2022年5月に日本でのサービスを再始動したMicrosoft 広告BtoB、EC企業を中心に、新たな広告配信先として注目が高まっています。

Microsoft 広告の特徴と強み、そして今後の展望について、日本マイクロソフト株式会社の有園雄一氏、金田信和氏に伺いました。

また、多くの企業のMicrosoft 広告の運用支援を行う、株式会社オプトの山本孝太郎氏、安田拓氏、野村広輔氏には、どのような企業がMicrosoft 広告に取り組むのが良いかについてお話しいただきました。

目次

  1. Microsoft 広告とは
  2. Microsoft 広告の強み
  3. Microsoft 広告と相性がいい企業とは
  4. Microsoft社の今後の展望
Microsoft 広告の特徴とパフォーマンス最大化のポイントとは?

Microsoft 広告の特徴とパフォーマンス最大化のポイントとは?

オプト社が支援した業界の事例も紹介

Microsoft 広告とは

ferret:
Microsoft 広告が日本市場で再始動した背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

有園:
Microsoft 広告はWebブラウザの「Microsoft Edge(以下Edge)」や検索エンジンの「Microsoft Bing (以下Bing)」などに配信できる広告です。

日本におけるEdgeのユニークユーザーが増えたほか、Bingの日本におけるシェアが16.6%と、広告ビジネスを展開する上で十分なボリュームに達したことから、2022年5月31日にMicrosoft 広告のサービスを再始動しました。

Edgeのユーザー数は今後さらに伸びると考えています。

日本マイクロソフト株式会社  有園雄一氏

日本マイクロソフト株式会社 Microsoft Advertising Regional Vice President 有園雄一氏

Edgeのシェア

※日本マイクロソフト社提供資料より引用

Edgeのシェア

※日本マイクロソフト社提供資料より引用

Edgeのユーザー数が伸びている背景

有園:
そもそもEdgeのユーザー数が伸びている背景として、利用環境や使い方によって便利に活用できるであることが挙げられます。

Edgeは、Google Chromeと同じオープンソースのブラウザ向けコードベース「Chromium」で作られています。そのため、Google Chromeの操作に慣れているユーザーにとって、Edgeは使いやすいブラウザなのです。

日本マイクロソフト株式会社 金田信和氏

日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 広告事業本部 部長 金田信和氏

金田:
また、日本ではWindowsを搭載している端末の普及率が高く、デフォルトのブラウザとしてEdgeが入っていることもシェアが伸びている理由です。

教育現場でご利用いただいている端末の多くがWindowsであるため、16歳~24歳の若年層でもEdgeのユーザーが多くなっています。また、デフォルトで設定されているEdgeの使用を好む45歳以上の男性ユーザーも多いです。

Microsoft広告のユーザー属性

※日本マイクロソフト社提供資料より引用

Microsoft 広告で利用できる配信先

有園:
Microsoft 広告は、Bingの検索結果画面上にテキストフォーマットの検索連動型広告を配信することが可能です。

また、商品名や商品ジャンル名を検索したユーザーに対して、商品画像付きで表示されるショッピング広告も配信できます。

Microsoft 広告で利用できる配信先

※日本マイクロソフト社提供資料より引用

検索広告以外には、MSNやMicrosoft Outlook、Edgeなど、Microsoft Audience Networkと呼ばれる面に配信される広告もあります。テキストバナー広告、動画などのフォーマットを利用可能です。

Microsoft 広告の配信面

※日本マイクロソフト社提供資料より引用

Microsoft 広告の強み

ferret:
Google広告やYahoo!広告などの媒体と比べて、Microsoft 広告にはどのような強みがあるのでしょうか。

多岐にわたる製品・サービスと多くのユーザーデータ

有園:
豊富な独自データに基づいて配信できることが強みです。

マイクロソフトは、BingやEdgeに加えてOSのWindowsをはじめ、業務ソフトのMicrosoft 365など、多岐にわたる製品やサービスを展開しており、それぞれ一定規模のユーザーが存在します。
多くのお客様にご利用いただいていることにより、匿名でプライバシーに考慮したファーストパーティデータを保有していることが特徴です。

豊富な独自データを持つMicrosoft広告

※日本マイクロソフト社提供資料より引用

比較的低いCPCで広告出稿が可能

有園:
ファーストパーティデータ活用によるターゲティング精度の高さから、コンバージョン率が高くなり、クリック単価(CPC)が低く抑えられていることもMicrosoft 広告の強みです。

CPCが低い理由として、Microsoft 広告がサービスを開始して日が浅く、競合性が低いからという見方もあります。しかし、キーワードによってはすでに多くの企業が広告出稿をしているものもあり、それらのCPCも比較的低く推移しています。

Microsoft 広告と相性がいい企業とは

ferret:
ここからは、Microsoft 広告の運用支援について、株式会社オプトさんにお話を伺います。
Microsoft 広告は、どのような業界・業種の企業に向いているのでしょうか。

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左から、株式会社オプト メディア戦略部1部 安田拓氏、メディア戦略部1部 部長 山本孝太郎氏、メディア戦略部1部 野村広輔氏

