顧客ロイヤルティを知って利益を得よう!最低限知っておきたい5つのポイント
モノも情報も溢れている現代社会において、自社の商品やサービスを長きに渡って利用してもらうためにどのような施策が必要となるのでしょうか。
企業によって具体的な施策は異なるものの、どの企業においても言えることの1つに「顧客ロイヤルティの向上」が挙げられます。顧客ロイヤルティを向上することは、企業が大きな利益を得るためには必要不可欠と言っても過言ではありません。
今回は、そもそも顧客ロイヤルティとはどのようなものなのかについてご紹介します。併せて顧客ロイヤルティを高めるメリット5つと、最低限知っておきたいポイント5つについても解説します。
自社の商品やサービスの販促マーケティングが行き詰まっている、もう一段階レベルアップしたいなどをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
顧客ロイヤルティとは
「顧客ロイヤルティ」とは、顧客(ユーザー)が自社商品やサービス、企業のブランディングなどに対して持つ信頼や愛着、リピート利用などを総合的に言い表した言葉です。顧客ロイヤルティが高ければ高いほど、商品やサービスなどを長きに渡って使用(購入)してもらえるようになります。
顧客ロイヤルティをより理解するためには、心理面(心理面なロイヤルティ)と行動面(行動面のロイヤルティ)の2つに分解することがポイントです。顧客はどのようにロイヤルティを高めていくのかを理解しておくことで、より効果的な施策を検討することができます。
顧客ロイヤルティを測るための指標は自社で独自に設けているケースもありますが、一般的には2003年に米国の大手コンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー」のフレドリック・F・ライクヘルド氏が発表した「NPS(Net Promoter Score)」という指標が使用されています。
NPSの計測方法については、以下のferretの記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
また、計測に便利なサービスもご紹介しています。
参考:
NPSとは?顧客満足度に代わる新しい指標を理解しよう|ferret
顧客の商品信頼度を数値化できる!NPS(顧客ロイヤルティ)サービス5選|ferret
心理的なロイヤルティ
心理的なロイヤルティとは、顧客が自社の商品やサービス、企業のブランディングなどに対して持っている信頼や愛着など、プラスの感情のことを示します。
心理的なロイヤルティは、実際の顧客行動にも直接影響を与えるため、如何にネガティブな感情を抱かせないか、万が一問題が発生した時にその問題を逆手にとって最終的にプラス感情へ転換できるかなどが重要です。
行動面のロイヤルティ
行動面のロイヤルティとは、実際の顧客行動を示します。
心理的なロイヤルティ高まれば行動面のロイヤルティも向上する傾向にあるため、例えば、商品やサービスの継続的な利用や競合他社への乗り換え防止、口コミなどの行動が期待できます。特に口コミに関しては、企業が発信する販促メッセージよりも大きな効果を持ちます。これはプラス面・マイナス面どちらにも言えることですので、ネガティブな口コミによるマイナス影響を受けないよう、気を配ることが重要です。
顧客ロイヤルティを高めるメリット5つ
1. リピート率の向上
顧客ロイヤルティを高めると、顧客自身が自社商品やサービスから競合他社へ乗り換える必要性を感じず、さらに商品やサービスの有益性を感じることもできるため、リピート率の向上が期待できます。
2. 顧客の単価の向上
顧客ロイヤルティの高い顧客は、商品やサービスだけではなく、企業のブランドそのものに対しても好意的である可能性が非常に高いです。そのため、もともと顧客が購入を検討していた商品やサービス以外にも、企業側が提案したほかの商品やサービスを購入を検討してもらえる可能性も高まります。
ここで注意すべきポイントは、顧客がマイナス感情を抱くような販促は行わないことです。あくまで顧客が何を求めて自社商品やサービスを利用しているのか、どのような点に魅力を感じているのか、顧客のニーズに応えられる商品やサービスを提供できるのかなどを総合的に判断して販促を行ってください。
顧客の目線や心情を顧みずに販促を行うと、マイナス感情を抱かせてしまう恐れがあります。
3. ロイヤルカスタマーの育成
顧客ロイヤルティの向上は、ロイヤルティカスタマーの育成にもつながります。
ロイヤルカスタマーとは、簡単に言うと家族や友人など顧客の親しい人へ自社商品やサービスを紹介してくれる、いわゆる口コミ効果が期待できる顧客のことです。親しい人からの口コミは、商品やサービスのメリット・デメリットをよりリアルに知ることができるため、新規顧客が購入を検討する際の大きな外的トリガーとなります。
4. 顧客1人あたりのコスト削減
「20%の優良な顧客が企業の売上全体の80%を担う」というパレートの法則があるように、顧客ロイヤルティを高めて優良な顧客が増加すればするほど、企業の売上も増えて大きな利益を得ることができます。
