日本人のiPhone所有率はアメリカよりも高く、MMD研究所が行なった2016年4月~9月スマートフォン購入に関する定点調査では、スマートフォンを購入した人のおよそ7割がiPhoneを購入したと答えています。

もちろん、米国以外では世界に先駆けてソフトバンクがiPhone 3Gを国内で販売し、その初期から始まる「発売初日に大行列でiPhoneを購入する」というイメージによって、スマートフォンといえばiPhoneという印象が確立されたのは確かでしょう。

その後もAppleがイメージ戦略として打ち出しているシンプルでわかりやすい動画CMによって、AppleはiPhoneが魅力的なデバイスであることを常に訴求することに成功しています。

今回は、Webマーケターなら確認しておきたい、動画マーケティングが「ずば抜けて上手い」Apple動画の公式動画広告7選をご紹介します。ほとんどの動画広告が30秒〜1分程度と短いですが、最後に伝えたいメッセージを短めのキャッチコピーで分かりやすく伝えており、参考にできることも多いのではないでしょうか。

動画マーケティングが「ずば抜けて上手い」Apple動画の公式動画広告7選

1. Apple Watch Series 3 + Apple Music

Appleはプロダクトのブランドアイデンティティをと伝えるために、プロダクトの発売前にイメージCMを打ち出すことがあります。そうしたCMの一つが、「Apple Watch Series 3」の発売前に打ち出された「Roll」と名付けられたこの映像です。

映像の中で、Apple Watch Series 3とAirPodを腕に身につけたスケードボーダーが、音楽に合わせてスケードボードを華麗に乗り回します。映像の最後には「40 million songs on your wrist」(あなたの腕に、4000万曲)というキャッチコピーが登場し、Apple MusicのサブスクリプションによってApple Watchだけで音楽が聴き放題になることを宣伝しています。

「Coming soon」(まもなく登場)のセリフによって、あとは視聴者の想像にお任せする、というのはAppleの動画プロモーションの常套手段です。このようなイメージ動画を、自社のプロモーションに取り入れるのも面白いでしょう。

2. WWDC 2017 - APPOCALYPSE

WWDC 2017のオープニングで流された、ユニークなビデオをご紹介します。こちらの映像はストーリー仕立てになっています。

ある新人のApple社員が、場所がないのでと一時的にApp Storeのデータサーバーに案内されます。席に着くやいなや、水が出てくる泉のオブジェの電源を供給しようとコンセントをさがしますが、誤ってApp Storeのプラグを抜いてしまいます。

すると、世界中でiOS上のアプリが使えなくなってしまうという事態に陥ります。WeChatも、Airbnbも、地図アプリも使えなくなり、世界中で交通事故が多発してしまいます。

その結果世界は混乱し、人々は今までiOS上のApp Storeで担っていたものをスラム街で展開するようになります。世界の成れの果てです。

最後には、「Keep making apps. The world is depending on you.」(アプリを作り続けよう。世界はあなたにかかっている)というオチが出て、WWDCが幕開けします。

3. Holiday - Sway

こちらは、iPhone XとAirPod、Apple Musicのイメージビデオです。この映像はミュージカル調になっているため、セリフすら出てこないものの、軽いストーリー仕立てになっています。

雪の中、少女がiPhone Xを取り出し、Sam Smithの「Palace」を聴き始めます。突如少女にだけスポットライトが当たり、少女は音楽に合わせて踊り出します。

いろいろな障害物を避けながらうまくダンスするものの、とうとう1人の男性にぶつかってしまいます。しかし、AirPodの片耳を男性の片耳に付け替えることで、またダンスが再開します。BGMに「Yeah, I know just what to say」(ねぇ、何が言いたいのか分かるわね)という歌詞も流れます。

最後には驚くほどのアクロバティックなバク転を決めますが、我に返り、2人は別々の道を歩き始めます。最後のキャッチフレーズは「Move someone this holiday」(この休日に、誰かを感動させよう)というメッセージが登場して終わります。

製品としてはiPhone X、AirPod、Apple Musicにフォーカスが当たっているビデオですが、製品がビデオに登場するのはほんの少しで、全体的に「Apple製品のある生活」を演出しているイメージビデオとなっています。営業要素が全くなく、消費者としてはかえって好感が持てる映像に仕上がっています。

4. これがFace ID

こちらは、iPhone Xの顔認証システム「Face ID」についてのプロモーションビデオです。

「絶対に忘れない魔法のようなパスワード、それは…あなたの顔」というキャッチーな出だしからスタートし、リズミカルなテンポでさまざまな人種のさまざまな顔が登場します。

「どんな顔でも」「Apple Payも顔で」「あなたの顔でここまでできる」として、最後には「iPhone + あなたの顔」、それが「iPhone X」であるというメッセージを打ち出しています。

この動画CMのように、製品がフィーチャーされている場合には、30秒程度でテンポよく、印象に残るように編集されています。どのキャッチコピーも非常に短く簡潔で、記憶に残るようにできているのは、CMがよく考えられているからでしょう。

5. Apple Watch Series 3 - Surfing

こちらも「Apple Watch Series 3」の動画プロモーションです。

大きな波の中でサーフィンをする女性が登場し、サーフィンの最中に、腕にはめているApple Watchが着信を知らせる、という内容で、セリフも一切ないCMに仕上がっています。

Apple Watch Series 3が「防水」であることはもちろん、Apple Watchだけで「通話」もできるという、2つの機能をわずか30秒程度で見事に伝えているCMです。最後には、「The freedom of cellular」(移動通信手段の自由を)というキャッチコピーで締めくくられています。

6. バーバーショップ

約1分のこちらの動画は、iPhone 7 Plusのカメラ機能を紹介するCMです。今度の舞台は「床屋」(バーバーショップ)になっています。

床屋に来た人が、iPhone 7 Plusのポートレートモードで撮影されることで、奇抜な髪型に様変わりし、床屋は大繁盛するという物語。

最後に出てくる恒例のキャッチコピー「ほとんどマジック」という言葉になっています。

7. On Any Given Wednesday

最後に登場するのは、新しいiPad Proの紹介映像です。こちらもセリフは一切なく、動きだけでiPad Proの素晴らしさを伝える内容になっています。

カバンからiPad Proを取り出した人々は、Apple Pencilで絵を書いたり、フォルダにある画像をアプリに添付したり、描いた作品をメッセージで送ったりと、それぞれの楽しみを満喫しています。

発売前ながら、iOS 11の新機能を利用しており、「あんなこともできる、こんなこともできる」というわくわくする気持ちを視聴者から引き出すことに成功しています。このCMでのキャッチコピー「新しいiPad Pro」だけです。それ以上に余計な言葉は必要ないのかもしれません。

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まとめ

短いながらも訴求力のあるプロモーション動画ばかりでした。製品の細かい説明を5分、10分と聞くよりも、こうした60秒程度のCMを見たほうが、不思議と購買意欲がそそられるものです。

MovieTimesによれば、動画CMはあまり長い尺が取られると一気にエンゲージメントが下がるようです。動画マーケティングを考えているWeb担当者は、いかに短い尺でメッセージを込められるか、考えてみてはいかがでしょうか。