株価と決算から見る デジタルマーケティング市場【四半期決算・2023年夏編】投資家の期待値を下回った企業が大勢を占める
決算資料は、業界の動向や自社の競合企業の強みと弱みを把握できる貴重な材料です。一方で、情報量が非常に多いために、投資家ではない人が要点を理解するのはとても時間が掛かってしまいます。
そういった方々のために、この記事では、デジタルマーケティング企業9社の四半期決算とそれに対する株価の動き、今後の注目ポイントをピックアップしました。こちらをご覧いただければ、業界の動向を定量的に理解し、足元で各社がどう評価されているかが分かります。自社をとりまく業界の状況をぜひチェックしてみましょう。
目次
四半期決算まとめ(全体)
全体の売上ではOrchestra Holdings、博報堂DYホールディングスが前年四半期比で10%を越える成長を達成しています。Orchestra Holdingsは過去最高の売上高を更新、博報堂は国内ではインターネットメディア、アウトドアメディアが前年同期から二桁を超える伸びとなったほか、マーケティング/プロモーション等も伸び、海外はアジアにて回復基調が継続しています。
売上が大きく減少しているデジタルガレージについては、主にデジタルマーケティング事業における運用型広告等についての計上方法の変更が原因で、実態としてはほぼ横這いの売上成長率になっています。
全般的に営業利益は前四半期比で大きく減少していますが、これは主に人件費の影響だと考えられます。昨年の1-3月はコロナ禍の影響でマーケティングの中でもデジタルマーケティングに予算が集中していました。
それに対して、今年の1-3月はコロナが収まってきて展示会などが他のマーケティング手法が再開していること、景況感が悪化していることからデジタルマーケティング市場の中での競合は激化していますし、IT系の企業が最も人件費の高騰の影響を受けているようです。
四半期決算まとめ(デジタルマーケティング関連事業)
デジタルマーケティング関連事業に限ると、大きく増収した会社と減収した会社、濃淡入り乱れる結果となりました。
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