新規顧客獲得のためには既存顧客の5倍のコストがかかるという「1:5の法則」から見ても、新規顧客獲得はもちろん重要できるがそれ以上に既存顧客を優良な顧客へ育成することは非常に重要です。
この2つの法則から、優良な顧客が増えれば増えるほど全体で見た時に顧客1人あたりにかけるコストを削減できることは一目瞭然です。なお、パレートの法則については以下のferretの記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。
参考:
パレートの法則とは〜売上の8割を生み出す2割の重要顧客を見つけよう|ferret
5. スタッフのモチベーション向上
顧客ロイヤルティを向上させることで、クレーム対応や在庫処理など、スタッフの心理面にマイナス影響を与える業務を減少させ、顧客からプラスの反響を感じらるようになります。また、ロイヤルカスタマーを多く育成することで販促業務を最低限に抑え、ロイヤルカスタマー育成前までに必要だった販促経費をスタッフの福利厚生に使用できたり販促業務の工数を減少させたりなども可能です。
これらはスタッフのモチベーションを向上させるため、結果的に人材を確保しやすくなったり企業のために自主的に行動できるスタッフが増えたりなど、企業全体の業務効率化にもつながります。
顧客ロイヤルティアップのために知っておきたいポイント5つ
1. 顧客へのヒアリングを徹底して数値化する
先にご紹介した「NPS」でも自社独自の評価基準でも構いませんが、既存顧客へ自社商品やサービス、企業ブランドなどに対する愛着や信頼などをヒアリングし、視認できるように数値化することがポイントです。
数値化することで「現在、何が足りていないのか」「十分に提供できているのか」をきちんと把握することが可能です。
結果、足りていない部分に対しては改善施策を分析・検討、十分に提供できている部分はなぜロイヤルティが高いのかを分析して企業ノウハウの1つとして蓄積しておくことができます。
2. 心理的なロイヤルティの向上
例えば、リピーターに対してはポイント付与のサービスを提供したり、新規顧客を紹介してくれたら追加サービスなどのインセンティブを提供したりなど、「顧客に喜ばれることは何か」を意識した施策は、心理的なロイヤルティの向上につながります。
先にご紹介したように、心理的なロイヤルティが高まれば行動面でのロイヤルティも高まる傾向にありますので、結果的にさらなるリピート利用や口コミ行動などにつながります。
ただし、ここで重要となるのは、根本からの心理的なロイヤルティ向上を意識することです。本来心理的なロイヤルティとは、商品やサービス、企業ブランドなどに対する愛着や信頼などの「感情」を指します。そのため、ただポイントサービスなどを提供しただけでは、類似のサービスを競合他社が提供した際に天秤にかけられます。
ここで顧客がどちらの企業を利用するか判断軸となるのは、「どちらのブランドが好きか、信頼できるか」です。愛着と信頼を勝ち取るためには、競合他社と類似したサービスを提供するだけではなく、「如何に顧客目線で彼らのニーズに寄り添うことができるのか」がポイントとなります。
3. サービス力の向上
顧客と企業が接するタッチポイントは、実際の販売現場だけではありません。電話やホームページ、SNS、メールなど、タッチポイントは多岐に渡ります。
顧客と接することができるツールが多ければ多いほど、様々な角度からアプローチ可能です。ただ、非常に便利ではありますが、同時に顧客が企業に求める「要求への対応」もロイヤルティ向上において重視されるポイントとなります。
例えば、以下の例ではいかがでしょうか。
Aというネットショップで机の購入を検討していて商品の詳細を知りたいが、Aへ連絡したものの何時間も返答がない。
同じ商品名を検索してみたらBというネットショップも販売していたので、そちらにも問い合わせるとすぐに返答があった。
Bの方がAに比べて1,000円高いが、対応の速さと丁寧さからBでの購入を決めた。
このような経験は、特にネットショップを利用する機会の多い方はよくあるのではないでしょうか。問い合わせやクレームなどへの対応の遅れや乱雑さは、顧客満足度を低下させてしまうためロイヤルティを失う大きな要因となります。
「自分が顧客だった場合にどうしてもらえるとうれしいか」を考え、ホスピタリティのあるサービスを提供するよう心がけることが重要です。
4. SNSの活用
FacebookやTwitter、インスタグラムなどのSNSを利用して自社商品やサービスの販促を行っている企業も少なくありません。
SNSは既存の顧客と企業が気軽につながることのできるツールで、かつ新規顧客に対してもプロモーションだけではなく、サービス力をアピールすることのできる場です。また、顧客の細かいニーズ、商品やサービスに対する感想などを知ることもできるので、率直な意見をヒアリングする場としても活用できます。
