この記事は、2018年1月4日に公開された記事を再編集しています。

ビジネスにおける様々な分析ツール、アプリケーションなどが日々リリースされています。

その中で、皆さんはBIツールと呼ばれるサービス、ツールをご存知でしょうか?

BIツールとは「Business Intelligence」の略語で、ビジネスにおける様々なデータを収集して分析するツールです。日々大量に収集されるデータを適切に処理し、活用可能な形にアウトプットする分析ツールです。

近年ではデータドリブン経営、データドリブンマーケティングなどのキーワードがよく聞かれるようになり、ビックデータに基づいた経営戦略やマーケティングの舵取りが注目されています。BIツールは専門的な知識を持ったデータサイエンティストでなくとも、分析が可能になる便利なツールという認識をされている方が多いでしょう。実際にセルフサービス型のBIツールは数多くリリースされています。

そこで今回は、BIツールによって実現可能な4つの機能と導入における失敗例について紹介します。

BIツールで可能な3つのこと

BIツール導入_004.jpg

BIツールで主に可能なことは、「複数データの統合・連携」「データの分析・集計」「目的に応じたデータの可視化」です。

複数データの統合・連携

まず、BIツールは社内外における様々なシステムに蓄積されたデータを1つに収集して統合します。こっちのデータはCSVで経理のPCに溜まっていて、こっちのデータはクラウドサービスに置いていて、それぞれファイル形式も違って……といった複雑なデータのやり取りを集約して行うことが可能です。

データの分析・集計

各種システムから情報を抽出し統合することで、複数のデータを横断して分析ができます。
数字のベンチマークなどをBIツールを使うだけで分析・集計してくれます。

目的に応じたデータの可視化

ただ、無数の数値が集まっていたところで、それらをどう活用して良いかがわかりません。そのため、集約されたデータを目的に応じて可視化していく必要があります。BIツールでは、人間が意思決定したり、マーケティングに役立てるために、ダッシュボードなどにビジュアライズして直感的にわかりやすい形で表現します。

また、それまでExcelで地道に作成していたレポートも、BIツールを活用することで手間を大幅に削減するというメリットもあります。
  

BIツールで実現可能な4つの機能

BIツール導入_002.jpg

では、実際にBIツールにはどのような機能が備わっているのでしょうか。大きくわけると4つに分類ができます。
  

レポーティング

ビジネスにおける様々なデータを集約し、解析可能な形に可視化します。単なる数値の羅列ではなく、グラフや表などにしてダッシュボードに展開することで、より人間が理解しやすくなります。ダッシュボード化しデータを可視化することで、ビジネスを俯瞰して見ることができ、意思決定する際の参考にすることが可能です。

分析だけではなく、監視も簡単にできるようになります。数値の異常値や行程の遅れなども、ビジュアラズすることで気付きやすくなり、問題が起きている時の早期発見が可能です。また、独自に設定しているKPIなどの自分が頻繁にチェックしたい項目などを見やすくカスタマイズすることができるため、より簡潔にデータの把握が可能になります。
  

OLAP分析

OLAPは「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」を意味します。蓄積されたデータを細かく切り分け深掘りし、要因を特定するといった分析を行います。「スライシング」「ドリルダウン」などの処理を行うことでより深くデータを分析することが可能です。また、インメモリという技術を使っているBIツールであれば大量のデータの取り扱いに適しており、より素早い処理が実現できます。
  

データマイニング

データマイニングでは、溜まっているデータを統計的に分析します。クロス分析、相関分析、回帰分析などの複雑な処理をツール上で行うことができます。データを統計的に見ていくことで、より有効なパターンや傾向を把握することが可能です。データから法則性や関連性を導き出し、新たな気付きや発見を見付けことができます。

また、データサイエンティストや統計学に詳しい方であれば、専門的な知識にのっとった分析を簡単に展開できます。
  

シミュレーション、プランニング

蓄積されている過去のデータから予測を立てて、最適な予算編成などをレコメンデーションしてくれる機能です。データから分析をし、統計を基にした未来予測を行い、予算編成などの経営判断やマーケティングの判断に役立てることができます。

また、条件などの変化によってシミュレーションが可能なWhat-if分析を活用することで、より幅広い分析が可能になります。