで拡散し、認知度を上げることが目的です。

参考:
「羽生結弦グッズ」が当たる懸賞にファンが殺到!|exciteニュース
  

クローズド懸賞

クローズド懸賞とは、自社の商品購入や会員登録など、何かしらの取引が条件で応募できる形式です。懸賞の景品によって、購入や登録への行動を促すことが目的です。

この2つの懸賞は、異なる法律によって規制されているため、実施する際は注意しましょう。

参考:
懸賞を企画してファンと交流しよう|ferret
2万件応募のキャンペーンを支えたアプリとは?~カルビー「ポテリッチ」のクローズド懸賞|AdverTimes
  

5. ポイント

ポイントは、飲食店や小売店でよく活用されている方法です。

紙、または電子版のポイントカードを作成し、利用に応じてポイントを加算していきます。貯まったポイントは、次回利用時の値引きや、オリジナル商品などと引き換えることができます。

既存顧客のリピート利用の促進に有効です。また、近年はポイントを電子化して管理することで、顧客の行動履歴などを蓄積し、別の販売促進活動に活かす企業も増えています。