BtoBやECは特に相性が良い

野村:
GoogleやFacebookを活用したネット広告で効果が出る業界であれば、Microsoft 広告も効果が期待できると思います。

その中でも特に、PCを利用しているユーザーの比率が高い業界はMicrosoft 広告と相性が良いです。また、BtoB業界の場合は最終的に商談につながりやすく、CPAが安価になる傾向があります。

▼オプト社が支援しているBtoB業界2社の事例(Googleを100%とした場合の成果)

オプト社が支援しているBtoB業界2社の事例

野村:
コロナ禍の影響で、勤務時間の合間に仕事用のPCでもECを活用し、プライベートな買い物をする「ワークデイコンシューマー」が増えました。そのような利用者に対してリーチできるため、Microsoft 広告ECビジネスとも相性が良いです。

他に、人材業界や金融業界などもMicrosoft 広告と相性がいいと考えています。

ワークデイコンシューマー

※Microsoft社提供資料より引用

安田:
ユーザーの方が商品を知ってから購入するまでの検討期間が長い業界は、仕事中にPCでサービスを検索し、検討する機会も多く、結果として高い広告効果を得られやすいと思われます。例えば、金融業界のローン商品などは、PCで比較サイトを見ながらどれを選ぶか検討する期間が長いため、Microsoft 広告と相性が良いと考えられます。

また、社内ルールとしてEdgeしか利用できないセキュリティ環境の企業を対象とした商材も、Microsoft 広告と相性が良いです。銀行や不動産業などでは、Edgeのみ利用可能というケースがあります。それらの企業を対象としたBtoB向けのSaaSなどの商材は、Microsoft 広告を活用してユーザーへの認知を広げることが多く、広告の費用対効果も高い印象です。

その他の傾向として、高年収層ユーザーの方向けの商品、例えばクレジットカードのゴールド券種やプラチナ券種などもMicrosoft 広告で良い反応が得られています。Edgeを利用している45歳以上の男性との親和性が高いことが分かっています。

すでにGoogle広告やFacebook広告を活用している企業にもおすすめ

野村:
Microsoft 広告には、Google広告やFacebook広告掲載内容を転記できるインポート機能があります。そのため、すでにGoogle広告やFacebook広告を利用している企業にも、Microsoft 広告がおすすめです。

今、国内でショッピング広告を提供しているのは、GoogleとMicrosoftの2社のみです。すでにGoogleショッピング広告を利用している企業は、Microsoft のショッピング広告も成果が期待できます。

広告の必須メニューとして取り組みたい

山本:
Google広告やYahoo!広告は出稿企業が多く競争率も高いため、単価高騰に悩まれている企業も多くいらっしゃいます。それに比べて、Microsoft 広告はサービス開始から1年とまだ出稿企業も少なく、これから成長していく媒体として、広告の必須メニューとしてポートフォリオ化して組み込んでいった方が良いと考えます。

Microsoft Bingは既に国内の検索シェアの17%弱を占めているため、Microsoft 広告を実施しなかった場合、そのユーザーにリーチできないということにもなります。そうした機会損失を防ぎ、かつCPCを維持するためにも、現在の検索広告の約10%をMicrosoft 広告に割り当て、CPCやCPAなどの反応を見た上で割合を調整していくことを推奨しております。

▼こちらの資料でも事例をご覧いただけます

Microsoft 広告の特徴とパフォーマンス最大化のポイントとは?

Microsoft 広告の特徴とパフォーマンス最大化のポイントとは?

オプト社が支援した業界の事例も紹介

Microsoft社の今後の展望

ferret:
最後に、Microsoft社の今後の展望と戦略についてお聞かせください。

Microsoft社の今後の展望と戦略

すべての製品にAIのメリットを組み込んでいく

有園:
まず、基本的にはすべての製品やサービスにAIのメリットを組み込んでいく方針です。すでに、EdgeやBingにはOpenAIによるChatGPTの進化版が統合されています。また、Microsoft 365や、クラウドコンピューティングサービスのMicrosoft Azureなどにも、AIが取り入れられています。

金田:
過去25年間、検索エンジンはスピードや精度という点では進化してきましたが、形自体は変わっていません。しかし、最近の数か月間でChatGPTが搭載されて、チャットで対話するような検索が可能になりました。AIによって大きな変化が起こる前兆だと感じています。

ポイントプログラムでユーザーの裾野を広げる

有園:
Bingで検索した時などにポイントが貯まる、「Microsoft Rewards」というポイントプログラムにも注力していきます。貯まったポイントは、現在はAmazonやAppleなどのギフトカードとの交換が可能です。

Microsoft Rewards

※オプト社提供資料より引用

今後、共通ポイント事業者との連携を拡大し、ユーザーの裾野を広げていく予定です。ポイントが貯まるというメリットによりBingの検索、そしてEdgeを利用するユーザーが増え、Microsoft 広告のボリュームもさらに増えるという戦略を描いています。

ferret:
そうしたユーザーにいち早くアプローチするためにも、Microsoft 広告を新たな選択肢として選ぶ企業が増えていきそうですね。

▼Microsoft 広告の特徴を解説したオプト社の資料はこちら

Microsoft 広告の特徴とパフォーマンス最大化のポイントとは?

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