近年、SNSの利用率が益々増え、多くのユーザーがSNSを通じて「情報の発信と収集」を行う時代を迎えています。

それに伴い、SNSを活用する企業も増えています。中でも、企業からの一方的な発信だけではなく、ユーザーによる自主的な発信を促すことによって、商品の認知度やイメージを向上させる施策が活発に行われています。

ユーザーの自主的な発信を促す施策として、多くのフォロワーを抱える*「インフルエンサー」に拡散してもらう方法多くの一般ユーザーに投稿してもらって拡散させる方法*の2つがあります。

今回は、後者である多くの一般ユーザーに投稿してもらえるような施策のポイントについて解説します。

SNSを効果的に活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
  

SNSの利用率は年々増加、企業も進出を始めている

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画像引用元:平成29年版情報通信白書|総務省

SNSの利用率は、年々増加しています。流行により利用サービスには盛衰があるものの、何かしらのSNSを利用している人は2016年時点で*71.2%*にのぼります。
  

約4割のユーザーが何らかのSNSで企業アカウントをフォローしている

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画像引用元:2017年版スーパーマーケット白書|一般社団法人新日本スーパーマーケット協会

SNSの利用率増加に伴い、個人ユーザーだけでなく企業のアカウントも増えてきました。中にはユーザーと交流しながらユニークな投稿をしているアカウントもあります。

調査によると、約4割のユーザーが何らかの企業アカウントをフォローしているようです。ユーザー間の交流だけでなく、企業からの情報収集の場としても機能していることが読み取れるでしょう。
  

ユーザー投稿促進は難しい

ユーザーによる自主的な発信は、特に近いコミュニティの中で信頼が高まります。ある商品を、企業や芸能人から宣伝された時点では興味がなくても、近くの友人がオススメし始めると突然気になって買ってしまう経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、ユーザーに投稿を促すことは容易ではありません。その理由は、「企業がユーザーに発信してほしい内容」と、「ユーザーがSNSで発信したい内容」が違う場合があるからです。

ユーザー投稿を促進するためには、いかにターゲットに「投稿するメリットがある」と思ってもらえるかがポイントです。
  

SNS投稿促進のためのポイント

ユーザーのSNS投稿を促進するためには、5つのポイントがあります。

1.商品デザイン
2.空間デザイン
3.キャンペーン企画
4.プレゼント企画
5.ユーザー協同企画

自社で広めたい商品やサービスの特徴に合わせて、効果的なポイントを試してみましょう。
  

1. 商品デザイン

商品のデザイン自体がオシャレであったり斬新であったりすると、ユーザーの投稿動機に結び付きやすくなります。

写真映えする風景や物などのことを「フォトジェニック」といいます。フォトジェニックな被写体を選んで「SNS映え」を意識することで、反響を集める投稿を狙いましょう。
  

オシャレなデザインでSNSから話題に

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カイリジュメイ

カイリジュメイは、ドライフラワーと金箔があしらわれたリップです。オシャレで繊細なデザインが若い女性の注目を集め、インスタグラムで拡散されて有名になりました。

SNSのユーザー層はサービスによって異なります。自社商品のターゲット層と親和性の高いサービスで拡散されている商品を調査すると、ユーザーの求めるものが見えてくるかもしれません。
  

1人ひとり違うフォトジェニックを提供

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pinofondue café

ピノフォンデュカフェは、期間限定でオープンしたイベントショップです。アイスのピノと、マシュマロクリームやチョコペンなど様々なトッピングの材料がセットになっており、購入した客が自由にトッピングして飾ることができます。2017年には、自分たちでフォトジェニックなピノを作る「ピノジェニック」をテーマにし、数多くの投稿でSNSを盛り上げました。
  

2. 空間デザイン

商品のデザインだけではなく、ショップやイベントそのものを「フォトジェニック」に工夫するのも有効です。
  

砂浜カフェ

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Alee Beach

Alee Beachは、本物の砂浜が床に敷き詰められたリゾート風のカフェです。

貸し出しサンダルで入店できるため、普段着のまま、本物のビーチに来ているかのように楽しめます。また、2012年にアメリカで流行した天使の羽の絵が描かれたフォトスポットを設置しており、インスタグラムを中心に多くのユーザーが写真を投稿しています。
  

3. キャンペーン企画

ユーザー参加型のキャンペーンを企画し、投稿を促す方法です。特定のキーワードに「ハッシュタグ」をつけて投稿します。他のユーザーの投稿も確認できるため、参加している一体感を感じられます。
  

ハッシュタグ投稿でフォトコンテスト

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山中温泉インスタグラムコンテスト

石川県にある山中温泉は、観光中に撮影した写真をハッシュタグ付きでインスタグラムに投稿してもらい、その中から優秀作品を選定して景品をプレゼントするキャンペーンを行っています。ユーザーに拡散してもらうことで山中温泉のアピールに繋がる一方、投稿者も景品のチャンスを得られ、相互にメリットが生まれます。
  

4. プレゼント企画

SNSにハッシュタグ付きで投稿すると、抽選で当選したユーザーに景品をプレゼントする企画は、近年頻繁に行われています。

ハッシュタグ付き投稿やリツイートで応募できるものと、投稿後、実店舗でプレゼントを直接受け取れるものなどがあります。
  

リツイートでホットミルクが値引きor無料

ローソンはTwitterで、2017年10月から販売したホットミルクのプレゼントキャンペーンを行っています。公式アカウントをフォロー後、投稿をリツイートすると、その場で「値引き」か「無料」かのサービスコードが配布されます。
  

ハッシュタグで投稿後、実店舗でプレゼント

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Amazon Bar

Amazon Barは、Amazonが期間限定で開いたバーです。来店後、ハッシュタグをつけて投稿することで、ビールかハイボールを1杯無料でサービスするキャンペーンを行いました。
  

5. ユーザー協同企画

ユーザーが投稿した画像や動画を組み合わせ、1つの作品を制作する企画です。企業と一緒に何かを作り上げる経験を通して、企業ブランドやサービスをより強く印象づけます。
  

ユーザーが「周囲を巻き込んで参加できる」企画で投稿を募集

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TABLE FOR TWO

TABLE FOR TWOは、世界食料デーのキャンペーンとして「おにぎりアクション2017」を行いました。ユーザーはおにぎりに関する様々な写真をハッシュタグ付きで投稿し、優秀作品には協賛企業が景品を送る企画です。

このキャンペーンでは160,425枚もの写真が集まりました。一般消費者だけでなく、地方自治体や一般企業、国外からの投稿なども多く集まり、話題を呼びました。
  

まとめ

ユーザーによる投稿を促進するには、自社商品の「強み」とターゲットの「感動のポイント」を組み合わせることが大切です。「共有したい!」と思われるような企画を実施することで、認知度とともに顧客のエンゲージメント(愛着心)も高めることができます。

競合他社やインフルエンサーだけでなく、一般ユーザーの投稿もチェックしておくと、企画のための意外な視点やヒントを得られるかもしれません。