まずは発信すること。発信しないと見つけてもらえない

飯髙
プラットフォームデバイスってどんどん新しいものが出て多様化していますよね。その中で自分を見つけてもらうにはどうすれば良いと思いますか。

家入 氏
自分を知ってもらうにはってことですよね。

飯髙
そうですね。

家入 氏
常に与え続けることだと思います。そのために使えるものは使った方がいいです。

例えば、僕は今Twitterのフォロワーが18万人ほどいるので、新しいサービスを始める時にフォロワーが0人の人が発信するよりブーストがかかります。
僕のフォロワーも昨日まで0人で今日18万人になったのではないですよね。堀江さんみたいな有名人も同じです。あれだけすごい人だと生まれながらにして「ホリエモン」みたいなイメージを描かれがちですけど、そんなことはなくて。日々の小さな積み重ねで、今の堀江さんがいるんです。本でも書いてましたが、最初はみんなゼロなんです。そこを意識することがすごく大切です。

それでは何を積み重ねていけばいいのかっていうと、まずは発信することです。自分がやろうとしていることへの思いや、やっていることへの思いをとにかく発信し続ける。まずは発信しない限り、見つけてもらえないので。
とはいえ、いきなり無名の方が発信し始めてもいきなり見られることはなくて、その思いに共感する人が1人2人と増えていって少しずつ知ってもらえるようになっていくと思います。まずは発信して、見返りを求めず、与え続けるってことですね。

もうひとつは、とにかく動き続けることかな。例えば、僕がやっているリバ邸って活動は、僕自身に金銭的な見返りは一切ないです。むしろ持ち出してる。だけどこういう居場所が世の中になくて、必要だと思って立ち上げました。それが六本木、渋谷と広がって、リバ邸にきた子たちがさらに故郷にも広げていく。そうしたら、僕が「これをやりたい」って時に、「自分はこんなことができます」と声が返ってきます。

これって、リバ邸が普通のシェアハウスビジネスだったらなかったと思うんですね。こういう場所が必要だよねって自分から動いて、自分で場所を作っていくと、少しずつ賛同してくれる人たちって増えていきます。とにかく動き続けて与え続けることなんだろうなって思いますね。

短期的な見返りを求めると、そんなに大きなことはできません。中長期で必ず自分が社会や仲間や助けたいと思う人たちに与え続けると、それがいつか大きくなって帰ってくるって僕は信じてます。それに、目の前の短期的な利益を得ようとすると小さなことしか得られなくなります。見返りを求めず、与え続けることです。

どうやったら自分の発信をシェアしてもらえるかを考える

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家入 氏
今って何だってありますよね。FacebookやTwitter、noteやクラウドファンディング、YouTubeなど使えるものは何だって使った方がいいです。僕もTwitterでDMをもらって面白いなって思う子がいたら会いに行ったり、飲みに行ったりすることがあるんです。会って一緒に面白がって、手伝うよ、ってなることもあります。

僕に連絡してきた理由が明確に見えると、面白いし手伝ってみようかなって思えるので、「こういう人に使ってもらいたい」とか「この人だったら自分のこと面白いと思ってくれるかな」って方に連絡してみるのも一つの手かなって思います。

あとは、どうやったら自分の発信をシェアしてもらえるか考えるのは本当に大事です。例えば、友人からこれちょっとシェアしてって言われた時に、「シェアしたいな」と思うものと「ちょっと嫌だな」と思うものがあります。
自分がシェアする側に立った時に、どういう目線のメッセージを発信したら周りの人がリツイートするかなと考えるのがすごく大事です。

BASE(誰でもネットショップを開店できるサービス)を立ち上げたとき、代表の鶴岡裕太くんにBASEを作った背景をとにかく発信しろってアドバイスしたんです。BASEは鶴岡くんのお母さんが大分でブティックを経営していて、ネットショップをやりたいのにやり方がわからない。そういう人が簡単に無料で使えるサービスを作ろうってところからできました。最初に言ったように、身近な人のために手紙を書くようにサービスを作ったんですよね。

人は、どうしてBASEが生まれたか、という背景に対して共感し、その共感を他人におすそ分けしたくてSNSでシェアをするんです。当時無名の鶴岡くんが「こんなサービスを作ったよ」とだけ呟いても、それはシェアされないと思うんですよ。だけど、「故郷のお母さんに使ってもらえるショップサービスが欲しくて作ったよ」と呟くことでシェアされるんですよね。
どうやったら共感してもらえるのか。どうやったら物語を面白がってシェアしてもらえるのかを考えていくことが大切なんです。