さらに、SNSで拾い上げた顧客のプラス意見をスタッフに伝えることもできるため、顧客ロイヤルティ向上のメリットとして先に記載した「5. 業務効率の向上」にもつながります。
なお、SNSを活用するにあたっては「3. サービス力の向上」でもご紹介したようにスピーディーな対応が求められます。
適切でスピード感のあるコミュニケーションは、既存顧客の満足度を上げるだけではなく、新規顧客に対しても好印象を与えます。顧客とよい関係を構築・維持することを意識してください。
5. カスタマーエクスペリエンスの向上と改善
カスタマーエクスペリエンスとは、顧客が商品やサービスなどを利用する際に通過する体験の一連の流れを示します。商品やサービスの購入前の販促〜購入後のサポートなど、自社の商品やサービスに関連する顧客体験全てです。
カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、現状でどのタッチポイントに改善できる点があるのかを分析することからはじめる必要があります。分析を行った結果を商品やサービス、関連するサポートサービスなどに活かすことができれば、顧客ロイヤルティを向上させることにもつながります。
まとめ
「顧客ロイヤルティ」がどのようなものかや向上させるメリットを理解し、最低限知っておきたいポイントを押さえておけば、顧客と長い期間良好な関係を築くことができるため、企業は大きな利益を得られるようになります。
顧客ロイヤルティ向上のためにやるべきことが多いようにも感じますが、根底にあるのは「顧客目線をどれくらい大切にできるか」ということです。
例えば、自分に置き換えた場合、誕生日にお祝いのメールが届いたり、通常提供されていない特別な商品やサービスの提案があったりなどすれば、企業に対する愛着が湧きやすいのではないでしょうか。これは自社の顧客においても同様です。
まずはヒアリングや分析を行って、現状でどれくらいの顧客ロイヤルティを獲得できているのかを把握し、改善ポイントを見付け、より顧客に寄り添った商品やサービス、サポートサービスの提供を検討してみてはいかがでしょうか。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- コンサルティング
- ビジネスはより高度化し専門的になっています。そこで、事業者のみならず専門家を呼び、彼らからアドバイスを受けながら、日々の活動を確認したり、長期の戦略を考えたりします。その諸々のアドバイスをする行為自体をコンサルティングといい、それを行う人をコンサルタントと言います。特別な資格は必要ありませんが、実績が問われる業種です。
- 口コミ
- 「口頭でのコミュニケーション」の略で、消費者の間で製品やサービスの評価が伝達されることです。 一方で、不特定多数の人々に情報が伝達されることをマスコミと使われます。
- 口コミ
- 「口頭でのコミュニケーション」の略で、消費者の間で製品やサービスの評価が伝達されることです。 一方で、不特定多数の人々に情報が伝達されることをマスコミと使われます。
- パレートの法則
- パレートの法則とは、全体を構成する数値は、その一部分が大きく影響を及ぼしている、という経験則のことを言います。イタリアの経済学者・社会学者ヴィルフレド・パレートが1896年に提唱したものです。20対80の法則、ニハチの法則と呼ばれる場合もあります。
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- リピーター
- リピーターとは、商品やサービスに愛着を持ち、繰り返し利用してくれるお客様のことです。 リピーターを獲得することは、ホームページを使って売上を上げるためにも重要な指標の一つと言えます。
- インセンティブ
- インセンティブとは、作業者やユーザーの行動をうながす為に運営者が与える報酬を指します。インターネットにおいては、サービス利用者に特典などのインセンティブを示し、積極的にサービスを使ってもらうことために行われます。
- 口コミ
- 「口頭でのコミュニケーション」の略で、消費者の間で製品やサービスの評価が伝達されることです。 一方で、不特定多数の人々に情報が伝達されることをマスコミと使われます。
- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- Twitterとは140文字以内の短文でコミュニケーションを取り合うコミュニティサービスです。そもそもTwitterとは、「小鳥のさえずり」を意味する単語ですが、同時に「ぺちゃくちゃと喋る」、「口数多く早口で話す」などの意味もあります。この意味のように、Twitterは利用者が思いついたことをたくさん話すことのできるサービスです。
- タグ
- タグとは、原義では「モノを分類するために付ける小さな札」のことです。英語の「tag」を意味するものであり、荷札、付箋といった意味を持っています。特にインターネットに関する用語としてのタグは、本文以外の情報を付与するときに用いられます。
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